三方岩岳登山記



 10月30日 山再び

 性懲りもなくまた山に行ってしまった。何をしているのだ私は。絶対おかしい。
 昼には何気に三方岩岳(1736b)の頂上でおにぎりと味噌汁とコーヒーなどを。
 ほっほー。うまいじゃねーかこのやろー、ってなもんなんである。悔しいことに。
 何とかは高いところに登りたがる、というように、今度はもっともっと高いトコ!とか、
 思っちゃったりもするんである。愚かなことに。

 いやぁ、でも今回のは楽で良かった。
 登山と言うよりも、片道1時間程度の軽いトレッキング。息も上がらず、疲れも無く。
 とりあえず、頂上に立てば、それなりの満足感は得られるし。
 前回白山登山の際に、散々私に憎まれた相方も、今回はひと安心と言う感じで。
 やはり、体力のない私には、せいぜい片道2時間程度の道のりが限界である。
 っていうか、問題は体力よりも精神力、という噂があるが。

 で、来年の夏は、絶対に白山の頂上をお見せします、と相方が言う。
 うーん、まぁ、別に良いんだけどさぁ、っていうかまた4時間とかかかるわけでしょー。
 どーのこーの、どーのこーの……以下延々。
 白山ロープウェイとかないわけ?こう、なんていうの、室堂まで一直線!みたいな。
 「それならば!西穂高などいかがでしょう、姫様」
 「は?それって、白山よりも高いんじゃないのさ」
 「確かにそうではございますが、西穂高にはロープウェイがございます」
 「ほぉ」
 「あとは2時間ばかりお歩きになれば、そこは別世界。大パノラマが広がり云々…」
 「なんと!では来夏は西穂高にゆくぞ、爺、準備せい」
 「ははぁーっ」

 で、早速調査。(←準備せい、とか言ったくせに自分でせっせと調べている)
 2時間?どこが?どこからどこまでが?
 爺、わらわは何処へ行くのじゃ。どこに連れていってもらえるのじゃ。
 それはてっぺんか?それとも、白山と同じく、途中までなのか?わからぬぞ。
 あぁ、やはりこんなぐうたら人間は立山あたりをまず目指すのがいいのか。
 努力無くして頂点無しとは、まったく皮肉なスポーツやのぉ、登山て。また凹みそうだ。

 けどまぁ、なんとなく癒し系なスポーツだというのが、わかってきたような気がする。
 2時間くらいで登れる山ならまた行っても良いかなと、そう思うようになってきた。
 私みたいな人間には、結構効きそうだ、ということだ。

 <完>