♂ ゆうべはどうもありがとう
♀ は?
♂ 僕が夜中に咳き込んだら、キミが背中をさすってくれて
♀ そういえば、そんなことをしたような気がしないでもないけれど
〆
あたしは自分が思っている以上に、この男が愛おしいのかも知れなくて
♂ これから僕らはイイ友達として付き合っていきたいと思うんだけど
♀ そうね、そうしよう。ワタシもそれがいいって思ってた
♂ よかった。じゃぁまた連絡先とか知らせるから
♀ うん。あたしも連絡するね
〆
最期の最期まであたしは嘘を付いた。もう二度と君に会うことはないというのに
♂ 僕にとってセックスとは単なる排泄行為でしかないわけで
♀ だったら、あたしたちの30回だか50回だかの行為はなんだったのよ
♂ だからそれは単なる排泄こ… バシッ
〆
そうと知ってりゃ、あなたに内緒で他の男と寝る必要もなかったのに
♀ もしもし
♂ どした?
♀ 会いたいの
♂ 珍しいな、お前がそんなこと言うなんて
♀ たまには、ね
〆
だって、毎日言えば、キミはいなくなってしまうでしょう?
♀ あたしはさ、そこらの小説なんかより、ずっと醜くて、ずっと厄介な世界を彷徨しているわけよ
♂ それで?
♀ いや、ただそれだけのことなんだけど
〆
あたしはまたひとりぼっちになった
すべてはフィクションとノンフィクションの狭間にある