7月15日 イヤな奴 !取り扱い注意!
「五体不満足」で一躍有名になった乙武洋匡とかいうヤツが、茶髪にしたんだと。
そんなことをHPのトップページに写真付きで報じてしまう新聞って、胡散臭いよな、絶対。
なんか、めちゃくちゃ気分が悪い。
人とは違った体で生まれてきた人が、そのことを主題に本を書いて有名人になることぐらい、
早稲田の政経を出られた明晰な頭脳ではあらかじめ計算した通りだったのでしょう。
で、タレント扱いされてチヤホヤされている間はさんざん嬉しそうな顔していながら、
その扱いが計算外の大きさになった今、今度は疲れたからと言って、仕事を放り出したんだと。
その揚げ句、失いかけた本来の自分を取り戻そうとする手段のひとつが茶髪だってか!?
おいおい、ふざけるのもいい加減にしなさいよ。
今までどうして自分のわがままが通ってきたのか、よーく考えてごらんよ。
今の君があるのは手足がないことで自分を売り出し、そして得られた「お情け」の賜でしょう。
キャスターの座も、今のライターの座も、手足がないから得られたものだと考えられても仕方ないと思います。
それなのに健常者相手に、もっともらしく「心のバリアフリー」なんてモノを唱えるだなんておかしくはないですか。
皆が逆立ちしても手に入れられないような立場を次々とものにして、自ら「特別」な人種になろうとしているのに。
世間には、仕事も見つからない、仕事も休めない人が山のようにいて、
その人たちの多くはみんな、自分を何とか守りたい、自分を失いたくない、と思っていても、
それは髪の色を変えるぐらいじゃどうにもらならないなんて百も承知だ、と思って踏ん張っているのですよ。
そんなことに思いを馳せたことがありますか。
キャスターの仕事を辞められて、ご友人とともに3週間カナダに行かれたそうで。
正確には「友人を従えて」なのではありませんか。
自分とは違う境遇にある人間について、少し考えてみてください。
あなたが「手足がないからといって不幸ではない」と言うのと同じように、
世の中には手足があっても幸せでない人がたくさん居ます。
そんなことを少しも考えずに公共の電波を通して気安く無神経な発言を続けることは、
非常に腹立たしいし、許せません。あなたはこれ以上どうしたい、何が欲しいというのです。
確かに今の社会では何らかのハンディのある人に不便な状況が多いのが事実で、
残念ながら特別扱いされてしまう障害者の方がたくさん居ると思います。
けれど、今のあなたが嫌う「特別扱い」は、障害の有無とは関係ない「特別」なことがあなたにある、
世間の人とはかけ離れた「特別」なことをあなたがしているために生じた結果だと思います。
そこに至るまでの経緯と今の自分のあり方を、きちんと考えてみて欲しいと思います。
そして、彼をHPのトップに取り上げたメディアについて。
乙武くんの極めて私的な、街を歩く多くの若者と変わらない、ごくごくありふれた日常を私たちに見せることで、
一体何を伝えたかったのか、さっぱりわかりませんでした。
「障害者は『普通』なんですよ。髪も染めるし外国にも行くし」とでも言いたかったのだとすれば、非常に不愉快です。
それは裏返せば、誰よりも自身が障害者を「特別」と考えていますよ、という証拠なのではないでしょうか。
わたしは、周知や理解が得られていないために、虐げられたり、生きにくい立場にある人々の
弱き小さき声を拾い集め伝えるのがジャーナリズムの役割だと考えています。
実際にそんな記事に出会い、当事者の心の中で一生葬り去られようとしていた苦しみを知り、
その苦しみを世界で初めて知った記者が背負った責任の重さと苦悩と喜びとを知り、心動かされ、
自分の中に新たな引き出しが出来てゆく喜びを感じたことも幾度かあります。
だからこそ、このような安直な報道には、憤りと落胆を禁じ得ないのです。
真実とは決して、上澄みを気軽にさらっただけの見せかけの理解、同情、偽善などで伝わるものではない、と思うのです。