韓国 慶州旅行記

2005年9月8日〜12日


期限切れになるマイルの有効利用のため、韓国に行ってきました。


慶州 大陵苑 味鄒(ミチェ)王陵

ソウル到着

 成田から出発して、昼過ぎソウルに到着。約二年ぶりのソウルだ。今回の旅の目的は、かつて新羅の都だった慶州(キョンジュ)へ行くこと。慶州には世界遺産にも登録された遺跡や史跡がたくさん残されている。まずは、ソウル駅で明日からの慶州行きと帰りの電車を予約。ソウルから東大邱は2004年4月に開通したばかりの韓国版新幹線「KTX」に乗って、そこから慶州までは、「セマウル」号で行く予定だ。こちらも楽しみ♪

 とりあえず、初日はソウルの仁寺洞で適当に宿を探す。世林旅館1泊40000W、部屋やバスルームが綺麗で、なんとトイレはシャワートイレになっている。ラブホテルっぽくないので、ここに決めた!仁寺洞は前回は訪れていないので、荷物を置いて出掛けてみることに。

 仁寺洞の骨董屋やお土産物屋をひやかし、あっという間に通りを過ぎ近くの曹渓寺に行ってみる。この日も本堂には熱心に祈りを奉げる人(おばちゃんが多い)でいっぱいでした。

 今回はどうしても焼肉が食べたかったので近くで適当にレストランを探すが、どこもデジカルビ(豚)しか置いていない!
やっと牛カルビの看板を見つけて思い切って入ってみたが、高めで味はイマイチ。メニューよりも肉の量少なそう。それでもビールと焼肉でお腹いっぱい。

 そのまま明洞方面へ散歩。夜になると、明洞の方が仁寺洞に比べてさらに賑やかだ。また仁寺洞へ歩いて戻って、明日に備え就寝。
曹渓寺 
前回も訪れたが、本堂はまだ工事中のまま
夕食のカルビ全部で23000W 明洞教会のミサ
見学をしていたら、ミサがはじまってしまった

慶州へ出発

 8:20、ちょっと早めにソウル駅に到着、朝食のサンドイッチを購入。これから9:09発KTXに乗って、慶州へ出発だ。ソウル駅は新しくできた近代的な建物で、KTXのホームは開放感あふれ、まるでフランクフルト空港の長距離鉄道駅を思い出させる。

 KTXはフランスのTGVを導入したもの。なるほど、正面の顔やブルーのラインがTGVそっくり。中の座席もそっくりでちょっと固めで固定式。現在はソウルと釜山間で運行しており、慶州には途中の東大邱で乗換えが必要。セマウルも初めて乗ったが、こちらの方が座席も広くゆったりして、座り心地は断然こっちの方がいい。

 KTXは途中約300k/hで走行し、乗換え時間も含め約3時間で慶州に到着。ソウルから慶州まで片道39400W、日本の新幹線や鉄道料金を比べると安い!
ソウル駅TKX専用ホーム入り口 韓国の新幹線TKX 特急セマウル号


慶州 仏国寺と石窟庵

 12:06、慶州に到着したが、雨が激しく降り出してきた。観光案内所で駅近くの旅館を紹介してもらい、駅を左側に3分ぐらいの旅館・モーテルを適当にあたる。人の良さそうなおばあさんが受付にいたモーテルで、言葉は全く通じないが身振り手振りで2泊50000W、部屋は日当たり無くちょっと湿っぽいが、寝るだけなのでここに決定。

 早速、仏国寺と石窟庵へ出掛ける。駅からは、観光には10番、11番巡回バスが便利で、バス運転手に行き先を伝えると降りる所をちゃんと教えてくれる。滞在中、どのバスの運転手も親切でした。11番バスで仏国寺に到着。

 仏国寺は、AD751年時の宰相金大城が建てた寺院で、仏教世界を新羅の建築技術でこの世に再現させたそうです。石窟庵とともに1995年に世界遺産に登録されました。
仏国寺山門 白雲橋(上段)と青雲橋(下段) 大雄殿前の三層石塔と多宝塔

 石窟庵へは、仏国寺の駐車場から1時間に1本シャトルバスが出ており、事前に出発時刻を確認してギリギリ乗り込む。バスを降りてから、石窟庵までは結構あり、最後は石段を上がって石窟庵入り口に到着。残念ながら、中は撮影禁止。中央に大きくとても白く美しい石仏が安置されている。この石仏を見て、慶州にやって来れたという感動が何故か湧いてきました。

 帰りのシャトルバスを待っていたところ、パトロール中の警察官に話掛けられた。バス停横の展望台からは海が見える。「日本はあっちだよ」教えてくれた。警官の一人は、日本にきたことがあり、熊本や阿蘇に行ったそうだ。片言の英語で会話を交わし、二人とも立派な靴(ブーツ)を履いているので、「すごい靴だね」と聞いてみると「僕たちは普段はオートバイに乗っているんだけど、今日は雨が降るのでパトカーで来たんだ」なるほど、バイク用の靴だったんだ。

 「送ってあげるよ」と言われて、パトカーに乗せてもらうことにした。考えてみれば、生まれて初めてパトカーに乗ったことになる。「ぺ・ヨンジュは好きか」私「イ・ビョンホンの方がかっこいいと思う」。「韓国のテレビドラマは見ていた?」私「冬のソナタ(通じた)は見てた。他はチャングムは見たことある」。「大リーグは見ますか。イチロー、松井は知っているよ。韓国人も大リーガーがいるのは知っている?」私「知らなかった」。私「サッカーも好きだよ。アン・ジョンファンかっこいいね」あっという間に仏国寺に着き、彼らとお別れだ。本当にありがとう。楽しかったよ。

石窟庵入り口
奥に石仏が安置されている
石窟庵から仏国寺まで送ってくれた警察官
生まれて初めてパトカーに乗りましたf^_^;

芬皇寺と皇竜寺跡

 11番バスで芬皇寺へ。芬皇寺は、善徳女王3年(AD634)に創建された新羅時代のお寺だが、現在は煉瓦造りの三層の石塔しか残っていない。見るものはこの石塔しかないが、なかなか趣があります。
芬皇寺石塔 石塔の入り口にある金剛力士像 八角の石井戸
八角は仏教の八正道のこと

 芬皇寺の入り口向かいに、皇竜寺跡が広がります。新羅王はこの場所に王宮を建てる予定だったが、黄色い竜が現れたので、寺院を建立したと言われています。九層の木造塔や丈六尊仏を保有し、かなりの大伽藍だったようですが、モンゴルの侵略を受け今は跡だけです。

 土台の跡からすると、かなり巨大な塔だったようで、当時の伽藍の規模がうかがい知れます。廃墟好きなので、とても気に入りました。
金堂跡丈六尊仏台座 九層木造塔の跡 かつての伽藍(翌日慶州国立博物館にて)



 雨が再び激しくなり、宿の近くで夕食を取れそうなところを探す。商店街のようなところで、地元のおばちゃん達がおしゃべりしながら美味しそうに唐揚を食べてるので、ふらりと入ってしまいました。

 前回に比べると、どこもチキン(鶏肉)を食べさせてくれるお店が増えたような気がする。気のせい?唐揚大好きで大満足ですが、さすがに一人で全部は食べきれないので、食べ残しは持ち帰りさせてもらう。

 宿に戻ると、なんと建物は電球で飾られ、入り口の電気はピンクと紫。なんとも怪しい雰囲気。昼間は気が付かなかった。。。でも気にせずカギを受け取り、おやすみなさい。
 

 南山登山へ出発

 朝、宿の向かいにあるセブンイレブンで朝食のパンとお昼のおにぎり、飲物を購入。韓国にも日本と全く同じおにぎりが売っている。でも、具と味付けはどれも唐辛子マーク。のりは塩味ごま油の効いた韓国のり。絶対辛くない(と思われる)シーチキンマヨネーズと牛肉コチュジャンのおにぎりを選択。!
まずは循環バスに乗って、統一殿へそこから南山に登ろうと計画だ。南山エリアは世界遺産に登録されていて、東西4km南北8kmの山中に石仏や石塔が点在している。今日はその石仏めぐりハイキングをする予定だ。

統一殿に到着。おや?登山道は無い。しかもそれほど高く無い山にも低い雲がたれさがっている。入り口の案内所のおばちゃん二人に身振り手振りで登山道入り口を尋ねると、山側を指し止めろとゼスチャー。それでもせっかく来たし、石仏めぐりがしたいと訴えると、統一殿のチケット売場にいたおじさんを呼んで何やら相談。その後地図を示し、山の反対側にある三仏寺にも石仏があり、そこへ車で連れていってあげるから山へは行くなとのこと。
またまた親切にしていただきました。
統一殿の近く、蓮一面の書出池

三陵渓谷

 三仏寺でおじさんと別れ、結局おじさんの方はいい迷惑だったんだろうなと思いつつ、中を見学。「拝里石仏立像」という三体の石仏があるだけ。その後近くにある三陵まで歩いていく。新羅末期の王墓だそうだ。こん盛りとした円墳で芝生に覆われとても綺麗。その横に登山道を示す標識を発見。今からハイキングに行こうとする人たちもいる。
 

三仏寺の拝里石仏立像 三陵渓谷の入り口にある三陵
王墓が三つ一列に並んでいる

 さーて、ハイキング出発!しばらくすると首の無い石仏現れる。石造釈迦如来坐像だそうだ。山道も整備されていて日本のハイキングコースと変わらない。石仏や磨崖仏を見ながら登っていきます。こじんまりとした石仏坐像、大きな岩に線画で6体の仏像が彫られた線刻六尊仏像が続いて見られる。六尊仏の側には熱心にお祈りをする人もいた。
頂上に程近いところに磨崖大仏が現れ、見通しが良くなり景色も良い。

三陵渓谷 石造釈迦如来坐像 三陵渓谷 石仏坐像 途中にある上禅庵

三陵渓谷 線刻六尊仏像 上からの磨崖釈迦如来坐像
三陵渓谷 磨崖釈迦如来坐像  

 暑い!山登りは大したことは無いが、9月の低山ハイキングは汗だく、持ってきた水がどんどん減る。登りきって今度は尾根づたいの広い道に出る。当初は七仏庵を目指して山越えをしようとしたが、とにかく暑いのと、道と距離がよく分からない。途中の脇道を数十m下って、葺長寺跡三層石塔の近くで、朝買ったおにぎりと昨日晩に持って帰った鶏の唐揚げでお昼ご飯。さらにその道を下って三層石塔見つけた!
 休憩をしていると、他にもハイカーがやってきて韓国語で話し掛けてくる。黙っていると日本人、韓国人区別はつかない。ごめんね、日本人で韓国語はわからないと伝えるとちょっと残念そうな顔をして、持ってきたすもものような果物を私に差し出してくれた。ありがとう、よっぽどくたびれた顔をしていたのかな。でもこのすももが酸っぱくて疲れた身体には良い水分補給になりました。ここでも、慶州の人たちの親切が身に染みました。

休憩終わり、元来た道を引き返し、山を下りることにしました。

金鰲山 頂上
海抜468mの文字が見えます
葺長寺跡三層石塔
自然石の上に石塔がのっています

鮑石亭跡
 三陵まで戻り、近くの売店でジュースと水を買い入れやっと一息。でも、三陵付近はバスの本数や車の通りも少ない。もちろん、タクシーも通らない。疲れていたが大した距離は無いので近くの鮑石亭跡まで歩いていく。
 鮑石亭跡は、奇妙な形をした石溝があるだけ。新羅の離宮があったところで、かつては「流觴曲水の宴」をおこなった鮑型の曲水渠だ。日本の曲水の宴と同じく、溝に水を流し器を浮かべ、自分のところに器が流れてきたら詩歌を詠むというようなことをしていたようだ。

鮑石亭跡 鮑石亭 全景 鮑石亭近くの祇摩王陵

国立慶州博物館
 鮑石亭を出たところ、1台のタクシーが通りかかった。ラッキー!乗り込んで国立慶州博物館へ行く。新羅古墳からの出土品や仏教文化など、考古、美術、歴史の貴重な遺物を集めた博物館で、慶州に行ったら是非とも行きたい場所の一つだ。
 特に明日行く予定の大陵苑 天馬塚で発見された金冠などの金装飾品は必見だ。

遼寧式銅剣 天馬塚の金冠 金冠塚 冠飾
天馬塚 冠帽 新羅 垂飾 ガラス容器 西から伝わったものか
土偶付長頚壷 双亀の石台座 聖徳大王の神鐘

 八友亭のヘジャンクク
 今日の晩ご飯は、宿からも歩いていける八友亭のヘジャンクク通りに行く。「ヘジャンクク」を出すお店が通りに並んでいます。牛骨スープに味噌味と牛の血を固めたくせのある辛いスープ。二日酔いに効くといわれているそうだが、胃にやさしいんだか辛いんだかわからないが、辛いのに慣れるとクセになる味だ。
 どのお店もおばあさん1人で切り盛りしていてどこが有名店でどこが美味しいんだかよく分からないが、愛想の良いおばあさんのところに適当に入る。ヘジャンククのみ4000W。ビールも置いていないが、今日はこれで晩ご飯、疲れたし早く寝よっと。






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