家庭ごみ 有料化より分別徹底を

北海道新聞2007年(平成19年)11月19日(月曜日)私の発言・掲載
新聞紙面では、文字数制約のため割愛されている箇所も、当サイトでは全文表示。

写真家 縄田 頼信(なわた よりのぶ)

 札幌市(人口約189万)広報11月号で、家庭ごみ有料化が検討提案された。近隣市町村との比較掲載で、燃やせるゴミ・燃やせないゴミの有料化は既に規制事実化している。政令指定都市の横浜市(人口約363万)や名古屋市(人口約224万)を始め、ゴミの分別が進んでいる富良野市などでは、家庭ごみは無料で有料化の予定すらない。

 横浜市では、ビン、缶、ペットボトル、古紙、古布などの資源物売却益として、昨年度約22億円あった。札幌よりも進んだ分別の成果である。札幌市の昨年度資源物売却益は、ビン・缶・約5億3千万円、ペットボトル・約7千万円の計約6億円であった。談合疑惑のある溶融メタル(焼却灰から取り出された金属)は、数年来同一単価で年間5百トン弱=約5百万円弱の売却益となっている。
 名古屋市では、本年10月からレジ袋の有料化が緑区で実施され、平成22年度までに、市内全域でレジ袋有料化を実施(60%削減)を目指している。資源ゴミ(紙類・プラスチック類・金属類)価格は、海外需要増の影響により急上昇。札幌でも資源物回収日には、アルミ缶のみ自家用車でゴミ集積場から回収している現場を目撃した。

 札幌市でも過去一時期、一般家庭ゴミの有料化を実施した経緯がある。有料化に伴い、駆け込み廃棄が増加、反動で有料化後数年はゴミ排出量は減少したが、その後元の状態を上回る結果となった。有料化は根本的なゴミ減量にならず、不法投棄の弊害も生んだ。分別すればリサイクル(循環)される資源ゴミを、焼却や埋め立て処分に回すのは、資源の無駄遣いであり、税金の無駄遣いでもある。循環システムではないため、焼却に伴う二酸化炭素(CO2)排出増や埋め立て処分場の問題も解決しない。
 私は、買い物にマイバッグを携帯、車の利用も相乗りや必要最低限を実施している。自治体も安易なゴミ有料化ではなく、本腰で分別リサイクル徹底実施を!


解説

札幌市・家庭ごみの収集現状(無料)
 燃やせるごみ=週2回、燃やせないごみ=週1回、びん・缶・ペットボトル=週1回、
 容器包装プラスチック=週1回、それぞれステーション方式で収集実施。
 大型ごみ(30cm超える耐久消費財など)=戸別有料収集。   計5分別収集体制。

札幌市・家庭ごみ有料化収集素案
 燃やせるごみ(製品プラスチックを焼却ごみに分類変更)=週2回(有料・指定ごみ袋)
 燃やせないごみ=月1回(有料・指定ごみ袋)、
 雑がみ資源回収=月1回(無料または低料金)、
 びん・缶・ペットボトル=週1回(無料または低料金)、
 容器包装プラスチック=週1回(無料または低料金)、
 それぞれステーション方式で収集実施。
 大型ごみ(燃やせないごみ・指定ごみ袋に入らない物)=戸別有料収集。
 計6分別収集体制。

 札幌市は有料化に向けて策を講じている。審議会(役所による人選で報酬あり)による家庭ごみ有料化答申やリサイクル施設への天下りを始め、公金の使途に疑問を感じる。また、製品プラスチック焼却に伴うダイオキシン増加も、新たな環境汚染が危惧される。資料では問題ない旨記されているが机上の算定予想にすぎず、実際のダイオキシン排出量は、その時々のゴミ内容によって大きく異なり、測定してみないと判明しない。ダイオキシン排出者と監視測定者が同一の役所で、都合の悪い情報まで公開されるか、多いに疑問である。横浜市の例にあるように、常時測定していないと、装置の故障を見逃す恐れもある。

札幌市では、平成20年1月21日(月)まで意見公募が実施されている。
皆様の様々な意見を提出されてみては如何でしょう!?
参照リンク1:札幌市・新スリムシティさっぽろ計画
参照リンク2:札幌市・家庭ゴミの有料化について
参照リンク3:札幌市・大型ゴミ手数料)
参照リンク4:札幌市・家庭から出るごみ(出し方・分け方)
参照リンク5:札幌市・動画で学ぶ!ごみと資源物の分別とリサイクルの流れ
 
2007年11月30日
写真家 縄田賴信
2009年3月7日リンク追加更新
 
 

『矛盾に満ちた 札幌ごみ有料化』
 2008年1月28日14時~札幌市西区民センターで開催された、【新たなごみ総合計画案の市民意見交換会】に出席した。一般ごみ有料化でゴミは減少せず、細かな分別リサイクルの実施が削減の基本だとお役人も認識。「ゴミ減少のきっかけ作りとして有料化が有効で、安いと効果がないので平均的金額を上回る1リッター2円を想定している。」有料化で得られる百億円弱の手数料は、「ごみ減量・リサクルの促進、環境教育・普及啓発の充実、地域における環境活動への支援、地球温暖化防止に向けた取り組みなどに使用」との説明だった。

 所得の無い人や低所得者には、実質間接税で増税ではないのかとの質問に対して、市の担当者は、「住民票の交付と同様な受益者負担を求めるもの」だと回答された。ごみの分別回収計画は、法律で地方自治体の義務と定められている。富良野市(14分別)や横浜市、名古屋市、全国最先端(44分別)実施の徳島県上勝町など進んだ自治体例をみると、しっかりした分別リサクルの実施で無料継続が可能となっている。

 良質の再生紙原料となる牛乳パックも、現状では燃えるゴミとして燃やされており、一方、再生紙用の良質原料確保が困難だと製紙業界メーカーは言っている。古紙配合率を偽装した再生紙を流通させ、官公庁~民間まで多大な混乱を生じさせた。やる気の無いメーカーや自治体の姿勢は、子供にもはっきり判る。有料化ありきではなく、細かなゴミ分別が減量につながることを、今一度認識して貰いたい。

区分 指定袋の種類と価格(手数料込み)平成21年6月1日~スーパーやコンビニなどで販売
燃やせるゴミ 5リットル袋
(10枚入り100円)
10リットル袋
(10枚入り200円)
20リットル袋
(10枚入り400円)
40リットル袋
(5枚入り400円)
燃やせないゴミ
2009年7月1日~有料化実施!
 2008年3月18日
写真家 縄田賴信
 2009年6月3日
ゴミ袋料金 追加掲載
2022年12月5日更新

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