■控訴審結審で意見陳述−A君の父

結審を迎えて、今思うこと…
平成17年12月7日

 私たちはだまされました。今もなお、そういう思いでいっぱいです。病気の恐ろしさばかりを強調して副作用はほとんどないと書いてある予防接種手帳、育児雑誌、それを支える予防接種推進派の医者達に。あのMMRワクチンを接種してしまい、長男を亡くし、その後やっとの思いで産まれてきてくれた長女(中学1年生)、次男(小学3年生)がいます。この子達は何一つ予防接種を受けていませんが、この子達の方がよっぽど元気に育っています。母子健康手帳の予防接種の記録のページを見ても、この元気な子供たちのは真っ白です。死んでしまった長男のページは、ツベルクリン、BCG、百日咳、ジフテリア、破傷風、ポリオ、そして“麻疹・風疹・おたふく(MMR)の欄に「何年・何月何日に接種された」と記録が残っています。彼の生後4ヶ月頃の日付から、最後に受けたMMRの平成元年10月25日まで。

 昭和63年6月1日、我が家に待望の長男が産まれ、平成元年10月25日にMMRワクチンを接種するまではとても健康に、すくすくと育っていました。長男は、接種後MMRの中のおたふく風邪のワクチンの副作用で、無菌性髄膜炎にかからされ、3週間以上も入院を強いられました。

 「おたふくかぜ」・・・。今年の6月1日の夜8時ごろ、次男が「耳の下がなんか痛くなってきた…」と言い出し、しばらくするとそこが少し腫れてきました。「だんだん、よけいに痛くなってきた・・・」というので、自然療法の本を見ると、「冷やしてやると痛いのが楽になる」と書いてあったのでそのようにして休ませました。次の日の朝には痛みはほとんど引いていましたが、まだ腫れていたのでかかりつけの小児科の先生に診ていただき「耳下腺炎」という診断をされました。が、薬は何も飲まなくてよくて、安静にしておくだけで3日ほどで腫れもなくなり、熱もはじめの1日だけ38度ちょっと出ただけで、週明けには登校許可書を書いてもらい、元気に登校して行きました。こんな簡単な病気のために・・・! なぜ、あんなに大変な思いをしなくてはいけなかったのかと腹立たしく思っています。

 長男の入院中は点滴、点滴で 小さな身体で血管が細いため、すぐ漏れてしまっては刺しなおし、また髄液採取のために腰に針を刺さなければならず、そんな痛い髄液検査を何回もされていました。本当に痛い思いの連続でしたし、40度を超えるほどのとても高い熱に苦しめられていました。おたふくかぜワクチンなんて接種する必要があったのか、本当にとんでもないワクチンを造ってくれたものだと思っています。

 自分の子供を亡くすと言う大きな犠牲をはらい、とても悲しい経験をし、はじめて予防接種の恐ろしさを知らされました。なぜもっと早く「副作用が多発している」という事実を公表してくれなかったのでしょうか。もう何日かでも早くその情報を得ることが出来ていればと悔やまれます。そして、行政を恨みます。長男が接種してしまった数日後に『MMRワクチン、副作用多発!』という記事が新聞に載り、親戚の叔母さんから「副作用が多いみたいやから、やめときや!」と電話がかかって来ました。この時には、まだ副作用が現れていなかったので大丈夫だと思っていましたが、その数日後にまさかと思っていた事が起こってしまい、こんな不幸な結果になってしまいました。

 健康に育っていく事を願って、そして安全である事を信じ、義務だから受けないといけないと思って受けたMMR。誰のためのワクチンだったのでしょうか?副作用が何百分の一とか、何千分の一とか言われますが、一人くらいの犠牲ならいいんですか?その子が、その一人が自分の子供だったらという事を考えて下さい。製造方法を無断で変更し、国家検定を受けていないワクチンが販売されるなんていう事があってよいのでしょうか…。人の命にかかわる事にそんな事があって許されるのでしょうか。今思う事は、病気よりも、営利のために作られたワクチンの方がよほど恐ろしい。また、それを守ろうとし、副作用を隠し続けていた厚生省(当時)や医者達のほうがよっぽど恐ろしいという事です。好きこのんで受けたのではなく、行政の力で受けさせられたMMRワクチンに私達の息子は殺されました。1歳代にかかりやすいと言われるはしかのワクチンと3歳以降にかかりやすいといわれるおたふくかぜや風疹のワクチンを混ぜようとしたのが間違いの始まりだったのです。そんな必要は全然なかったし、あんなワクチンはいらなかったんです。

 1歳7ヶ月という幼い子が血を吐いて死んでいったのです。本当にむごい最期でした。

 12月29日という年末に、長男は逝ってしまいました。ついさっきまで、にこっと笑って、暖かくて、やわらかかったのに…。数日後に迎えたお正月の空気の冷たさと寂しさは、今でも忘れる事はできません。

 子供たちは親の宝物です。社会の宝でもあるはずです。そんな大事な子供たちにされるワクチン、予防接種なのだから、もっともっと細心の注意を払って作り、実施してほしいと思います。

 長男は大がかりな人体実験に使われてしまった、そんな気持ちがしています。もう、こんな事が二度と起こらないようにお願いします。必要のない予防接種はやめて下さい。そして副作用などが少しでも起こる可能性がある事が判った時には素早く情報を流して欲しい。これが私達の今の思いです。

 長女と次男は今日も元気に学校に行って勉強に、遊びに、部活に頑張っています。二人とも「お兄ちゃんに会いたかったなぁ」と言っていました。長男が生きていれば高校2年生です。私達も、本当に元気なお兄ちゃんに会わせてやりたかったです。