

これは、ただの雌の習性なのかもしれません。
あいつは物を、ポイポイ捨てる癖がありました。
特に自分のお家の上に物が載っているのが気に食わないらしく、ちょっとおいて置くと、
大好物のみかんであれ、自分のえさ箱であれ何でも捨てようとしました。
自分の体より大きなものでも、グーと持ち上げて、端まで持って行き、ポイでした。
そして、落ちたところを見下ろし、満足そうでした。
特に、洗濯バサミと指輪は目の敵にしていたのか、自分の家に限らずどこにおいていても、
捨ててしまうのでよく行方不明になったものです。
未だに何処に行ったのか分からない指輪がひとつあります。
その捨てている姿が、あまりにも面白いので、せっかく落としたものを拾っては戻し、
と何度もやらせたりしました。
しかし、よく考えてみると嫌だから捨てていたのかもしれません。
彼女は必死だったのかも。
ごめんねチー。
だけど、アクセサリーの入っているトレーの中に入って“物色”していたので、
お前もカラスの様に“光り物”が好きなんだとずっと思っていたよ。
ネックレスは捨てようと思っても長くて無理だった様で、その代り口の中でクチュクチュと
ずっとしているので、
からまってよく玉のようになりました。
いざつけて行こうとすると、ぐじゃぐじゃにもつれて。
「もー。チーのせいなんだから。」
と、言いながら、微笑ましく思いました。
もう、そんな事をする子がいなくなり、余計にそう思います。