■ Special Contents ■
|
|
| 今冬発売のリマスタリング・アルバム『BMV』について、 マスタリングを手がけたKe-Kunに、今作について伺いました。 |
|
|
■今回はリマスタリング・アルバムについて、いろいろとお尋ねしていきますのでよろしくお願いします。 |
|
|
よろしく。 |
|
|
■まず、今回の作品の発売について、どのような流れでリリースをすることになったのでしょうか? |
|
|
発案自体は、僕(Ke-Kun)からですね。実際、2005年から.KOM@として十分な活動ができていないのですが、そろそろ活動としても新たな動きを出していきたいなと…『Hetakusong4』とか、結局途中で止まってるし。それに向けて、今後、技術的にマスタリングがとても大事になってくるけど、その腕試しとして、過去の作品をリマスタリングしたいという話があったんです。実は、この3年間で、ちょこちょこリマスタリング自体はしてきていて、05年にはこのHP上で期間限定の無料配信をしたという経緯もあった。ただ、ある程度、まとまった段階で、作品として仕上げていく必要もあるんじゃない?ということで、結成10周年というタイミングもあって、発売することになったんです。だから、僕(Ke-Kun)のソロ・プロジェクトと考えてもらえばいいですね。 |
|
|
■リマスタリングの必要性とはどういうことなのでしょうか? |
|
|
.KOM@としては、2003年からPCを使ったレコーディングを始めて、3rd Singleからそれによる作品を発表してきたんだけど、レコーディングの音を良くするということに重点を置いていた。だから、始めは「な〜んとなく」でマスタリングなんかもやっていたんだけど、作品を追っていくごとに、音を重ねていくごとに音の行き場を失いだしたんだよ。 |
|
|
■音の行き場とはどういうことですか? |
![]() |
|
例えば、ベースとギターが鳴っているときに、特にリフなんかだとベースの音とギターの低い音が同じような音域が重なって、妙なハウリングのようなことが起きるんです(右図の感じ)。こういう時に、ベースの音を小さくすると迫力がなくなるし、ギターの音を小さくするとギターの存在感が無くなる。他にも、ギターとボーカルでもそう。ソロなんかはいいんだけど、ボーカルとバッキングのギターがある時に、妙にギターとボーカルの音域がぶつかり合っちゃって、ボーカルを聞かせようとするとギターが薄れ、ギターを聞かせようとするとボーカルの迫力が無くなる。そうこうして、ボリュームをいじっていくとドンドン音量が小さくなっていくんだ。 |
|
|
■特に『Hetakusong 3』なんかは音が小さいですよね |
|
|
始めは気にしてなかったんだけど、作品を追うごとに微調整をやっていけばいくほど、どんどん音が小さくなって、おっしゃった『Hetakusong 3』なんかは最近の市販のCDと比べても音量がかなり小さいからね。 |
|
|
■今回は、そういう部分をリマスタリングで調整した、とういことですか? |
|
|
基本的なコンセプトはそうだね。もちろん、今回リマスタリングした作品は、2002〜03年頃にレコーディングしたものだから、今では、『ああしたい、こうしたい』という『リメイク』への思いもあるけど、それは今後の『Hetakusongシリーズ』に加味していくということで、今回はあえて音はそのままで、マスタリングだけやり直すということをコンセプトとしました。 |
|
|
■聞きやすい部分では、どのようなところがリマスタリングの効果を感じることが出来ますか? |
|
|
一番分かりやすいのは音量とパンだと思います。音量については、できるだけ市販のCDの音量に近づけるようにEQやコンプレッサーを駆使しながら音圧を稼いで、音量を上げています。あと、今まではボーカルもギターもセンター定位でぶつかることがよくありましたが、今回はギターを完全に左右に振っているので、音の広がりとしてもスッキリして聞きやすいと思います。 |
![]() |
|
■このギターを左右に振るというアイデアはB'zからだそうですね? |
|
|
そうですね。B'zの作品って、ギターとボーカルの両方のバランスが大事なんですが、よ〜く聞くと、ギターは左と右に広がって聞こえます。これは、同じフレーズを2回レコーディングして、それを左と右に振っているのですが、.KOM@はそこまでレコーディングしてないので、これを再現するのは、始めは試行錯誤の連続でしたね。 |
|
|
■それはどういうことですか? |
|
|
実は、ギターのあるWaveデータをコピーして2トラック用意して、一方を左いっぱいに降り、もう一方を右いっぱいに振ると、実はセンターからしか聞こえないんです。 |
|
|
■そうなんですか!? |
|
|
そうなの。これは、ステレオのスピーカーの原理のためで、音の定位というのは、左と右のスピーカーから出る音量の違いで決まっている。例えば、左から100・右から0なら左からしか聞こえないけど、左から60・右から40だと真ん中よりもやや左と感じるというふうに。だから、何かしら、左と右の音を違うように聞こえさせないと、左と右に振るということはできなんです。 |
|
|
■結局、どのようにして解決をしたのですか? |
![]() SONAR搭載の『fx:surround』というエフェクター |
|
やり方としては、いろいろあるんだろうけど、始めは左用と右用の2つのデータを用意して、一方をもう一方よりもほんの少しタイミングをずらしたんだ。そうすることで、左右の広がりを表現できるようになった。ただ、それって実は本当に面倒で…。ちょっと、このデータを変更したいとなったら、さらにそいつをほんの少しずらして…って。だけど、2006年末からこれまでのSinger Song Writer(以後SSWと略)に変わってSONARというDAWソフトウェアを導入したんだ。そうしたら、左と右に振ることが簡単にできるエフェクター(右図)があって、それをかませるだけで解決してしまいました。あまりの簡単さに、ちょっと拍子抜けのような感じもしましたが…。 |
|
|
■ということは、今回の作品はSONARベースでのアレンジですか? |
|
|
そうですね。元々、.KOM@の楽曲はSSWでレコーディングを行っていて、『Hetakusong 3』まではすべてSSW上でマスタリングをやっていましたが、オーディオを扱うことにSSWは長けていないので、やはりそこはSONAR 7 Studio Editionを使っています。だから、実はSSWファイルからSONARへデータ移行をするだけでも結構な作業なんですよ。 |
|
|
■ほかに、分かりやすい変更点はありますか? |
|
|
あとは打ち込み部分でしょうね。今回はリマスタリングということで、基本的にはギターやボーカルの元音は同じなんだけど、ベースやドラムは打ち込みなんで、これらは使う音源を変えました。 |
|
|
■実際に、何を使われたのですか? |
|
|
詳しくは次回、それぞれの曲を紹介するなかで説明したいと思いますが、基本的にベースはSONAR附属のソフトシンセ「TTS-1」のPicked Bassにアンプシミュレーターのエフェクターを軽くかけていますし、ドラムはこちらもソフトシンセの「ezDrummer」を使いました。 あまり1つの作品の中で、ベースやドラムの音がころころ変わるのは好きじゃないんで、どの曲にも共通的なパートについては、同じ音源やソフトシンセを使っています。あと、他のシンセなどの音についても、デジタルさよりもバンドっぽさの方を重視した音色選びをしました。 |
|
![]() SONARに標準で付属しているTTS-1(左)とezDrummer(右) |
|
|
■『Hetakusong 3』ではMIDI音源を基本とされていましたが、今回はほとんどがソフトシンセですか? |
|
|
全てというわけではないけど、基本的にはソフトシンセだね。それこそ、10年前に始めて『梅ジュース』を打ち込みで作ったときに鳴らしたのはソフトシンセだったけど、あの当時と今では全然音が違うからね。下手したら、ソフトシンセの方が全然音がいいときもあるし。 |
|
|
■それぞれの楽曲については、次回詳しくお尋ねしたいとおもいます。 |
|
|
よろしく。 |
|