.KOM@ 5th Anniversary Part.5 -楽曲編C-

(2005.07掲載)

今年、活動5周年を迎える.KOM@について、満5周年を迎える11月まで、
毎月テーマを変えて、今までの活動について振り返る。

今回は、その第4回として、曲にスポットを当てて見ていきたい。

■今回も前回に引き続き、5周年企画ということで、「Hetakusongシリーズ」の「曲」について、いろいろと聞いていきたいと思います。よろしくお願いします。

 よろしく

■前回は、「ぼくは…」までのお話しを伺いましたが、「Hetakusong 1」がリリースされたのは、2003年12月。ちょうど、「MICE」と「ぼくは…」の間の時期だったのですが、どうしてこの時期に、松本氏ソロの作品を出そうと言うことになったのですか?

 まず、先に説明しておかなければいけないのが、「松本氏ソロプロジェクト」という表現。これは、あくまで松本氏とは別のボーカルを据える「.KOM@」に対して、松本氏が自らマイクを握るものを「ソロプロジェクト」という表現をしているだけなんです。だから、もしかしたら、「Hetakusongシリーズ」の曲が、.KOM@としてシングルカットされるかもしれないし、アルバムに収録されるかもしれない。それまでの経過措置として、「松本氏ソロプロジェクト」・「Hetakusong」があるんです。

 それで、「Hetakusong」誕生秘話には2つの理由があります。1つは、このコーナーでも度々話しているとおり、以前からリバイバル作品を作りたかったということ。実際、2002年秋以降、.KOM@のシングル制作と並行して、昔の曲をリバイバル&再レコーディングは地道に行っていた。それが、2003年末である程度の曲数になったから、表に出して評判を聞いてみようという点。

 そして、もう1つは、あまりに.KOM@としてのレコーディングが前進しない事へのいらだち。.KOM@のレコーディングは、スタジオを借りてshingo・松本氏・Ke-Kunの3人が揃わなければ出来ない上に、作曲者とボーカルが異なるために、なかなかレコーディングが進まない。CDはなかなか出せないのに、その割にスタジオ代はかかるから、お金は無くなる一方。なので、とりあえず、ここでCDをリリースして、お金を確保したいという気持ちがあったのです。

■つまり、レコーディング自体は、「Hetakusong」ありきでは無かったということですか?

 もちろんです。もともと、いずれの曲も「復活DOGUMA(仮)」や他のリバイバル作品に向けてのギター・レコーディングや、shingo君に楽曲を示すための仮テイクのボーカル・レコーディングとして作られたものです。確かに、2以降は収録に向けてレコーディングしたものもありますけど…。

■それでは、「Hetakusong 1」から見ていきたいと思いますが、この9曲の選曲はどのように行われたのですか?

 実は、「Hetakusong 1」に関しては、レコーディングが終了したものから収録するという流れでした。つまり、僕達がまず再レコーディングしたものがぎっしり詰まっているというのが、「Hetakusong 1」です。だから、「梅」「Takitakito」「そんな君で…」「イッケータッキーハッシー」「隣のおばちゃん」とか、かなりコアで密度の濃い選曲になってますね。

■新曲に関しては「nyoronyoro」があるのですが、この曲はどのように?

 原曲は結構古いです。確か2002年の秋、つまり「Virus」や「my song」を作っていた頃だったと思います。当時は、メロディーも無しで、あのベースラインの30秒程度のギター・インストという形で完成させて、「わぁ〜20世紀無しだ」なんて変なタイトル付けてました。

 それが、2003年に入って今の形に仕上がった感じです。曲の基本的な部分はほとんど同じですしね。

■リバイバル曲で注目すべきものはありますか?

激変という点では、イケタキのHard Rock Ver.は激変でしょうね。あの「まったり感」が良かったのに、かなりガッツリしたものになっちゃいましたから。それに対して、「ぼくあき」なんかは「まったり感」炸裂!という感じになってますね。

■ハードなものも揃ってますが…

 そうだね、やっぱりやりたい曲からやったから、ハードなものが多いんだよね。特に「隣のおばちゃん」があのクオリティに仕上がってくれたのは嬉しいね。全然「MICE」に負けてない。

■さて、「Hetakusong 2」は翌2004年4月にリリースされたわけですが、こちらのコンセプトは何かありましたか?

 「Hetakusong 2」は、「HS1」の好感触を得て制作に取りかかったから、まず選曲からしていったんだ。で、「HS1」が「DOGUMA」からの選曲が多かったから、「HS2」は「Allegory」から選ばないといけないなってことで、「Allegory」の楽曲を中心に選曲しました。

■どちらかというと、「HS1」よりは「HS2」の方がポップスっぽい雰囲気がしますが…

 そこが不思議なんだよね。「HS1」ってポップスよりの「DOGUMA」中心のはずで、「HS2」ってロックよりの「Allegory」中心のはず……なんだけどね。これは選曲の問題だろうね。

■注目のアレンジとかってありますか?

 「Maybe」かな。あのピアノの感じはいいよね。A→B→サビと曲が盛り上がっていくし。あとは、「be forced to do...」が予想以上に格好良くなってしまったことかな。

■この曲で初披露された「Stealman」はどうですか?

 この曲は、前にも話したとおり、5th Singleとして収録するはずが、shingo君が歌えないということで、お蔵入りになっていた曲。実は、某有名ミュージシャンの「S●I◆E▲R■A●」を元にひらめいた曲。だから、ちょっと洋楽っぽい雰囲気がするんだ。それに、この楽曲の制作時期の似ていた「Virus」や「Shadow」と一緒で、Aメロとメインのリフが一緒。それが特徴だな。

■そして、「Hetakusong 3」が2004年12月にリリースされた訳ですが、こちらは?

 「HS1」・「HS2」を作ってきた感触で結構自信もついてきたし、2004年3月リリースの「ぼくは…」で事実上、.KOM@(shingoのボーカル)としての制作はストップしていた。だから、自然と「HS3」制作に取りかかっていました。

 ただ、「HS1」と「HS2」で16曲もリバイバルをして、このままだと収録する曲が無くなってしまう。ということで、「HS3」からは新曲をもっと入れていこうということで、新曲を作っていきました。

■それは「HS2」が出来てからですか?

 いいえ、「Good Life」は2003年夏には出来ていた曲ですし、「強い根性」や「GUTARA」も2004年に突入してすぐの頃から「HS2」・「ぼくは…」のレコーディングと並行して作ってました。まぁ、レコーディングそのものは、メンバーの都合で5月までの前半戦と10月以降の後半戦と2つに分かれましたけど。

■先程の「Stealman」や「Virus」「Shadow」といった楽曲が出来た頃のサウンドと、「HS3」に収録されている「強い根性」・「GUTARA」・「BA∽KA」といった曲のサウンドがかなり違いますが、これはどうしてですか?

 これは、年なりだよね。「Virus」系の曲ができた2002年は、リフがすべてで、そのハードさとか重たさが曲の醍醐味になっていた。

 でも、2004年には、ノリの良さ・テンポの良さ・バッキングのうまさ・軽快さが曲の醍醐味になってきた。僕らは不思議なもんで、その時期の作りやすい曲っていうのがあるんだ。それで、2002年と2004年がハードなものと軽快なもので対局に位置しただけで…。ちなみにいえば、2003年は「その砌に」とか「Good Life」とか、未発表のバラードとかソフトな曲が多かったんだ。

■逆をいえば、それだけ.KOM@の音楽の範囲が広がったとも言えますよね?

 そうだと思うよ。「強い根性」みたいなさわやかロックってありそうでなかったし、「Random」のような渋いミディアムナンバーもありそうでなかった。それだけ技術を身につけてきたということなのかな。だから、本当のことをいえば、この「HS3」が「DOGUMA」→「Allegory」に続く、3rd Album的な価値があるんだ。

■1つずつ見てみたいと思いますが、「強い根性」は久々の王道ロックですよね

 初めに楽曲を作り上げていく段階では、そんなに魅力は感じていなかったんだ。だけど、ギターをスタジオできちんとアンプからマイク録りして、仮歌を入れてみたら、すごい良くなってきたんだ。.KOM@の楽曲のポジション的には、『MICE』や『隣のおばちゃん』よりも、ややハードが少ないって感じなんだけど、このゾーンって今までなかなか作れなかったポジションなんだよね。

 曲としての勢いもあるし、疾走感もあるから、『これなら次のシングル候補曲としていけるかも?』という話はあったね。ただ、今後、シングルを出すかどうかというのが微妙だけど…。

■王道でノリの良さで言えば、「BA∽KA」もそうですよね。

 この曲のリフは、結構初めからできていて、そこから楽曲として煮詰めていったという形なんだけど、いい感じに仕上がった。久々にカッチョエエ〜曲ができたね。シンコペーションも上手くいったし。

■これらに対して、「Random」みたいな曲もできたんですよね。

 本当にそうだね。この曲って、今までの僕らには無かった部類の曲なんだよね。『Shadow』みたいに陰のある曲でもないんだけど、『隣のおばちゃん』ほどははじけていないって感じ。B'zでいうと、「BIG MACHINE」の「Change the Future」っぽい。何か、『オレたちって、こんなシャレた曲もできるようになったんだ』って思える曲だよね。すべてはBメロがポイントだよね。わりとAメロとサビは同じ雰囲気で流れていくんだけど、間のBメロで怪しさが増す。面白い感じになったと思うよ。

■でも、こういったロックナンバーが揃った中に、「Good Life」のようなアコースティックなサウンドの曲が生まれたのですか?

 それは、ちょっと前にも話したように、2003年がバラードっぽい曲を作りたい時期だったんだ。この曲は、そういった時期に作った曲で、曲を作ってアレンジしていく段階で、「アコギ1本で仕上げたい」という方向性で進んでいたから。でも、本当にこういった曲を仕上げるのって、難しいんだ。それだけ進化したんだろうね、僕達も。

■こういった進化をしてきた.KOM@ですが、現在のレコーディング状況はどうですか?

 最近!?。実は年明け後から3月まで、「Hetakusong 4(仮)」のレコーディングをしていたんだけど、4月以降は止まっている状態なんだよね。お互いが何かと忙しくて…。

■だいたい次回作に収録する曲は揃っているのですか?

 一様、収録曲目は出揃っていて、新曲も5曲ほど用意しているけど、どうなるかは正直分からないな。またレコーディングを再開したときに、僕達の好みのサウンドが変わっている可能性もあるし。

■これから、.KOM@はどういうサウンドを目指していくと思いますか?

 う〜ん、それは難しい質問だな。でも、たぶん「ロック」ということは変わらないと思う。というか、変わらずにいたいね。もちろん、その時期その時期の求めるサウンドは変化してくるだろうけど、それをしばらく時間が経ってから見つめてみると、以外と自分たちの成長の軌跡を感じるんだ。

■でも、本当は「MICE」は5th Singleに起用するつもりだったとお聞きしましたが?

 2002年末に、シングル3作(3rd〜5th)の収録曲を考えていたときには、「MICE」は5th Singleに収録予定で、その勢いで「復活DOGUMA」につないでいく予定でした。ただ、4th Singleのタイトル曲として予定していた「Stealman(のちに”Hetakusong 2”に収録される曲)」の難易度があまりにも高く、shingo君がうまく歌うことが出来なかった。そこで急遽、「MICE」が4th Singleに収録されることになったのです。

■それにしても、Allegory Ver.とSingle Ver.は全然ギターのフレーズが違いますよね?

 それは何を隠そう、松本氏の2年間の鍛錬の成果だね。「MICE」という曲は、「Allegory」が完成した後も、ずっと「いつかは録り直そう」ということで、練習を重ねてきた。その間に、ギターフレーズがとぎすまされ、洗練されていったんだ。しかも、元々テンポも早い曲なのに、Allegoryよりも10も早くなっているんだから、松本氏はすごいね。

■さて、今回で4回にわたった楽曲編は終了です。次回はギターの進化に注目していきたいと思います。