MMR被害児を救援する会ニュース
第41号 2005・8・20
MMR被害児を救援する会事務局

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口頭弁論は10月19日と12月7日(最終弁論になる予定)
来春には控訴審判決の見込み
 鑑定、意見書でA君死亡の因果関係立証が進んでいます。

◆大阪高等裁判所口頭弁論の予定
1 日 時 10月19日(水)、12月7日(水)午後2時〜
2 場 所 大阪高等裁判所別館82号法廷
3 その他 報告集会を行います。会場は法廷でお知らせします。


◆MMR訴訟3件の中でA君事件は第一審で敗訴しました。被告国は、A君はMMRワクチンの副作用から一旦完治した後インフルエンザに罹り死亡したので死亡とMMRワクチン接種とは無関係と主張し、大阪地裁の判断も同じでした。原告は控訴審でこの第一審判決を覆すため、MMRワクチンがA君の免疫力を抑制し直接の死因である急性脳症に影響を及ぼしたことの立証に力を入れてきました。病理学研究の第一人者である仙台大学教授名倉宏氏の組織標本鑑定結果と補充鑑定書に加え、7月20日には京都大学医学部付属病院病理部の中嶋安彬氏から診断病理学的意見書が出されました。今回の鑑定、意見書では、腸組織(免疫機構の司令塔と言われる)で免疫機構が破壊されていた可能性が指摘されました。これは、MMRワクチンが腸組織の免疫機構を破壊し、正常な防御反応ができなかったために通常なら死に至らないような病気に罹っただけで死亡したという原告の主張を裏付けるものです。A君の両親が「MMRワクチンを打ってから体質が変わってしまったように次々と病気になった」「インフルエンザにかかったとしても、ふつうの元どおりの元気な体ならあんなに悲惨に血を吐いて死んでいってしまうようなことはなかった」と訴えていることにも合致します。

 控訴審は原告被告双方の基本的な主張が終わり、現在の主任裁判官が判決を書く様子であることから判決は来年3月と見込まれます。もう一つ原告が控訴審で重要な争点にしているMMRワクチンで事故が多発したにもかかわらず接種を中止しなかった国の責任認定と合わせて立証を強化、整理し、結審に向かっています。12月7日の最終弁論(予定)ではA君の両親が原告陳述をすることになります。支援の皆さん、今から予定に入れて控訴審最後の口頭弁論を傍聴していただくようお願いします。

(このニュースは8月24日薬害根絶デー参加の皆さんにも読んでいただくように発行しましたのでニュース前号と重複する内容になりました。)

■初めての方に:被害の内容と訴訟の経過

A君: 1989年10月、当時1歳4か月の男児がMMRワクチンを接種。8日後に発熱し、無菌性髄膜炎にかかり、一旦退院したものの、再び発熱した後急性脳症により死亡。ワクチン接種から65日後のことだった。

大輔君:1991年6月、当時1歳9か月の男児がMMRワクチンを接種。2日後に発熱し、けいれんを発症。すぐに昏睡状態に陥り、重度の知能障害を残した状態で症状固定。その後も無気肺や肺炎を繰り返し、肺気腫、無気肺により死亡。ワクチン接種から約1年1月後のことだった。

−A君、大輔君共に、国は予防接種被害認定制度での予防接種と死亡との因果関係を否認。
 両親が、1993年12月24日国と阪大微研を被告に大阪地裁に提訴。
係争中、大阪府知事は、大輔君の両親が行った審査請求に対し、4年以上経過した1997年12月25日原処分を取り消し、死亡一時金等の支給を認めた。−

花さん:1991年4月、当時1歳10か月の女児がMMRワクチンを接種。2週間後に発熱し、けいれんを発症。すぐに昏睡状態に陥り、その後の処置の甲斐もなく重度の後遺症を残し今日に至る。

−国は予防接種被害認定制度では予防接種による障害と認定し、障害児養育手当1級を受給中。
 花さんと両親が、1996年4月23日同じく大阪地裁に提訴−

 2003年3月13日第一審大阪地裁判決が出た。大輔君、花さん事件は基本的に勝訴、A君事件に不当判決。阪大微研が被害を陳謝し、判決の損害賠償金とA君の両親に見舞金を支払い、訴訟から撤退した。A君の両親は国を控訴。国は大輔君、花さん事件で控訴し、大輔君の両親、花さんと両親もこれに対抗して第一審判決の不十分点を指摘して控訴(附帯控訴)した。大阪高裁での控訴審が国を相手に2003年7月25日から続いている。


◆厚生労働省交渉(8月24日薬害根絶デー)では、次の2点をとりあげます。
3、「予防接種の運用や感染防止の提言を素早く行う常設委員会の設置を厚生労働省が計画していることが、9日分かった。」(共同通信5月9日)これについての構想と具体化の手順を示してください。またその委員会に、MMRのように被害を拡大することのないよう、監視と迅速に中止判断をする機能をもたせてください。
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8、日本脳炎自然感染患者の年次別年齢別集計と日本脳炎ワクチン接種後のADEM(急性散在性脳脊髄炎)症例報告を初見からすべて(学会・研究班、健康局および医薬食品局双方のデータを統合して)示した上で、5月30日に通知された積極的勧奨の中止について、その背景や決定に至る経過を説明してください。

薬被連「要望書」厚労大臣あて05.8.24付より