オタク文化は絶対芸術 ~人が着かざる難解象徴~

制作者:KrK (Knuth for Kludge)

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いわゆる「オタク」の文化がこれまでの文化と違うのは、その文化が閉じていることにあると思う。

それまでの芸術は背後に人生論などが見え隠れしていた。というより、人生論・世界観を絵画や音楽という形で表したものだった。一方オタク文化は、存在するために存在する、いわゆる絶対芸術であることが特徴である。

電車オタクは人生を豊かにするためではなく、電車に乗ることそのものを目的として電車に乗る。健康食品オタクとは、健康のためという当初の目的を忘れて、購入に重きを置いた人を言う。萌え漫画はその奥にある教訓を得るためではなく、読んで面白いことだけに価値を置く。

昔のギャグ漫画が「ナンセンス」、つまり意味がない漫画であることをわざわざ標榜しなくてはいけないほど、通常の漫画には「意味」が求められた。「右手にジャーナル(朝日ジャーナル)、左手にマガジン(週刊少年マガジン)」という標語がよく表している。ナンセンス漫画の代表である赤塚不二夫作品のキャラクターであるニャロメでさえ学生運動の象徴となったほどである。

しかし萌え漫画は意味を求められない。場合によってはギャグすら求められない。存在そのものに意味があるのだ。オタク文化以外を満喫することを「リア充」とのたまうのも、オタク文化が「リアル」に根ざしていない事を意味している。

まさに「わび・さび・もえ」である。

「人生は真実を探求すること。そして世に真実はない。」中国の諺


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