NHKニュース速報

期限切れの混合ワクチン接種か

 副作用が多発した新三種混合ワクチン=MMRワクチンの接種が中止される前に、有効期限が切れたものが少なくとも百人あまりの子供に接種されていた疑いがあることが被害者の支援団体の調査でわかりました。
 MMRワクチンは、一回の接種で、はしか、おたふくかぜ、風しんの三つの病気を予防することができるワクチンとして平成元年に導入されましたが、数百人から千人に一人という割合で無菌性髄膜炎の副作用が発生し、接種した後に死亡した子供もいたため平成五年四月にすべて接種が中止されました。
 被害者を支援している「MMR被害児を救援する会」の調査によりますと、このうち副作用が高い頻度で出た「統一株(トウイツカブ)」と呼ばれるMMRワクチンは、接種が中止される前に製造されなくなり、最後に国の検定を受けたワクチンの有効期限は平成四年九月に切れていました。
 しかし、当時の厚生省の研究班の報告書では、その後も平成四年十月から翌五年の三月にかけて東京都と神奈川県で百四人の子供に接種されたと書かれていました。
 支援団体では「全国的にはもっと多くの子供に使われていた可能性がある。問題になっていたワクチンがなぜ期限が切れた後も使われていたのか調査すべきだ」と話しています。
 これについて厚生労働省では「期限切れのワクチンが使われていたとしたら問題で他の県でもなかったか調査したい」と話しています。
(2002.12.17)