これから、私たちが合宿で見てきた夏の星座について解説していきます。
合宿では、長野県伊那市の標高1200メートルの山奥まで行ってきました。

それではまず、方角のご案内をします。
皆さんの正面、こちら側が南
みなさんの後ろ側が北
左側が東
右側が西となっています。

今、みなさんが見上げているのは合宿の夜、
8月の午後8時ごろの星空です。

それでは、地平線から天の川をさかのぼる旅に出てみましょう。

地平線低くに、ひしゃくのような形があります。

北斗七星はご存知の方多いと思いますが、
こちらは南にある六つの星ですので、南斗六星といいます。

ここには、上半身が人間、下半身が馬のいて座があります。
まぶしいかもしれませんが、こちらのプロジェクターをご覧ください。

★【いて座プロジェクター】
このひしゃくのような形、すくっているのは天の川のようです。
西洋では天の川はミルキーウェイ、
つまりミルクの道と呼ばれていました。


天の川のミルクをすくうには絶好の場所に位置しているようです。
なぜならここ、天の川の一番明るいところだからです。

このいて座の矢先は、実はある動物を狙っています。
それは大きな針を持ったさそり座です。
このプラネタリウムだと、さそりのしっぽが映しきれていなくて残念ですが
このあたりに…
S字のような形をしています。

さそり座がいて座からねらわれているのには理由があります。
さそり座はオリオン座を刺し殺そうとした犯人なのです。

★【さそり座プロジェクター】

冬の星座、オリオン座のオリオンは勇猛な性格で、いつも威張り散らしていました。
それを良く思わなかった女神・ヘラがさそりをオリオンに差し向けたのです。


さそりの毒に苦しめられたオリオンはさそりを嫌い、
以来、さそり座とオリオン座が同じ空に現れることはなくなったと言われています。
今はこの辺りにオリオン座がいることでしょう。さそり座と正反対に位置しています。
さそりに刺され命を落としかけたオリオン座。
天の川をさかのぼっていくと、そんなオリオンを助けたお医者さんがいるようです。

ここにある大きなへび座。


その真ん中でへびをあやつっているのが…
医者であるへびつかい座です。

★【へびつかい座プロジェクター】

へび座は星座の中ではめずらしく、頭とお尻、2つにわかれている星座です。
このへび座とへびつかい座を合わせると、全天で一番大きな星座になります。


そろそろ目指してきたゴール、織姫と彦星がみえてきたようです。

織姫星と…
彦星と…
もう一つの星でできるこの三角形。
見たことのある人も多いと思います。夏の大三角形です。

織姫星はこの中で一番明るい星、こちらの星です。

彦星は織姫星から離れている方の星、この星が彦星です。

織姫星のこのあたり、
織姫星以外は暗くてわかりずらいですが、ここにはこと座という星座があります。

★【こと座プロジェクター】

川がせせらぎを止め、鳥もさえずりを忘れるほどに美しい音色を奏でたそうです。


彦星のところにも星座があります。
こんなふうに伸ばして、十字のようにつなげると…、
わし座の完成です。

★【わし座プロジェクター】

このわし、実はゼウスという神様が化けているのです。
わしが捕まえているのは、美少年ガニメデス。
あまりにも美しかったので、
ゼウスが神様の宴会で酒くみさせたくなって、
この美少年をさらっていったといわれています。


さあ三角形の残りのこの星の周りはどうなっているんでしょう。

明るくてみつけやすいこの十字型の星座は…、
はくちょう座です。

★【はくちょう座プロジェクター】

実はこの星座も、大神ゼウスが変身したと言われています。
南半球で見える南十字座に対して、北十字座なんて呼ばれたりもします。
そしてこのくちばしのところに輝いているアルビレオは、
ひとつの光に見えますが、実は、

★★【アルビレオ二重星プロジェクター】

こんなに綺麗な二重星なのです。
小さな望遠鏡からでも見られるので、探してみてください。


天の川の両岸に、織姫星と彦星はお互いを思って輝いています。
二人にまつわる七夕の物語をご紹介しますので、流れ星とともにお楽しみください。


〜神話〜


一年に一度しか会えないのはさびしいですが、この二人の間、
このあたりを望遠鏡でのぞいてみると…
実はこんなものを見ることができるんです。

★【リング星雲プロジェクター】

リング星雲と呼ばれています。
まるで織姫が彦星からもらった指輪のようにも見えてきます。
会えなくても大丈夫、そんな二人の絆を感じることができるかもしれません。


以上で、天の川をさかのぼる旅はおしまいです。
今日のことを思い出して、ぜひ夏の星空を見上げて下さいね。
それでは終わりたいと思います。まぶしいのでご注意ください。
本日はプラネタリウムにお越しいただき、ありがとうございました。



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