御深井焼(おふけいやき)
主として17世紀後半から18世紀にかけて盛行した灰釉に長石を加えて透明度を高めた釉を施すとともに摺絵や型打ち(素地を型にはめて成形する技法)や貼付文などを用いた陶器類の呼称である。
通常は江戸時代の美濃焼に属するものをいう。
ただし、伝統的に「御深井」と呼称されるもののなかには灰釉と区別がつかないものもある。
本来は、万治3年(1660年)に名古屋城内の御深井丸でそのような釉を施した陶器が焼かれ、それを「御深井焼」と呼んだのが由来であるが、
そういった狭義の御深井焼に似た長石を加えた灰釉を施し型打ちをしたり摺絵などを施文した焼き物一般にまで呼称としてひろがり、定着している。
長石を配合した灰釉を施した陶器は、江戸時代初頭から前半の元屋敷窯、窯ヶ根窯、清安寺窯でも焼かれていたが本格的に普及したのは、17世紀後半であり、
研究者によっては、このような江戸時代初頭から前半の御深井風の製品を「美濃青磁」と呼ぶものの、
大川東窯(瑞浪市)や弥七田窯(可児市)で「青磁」が焼かれており紛らわしいことから呼称が定着していない。
器形としては、皿(菊皿などそのほか菱形、方形、柏葉状、五角形、六角形など)や鉢などで型打ちや摺絵を施したもの、向付、丸碗などで摺絵をほどこしたもの、
水指、花瓶、香炉などがあげられる。
しばしば釉薬が溜まる箇所はガラス質で透明な緑色に見えることがある。
17世紀後半の皿は、胎土が黄白色の陶器質で三個の円錐ピンを用いて焼いているため、見込み部分に目痕(円錐ピンの痕跡)がみられるが、
18世紀前半の皿は胎土がb器質で重ね焼き焼成をしているためそのような目痕はみられない。
香合(こうごう)
香を収納する蓋付きの小さな容器。茶道具の一種であり、また仏具の一種でもある。 香蓋とも書かれるが当て字。また合子(ごうす、ごうし)ともいう。
茶道における香合 茶を点てる前の湯を沸かす時に炉等で焚くための香を、あらかじめ香合に入れる。 香合の中には必ず3個入れておき、その内2個を炭の近くに落とし入れ、薫じさせる。
残り1個はそのまま拝見に回す。 風炉と炉では用いる香が違うため、異なる香合を用いる。 炉(11月?4月) 練香を入れる。 陶磁器の香合を用いる。
練香の湿気が漆器を傷めるため、漆器の香合は用いない。 風炉(5月?10月) 角割の香木を入れる。唐木、竹製などの漆器の香合を用いる。季節問わず
ハマグリなどの貝類、金属類。 仏具における香合 一般に焼香、抹香を入れる。また塗香入れにも用いる。 ウィキペディアを引用