◆◆プラネタリウム ナレーター原稿 春◆◆
春の星空は、穏やかな春の気候と同じように、暖かみのあるやさしい輝きをしているように感じます。
他の季節に比べて星の数が少なく、大型の星座が多いことが特徴です。
それではまず、方角のご案内をします。
私たちがいるこちら側が南…、
みなさんの後ろ側が北…、
左側が東…、
右側が西となっています。
この星空は、5月5日、こどもの日の午後10時ころの空です。
こどもたちはもう寝ているかもしれませんね。
たまには夜更かしして、春の星空めぐりに出かけてみましょう。
北の空にひしゃくのような7つの星があります。
これが北斗七星です。
北斗七星のここにある2つの星を線で結び、そのまま北へと延ばしていくと、
北極星を見つけることができます。
ぜひ、実際の星空でも試してみてくださいね。
さて、北斗七星は星座でいうとおおぐま座の一部で 大きなクマの腰としっぽにあたる星です。
まぶしいかもしれませんがこちらのプロジェクターをご覧下さい。
★【おおぐま座のプロジェクター】
このクマ、よくみるとしっぽが長すぎます。
森の木が話しているところに遭遇してしまい、びっくりして逃げようとしたら木にしっぽをつかまれ こんなに長いしっぽになってしまったそうです。
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このおおぐまのしっぽ、北斗七星の柄杓(ひしゃく)の柄(え)は少しカーブを描いています。
そのカーブをそのままのばしていくと、明るい星がみつかります。
さらにカーブを伸ばしていくと、もう一つの星が見つかります。
北斗七星から南に向かってのびるこのカーブを、
「春の大曲線」といいます。
春の星座めぐりのいい目印になります。
春の大曲線を伸ばして一つ目にある星。
こちらの星はアークトゥールスといいます。
意味はクマの番人。うしかい座という星座で輝いています。
★【うしかい座のプロジェクター】
アークトゥールスは、おおぐま座を追うように回っていることから、クマを追う「クマの番人」と名付けられました。
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春の大曲線を伸ばして二つ目にある星。
こちらの星はスピカと呼ばれる一等星です。
星座はおとめ座の星になります。
★【おとめ座のプロジェクター】
スピカとはラテン語で「麦の穂」という意味があり、左手に持つ小麦の穂の位置に輝いています。
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おとめ座の足元にも星座があります。
少し暗めの星が、コの字型に並んでいるこちらの星座は、12星座でもおなじみのてんびん座です。
★【てんびん座プロジェクター】
てんびん座には一等星や二等星がありません。最も明るい星が三等星の、暗い星座です。今回紹介する他の星座より、少し探すのが難しく思えるかもしれませんね。
実はこのてんびん座、先ほど紹介したおとめ座と深い関わりがあるのですが、それについては、後ほど神話をご紹介します。
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さて、次も12星座になっているある動物を紹介しましょう。
ここにあるこの星の並びが、一番強い動物・・・ライオンです。
ライオン座・・・ではなく、しし座と呼びます。
昔はライオンのことをししと呼んでいました。
★【しし座のプロジェクター】
ししの胸に、一等星があります。
この星はレグルス。小さな王様という意味です。
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ししのしっぽのあたりにも、目立つ星があります。
こちらは二等星のデネボラ。デネボラは「ししの尻尾」という意味です。
このデネボラと先ほど紹介したアークトゥールスとスピカをつなげると大きな三角形になりませんか?
これを春の大三角形といいます。
春の大三角形と春の大曲線を見つけられたら、春の星座探しの目印になるかもしれませんね。
それではここでおとめ座の神話を紹介したいと思います。
これはアストレアというおとめ座の元になった神様のお話です。
流れ星と共にお楽しみください。
〜神話始まり〜
(残された人間は、善悪の判断が狂い、強い者が自分の都合のいいように決めた勝手な正義にしたがって生きなければならなくなったのです。)
〜神話終わり〜
とても、考えさせられるお話ですね。
アストレアのいなくなってしまった時代、私達は自らの力で善悪をきちんと判断し、二度と鉄の時代のような争いが起こらないよう、思いやりや優しさをもって、生きていく必要があるのかもしれません。
皆さんも春の夜空を見ながら、今日のことを思い出してくださいね。
それでは終わりたいと思います。まぶしいのでご注意ください。
本日はプラネタリウムへお越しいただきましてありがとうございました。
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