episode11 〜声援〜

1989年に開かれたある女子短大の学祭コンサートでの話.
相変わらず,コンサートでの”喋り”ではハズしているというか,判る人(←これが多分すごく少数っぽい)にしかわからない話題.でも,本人は熱心に話し,挙げ句,自分の言葉にうけて,マイクスタンドの下に笑いこけてうずくまる,という場面も.何がそんなに面白いのかは判らずじまいだったけれども,それでも見ている方まで楽しくなるような喜び方でした.
さて,このころのコンサートでは,ビニールのワニ(海やプールで浮き袋に使うやつ)がよくコンサートに登場していました.この日もワニさん,ファンの頭上をポンポンと飛び回った後,最後はステージで中川さんと一緒にダンス,なんていう羨ましいことをしていました.
そして,羨ましい人と言えば,もう一人.
コンサートも佳境に入り,係員を無視したファンがステージ真下に駆け寄った頃.曲が一段落して,中川さんがマイクの前に立って喋りに入るかなというところで,
「
きゃー!かっちゃーん」「
きゃー!」「
きゃー!」
と沸き上がる黄色い声援の嵐.中川さん本人の声も聞こえないくらいの大音響.しばらくして”嵐”がおさまりかけたところで,それを見計らったかのように,
「
かつひこ〜!」
と女の人のよく通る一声がかかりました.この呼び方にとても気をよくした中川さん,
「あ,いいねぇ.今の.もう一度言って.」
とニコニコ.その瞬間,間髪入れずにとんだのは,
「
かつひこ〜」
と低い男の声.
途端に会場も笑いの渦.あまりのタイミングの良さに中川さん本人も大うけで,ステージ真下にいたその男性に,ニコニコ顔で握手を求めていました.
あの声援を送った男性.どんな人だったのかな?
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