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これはいつの年の事だったか。
ある水曜日の朝、一つの事件がおきました。



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いつものように出てきてあちこち出歩いて遊んでいた時の事です。
そのころリビングの出窓にはセントポーリアを初めとして色々な観葉植物が沢山おいてありました。
その植物たちをチーはいつも狙っていたのでした。

葉っぱだけでなく、肥料の混じった土も食べようとするので、
新聞や布を掛けて食べないように注意していました。

ところがその日はあっという間に、
小さな植木のスペードのような形の葉っぱを一口、タッチの差で食べてしまったのです。

「あーあ食べちゃった。」

と普通なら笑って終わるところですが、
この時は様子が違いました。

上の嘴を下の嘴の中に入れて、辛そうです。
それを訴えるように鏡の前に座っていた私の右肩へやって来ました。
籠を持っていくとスタスタ入って行き、うつろな顔をして鏡に寄り添っています。
とても具合が悪そうです。

叉、死んでしまうのではないかと、心配しました。

病院に連れて行こうかと思いましたが、
前回のことがあるので何と言われるのかと考えると直ぐに決心がつきません。
布を掛けて少し様子を見ることにしました。

するとどうでしょう、昼過ぎに今まで聴いた事もないハスキーな声で鳴いているではありませんか。
すっかり声変わりしてしまったのです。

あとで母が少しその葉っぱをかじってみると「ピリッとした。」と言っていました。
それで喉をやられてしまったのでしょう。

すぐに元気になって、声も3、4日で元にもどったので、これは笑い話になりましたが、
もっと毒性のあるものだったら、大変なことになっていました。

以後二度と近寄らないように最大の注意を払いました。

名も分からないその植物は、今も元気で丈が伸び、大きく育ちました。

その木を見るたびにチーの事を思い出し、動物の命の短さを思います。


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声変わりの木

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