近年発展著しい草津の駅前には、多数の再開発ビルが並ぶ。そんな高層建築物の一つ、「エルティ９３２」の地下にあるのがこの「ばんから横丁」。昭和三十年代の草津駅前を再現したヌーベル町並み。
できて数年になるが、決して知名度が高いとは言えない。しかし仕上がりにはかなり力が入っていて、相当にリアルな雰囲気が漂っている。人も少な目なので、正直言って、歩いていて少し怖くなるくらいだ。タイトル写真の場所など、今にも小林旭が殴り合いを始めそうである。
かつて草津で他の取材中、「ばんから横丁」という名前を見つけて勘が働き、偶然に発見したこの場所。滝見小路に匹敵する規模だが、未だに案内も少なく、普通の駅前ビルの地下にこんな空間があるとは、気付かない人も多いだろう。それだけに、突然ここに迷い込んだときは、悪夢のようにシュールかつヌーベルな世界に心底驚くに違いない。おすすめ。