パイオニアのカセットデッキCT-A7Dです。
このデッキは、「カセットデッキマニアック」の管理人さんであるラグナさんから譲って頂いたものです。
ジャンク品ということでしたが、程度はかなり良く、メカ系の異常以外は問題ないようです。
このモデルの兄貴分にCT-A9Dというモデルがありますが、A7Dも基本的には同じようですので、音質的にも期待できると思われます。
メカの修理はビデオデッキで鍛えたので楽勝と思いましたが..........
早速フタを開けてみました。
ごく普通な作りのようですが、緑のMUSEがやたら目立ちますね。
再生イコライザまわりを見てみると、FET入力構成でした。スチコンやMUSEなど、高性能なパーツでしっかり組まれています。
この後にあるOPアンプはM5218Lという、ごく普通なものが使われています。
押さえるところはキチンとやってあるといった作りです。
メカを取り出すためにフロントパネルを外します。
これ、外すのはけっこう面倒です...。
やっと取り出したメカ。なかなかよく出来ています。
なんとなくアカイのメカに似ていますね。
とりあえず、メカの位相がズレているのは分かっているので、そこから攻めてみることにします。
しかし!メカの位
相の合わせ方が全くわかりません。ビデオデッキのようにどこかに合わせマークがあると思っていましたが、見事にありません。こりゃ、困りました。本当に困りました。
仕方がないので、ここは覚悟を決めて、1コマづつ動かして動作するか確認しながら進めるという、気の遠くなる無謀な作業を試みました。
サービスからマニュアルを送ってもらえばそれで済むんですけどね。今思えばなんでこんな無謀なコトしたんだろ(^^;
途中何度も諦めかけましたが、ようやくベストポイントを発見しました。
カムを回すとカセットホルダーが開くポイントがあります。そのポイントの時にカムギアの合わせマークがこの位 置にくるようにすればOKです。
疲れた...本当に疲れました。
次はへろへろになったベルトを交換します。
付いていたベルトは御覧の通
り...終わっています。
本来なら新品交換ですが、とりあえず手持ちのベルトを切って詰めて使ってみることにしました。
ピンチローラーも劣化気味なのでヤスリで研摩してみました。
あまり良い方法ではないのですが、とりあえずということで...。
とりあえず完成しました。動作も問題ありません。
いつものようにテープパス&アライメント、ヘッドアジマスやレベルなどをキチンと調整して完了です。
ピンチローラーを研摩という無謀な事をやりましたが、思いのほか走行は安定しています!これには驚きました。
音質については、正直なところあまり期待していなかったのですが、意外にも良いです!
一言で言えば「自然な音」です。柔らかく、繊細で、落ち着いた雰囲気はなんとも魅力的であります。
高域は伸び悩んでおりますが、中〜低域にかけての落ち着いた雰囲気は特筆モノです。ただ単に高域が伸びきっていないからそう感じるだけかとも思いましたが、それだけではないようです。走行系も安定していて、安心してのんびりと聞いていられます。
この落ち着いた感じはXK-009改をもってしてもかなわない部分でもあります。
このCT-A7Dはとても良いデッキです。しかし、欲をいえば録音のキャリブレーション機能を付けてもらいたかったです。せめてバイアス微調整は...。残念です。
やはり、これ以上を望むならCT-A9Dを買えって事でしょうか?
仕方が無い、なんとか手に入れてみましょうかねぇ...(^^;