◆◆プラネタリウム ナレーター原稿 冬◆◆

冬は日の入りの時間が早く、夏ですとまだ外が明るい時刻でも、冬ではもう星が瞬き始めます。

それではまず、方角のご案内をします。
私たちがいるこちら側が南…。
みなさんの後ろ側が北…。
左側が東…。
右側が西となっています。

この星空は12月25日の0時。ちょうどクリスマスです。
冬は一等星が多く、一年中で一番華やかな星空です。

それでは、クリスマスの夜にタイムスリップして、冬の星空を彩る一等星たちを紹介していきます。

冬の星座の代表、それは何といってもこのオリオン座でしょう。
四つの星の中に三ツ星が綺麗に並んでるこのオリオン座は覚えやすいですね。
まぶしいかもしれませんが、こちらのプロジェクターをご覧ください。

★【オリオン座のプロジェクター】

オリオンは右手に大きなこん棒を持ち、左手にライオンの毛皮をもった狩人の姿です。
そのオリオン座には一等星が二つあります。



このプラネタリウムでは全部白色に映されていますが、
一つは肩にある赤い星、ベテルギウス。
もう一つは足のところにある青白い星、リゲルです。

このオリオンの三ツ星の下あたりに、ボヤーっとした雲のような星が見えると思います。

★【オリオン大星雲のプロジェクター】

オリオン大星雲といって、ガスのかたまりなのです。

肉眼でも見えるほど大きいので、望遠鏡や双眼鏡でみても見ごたえあるのでおすすめです。



次にオリオン座の北西の方をみてみましょう。
このあたり、Vの形に並んでいます。これがおうし座の目印です。

★【おうし座のプロジェクター】

このVの形がおうしの頭の部分で、オリオンに向かって角を向けたおうしの姿となっています。
おうしの目のところに光るこの赤い星はアルデバランという一等星です。



さて、このおうしの肩のあたりにたくさんの星が集まっているのがみえます。
それがプレアデス星団です。日本ではすばるとも呼ばれています。

★【プレアデス星団のプロジェクター】

こちらも、望遠鏡や双眼鏡でみるとこんなに綺麗な星の集まりをみることが出来ます。



おうし座の北の方、冬の天の川の中に見つけやすい五角形があります。
それが、ぎょしゃ座といいます。
五角形のなかで一番明るいこの星はカペラという一等星で、最も北にある一等星として知られています。

★【ぎょしゃ座のプロジェクター】

ぎょしゃとは馬車を操(あやつ)る人のことで、馬車を発明したアテネの王様、エレクトニウスの姿となっています。



ぎょしゃ座の東の方に同じような明るさの星が二つ並んでいます。
この明るい二つ仲良しな星たちがふたご座です。

★【ふたご座のプロジェクター】

一等星のポルックスが弟。二等星のカストルが兄。
双子なのに兄は人間、弟は神の子、というちょっと変わった双子です。



ふたご座については、のちほど神話をご紹介します。

今度はそんなふたご座の南をみてみましょう。
ここにひときわ目立っている明るい星があります。
これが、全天で最も明るい恒星シリウスです。
シリウスとは焼き焦(こ)がすものという意味があり、青白くギラギラと輝いているところからつけられた名前です。
シリウスはおおいぬ座という星座にあります。

そのおおいぬ座のそばにはこいぬ座もあります。

こいぬ座にも明るい一等星のプロキオンが輝いてます。

★【おおいぬ座とこいぬ座のプロジェクター】

プロキオンとは犬の前という意味があり、これはおおいぬ座のシリウスが東の地平線から登る少し前にこの星が姿を見せることから名づけられたのです。



このプロキオン…。
シリウス…。
そしてオリオン座のベテルギウス。
この三つの一等星を結ぶと………、冬の天の川の中に大きな三角形ができます。
これを冬の大三角と呼びます。
そして、紹介した7つの一等星のうち6つの星をたどっていくと…
六角形に見えませんか。冬のダイヤモンドと呼ばれています。

おおいぬ座のシリウス…、
こいぬ座のプロキオン…、
ふたご座のポルックス…、
ぎょしゃ座のカペラ…、
おうし座のアルデバラン…、
オリオン座のリゲル…。

星空に輝く大きなダイヤモンド。クリスマスプレゼントにぴったりですね。

さて、実はもう一つ一等星をみることができるのです。
このプラネタリウムでは投影できませんが、クリスマスにちょうど南中し、南に建物などがなければこのあたりにみることができます。
シリウスの次に、全天で2番目に明るいカノープスという星です。
今日はそのカノープスを本校から観測できためずらしい写真をご紹介します。

★【カノープスのプロジェクター】

カノープスは一番高く昇って南中しても、地平線ギリギリなのです。
この星をみられたら幸せになれる、長寿になれると言われています。
そんなカノープスもクリスマスにみられたら幸せ間違いないでしょう。



先ほど、冬のダイヤモンドに含まれなかったこのオリオン座のベテルギウス。
このベテルギウス、近いうちになんと超新星爆発すると予測されています。
超新星爆発すると、月ほどの明るさになり、月が2つあるという光景になるそうです。

★【かに星雲のプロジェクター】

おうし座にあるかに星雲。これも超新星爆発してできました。
いつかベテルギウスもこうなるのかもしれません。



それでは、ふたご座のもとになった兄弟の話をご紹介します。
流れ星とともに、お楽しみください。

〜神話はじまり〜

(仲良く隣り合わせの星座として空にのぼらせたそうです。)

〜神話終わり〜

冬は何かと寒く、家の中にこもりがちですが、一年の中で一番空気の澄み切った季節です。
星空も、とても綺麗にみることができます。
服を着込んで暖かくし、今日紹介した冬の星空を見上げてみてはいかがでしょうか。

それでは終わりたいと思います。
まぶしいのでご注意ください。
本日はプラネタリウムにお越しいただきましてありがとうございました。



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