<秋>神話原稿
ペルセウスは王様に怪物メデューサを退治してくるように命じられました。
メデューサを一目見たものは、石になってしまいます。
ペルセウスは、メデューサが眠るのを待ち、直接見ないよう盾に映しながら近付き、メデューサの首を切り落としました。
そのとき、飛び散るメデューサの血から、生まれ出たのが、天馬ペガサスです。
そのころエチオピアでは、カシオペア王妃が
「ポセイドンの孫娘たちより私の娘のアンドロメダの方が美しいわ」
と自慢してしまったのです。
これを聞いたポセイドンは怒り、海の怪物、化けクジラを送って、エチオピアの海岸を荒らし続けました。
困ったケフェウス王が
「神様、どうすれば化けクジラの怒りを静めることができますか」
と神に相談すると、神様はこう言いました。
「アンドロメダをいけにえとして奉げない限り、怒りは治まらないであろう」
ケフェウスとカシオペアは娘をいけにえになんてできないと悩んでいましたが、娘のアンドロメダはこう言いました。
「私一人が生けにえになりさえすれば、皆の命が助かるのですね。それならば、どうか私を生けにえとしてあの化けくじらの元へさしだしてください。」
そしてアンドロメダは怪物の生贄になるために、海岸の岩場に鎖で縛り付けられました。
そこへ、ペガサスに乗り国へ帰る途中のペルセウスが通りかかり、アンドロメダを発見したのです。
「なぜ、あなたのような美しい女性がこの様な所につながれているのですか?」
アンドロメダはペルセウスに自分がつながれたわけを話しました。
話を聞き終えたペルセウスは
「あなたを生けにえになどさせません。私が退治します!」
と言うと、アンドロメダがつながれている鎖を切りました。
その時です。化けクジラが姿を現しこちらに向かってきました。
化けクジラは、その黒くて大きな体をうねらせながら、岩に迫ってきました。
ペルセウスは、真っ赤な口を開けた化けクジラに剣を刺しましたが、化けクジラは海にもぐったりして暴れました。
化けクジラが一瞬ひるんだすきに、メデューサの首を化けクジラに突きつけました。
そのすさまじい姿を見てしまった化けクジラは、たちまち石になってしまい海の中へ沈んで行ってしまいました。
ペルセウスは見事に化けくじらを退治したのす。
アンドロメダは自分の命を救ってくれた勇ましいペルセウスに感謝の気持ちと愛情で胸がいっぱいになりました。
化けクジラを退治したペルセウスはアンドロメダに向かってこう言いました。
「アンドロメダ、どうか私の妻になってください」
「はい、お願いします。(はい、よろこんでお受けいたします。)」
そして、2人は幸せに暮らしました。。
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