真壁makabe |
筑波山のすぐ北側に位置する真壁は、戦国時代末期にこの地に城を築いた真壁氏が、その城下町として整備したことから発展が始まった町。真壁氏が秋田へ移った後は浅野氏が統治し、真壁陣屋が置かれた。江戸時代には綿花流通の拠点として、さらに明治以降も製糸業や石材業(真壁石)などの産業の拠点として引き続き繁栄した。 格子状の通りを中心とした城下町の町割りが今もそのままに残り、かつての商家が建てた見世蔵などが通りに沿っていくつも現存する。特に見事な景観が見られるのが、町のランドマークともなっている旧真壁郵便局の洋風建築(2枚目写真左側)が残る御陣屋前通りと下宿通り・上宿通りの周辺で、潮田家住宅などの商家が連続して残る。102棟もの建物が国の有形登録文化財に登録されているということで、保存に向けての地元の熱意が伝わってくる。 上宿通りの南側の通り沿いには村井醸造の酒蔵がずっと続いていて、これもなかなかに見事。蔵の見学もできて、試飲コーナーもある。小さいながらも、城下町らしさが強く感じられるのが、この町の魅力と言えるだろう。かつての筑波鉄道(真壁駅跡が町の東側に残る)やバス路線の廃止で、一時は交通手段がすべて失われていたというのが信じられないくらいに風格のある町だが、現在は桜川市営のバスが水戸線の岩瀬駅から運行されており、アクセスの改善が図られている。