.KOM@ 5th Anniversary Part.3 -楽曲編A-

(2005.04掲載)

今年、活動5周年を迎える.KOM@について、満5周年を迎える11月まで、
毎月テーマを変えて、今までの活動について振り返る。

今回は、その第3回として、曲にスポットを当てて見ていきたい。

■今回も前回に引き続き、5周年企画ということで、「Allegory」以降の「曲」について、いろいろと聞いていきたいと思います。よろしくお願いします。

 よろしく

■さて、前回では「DOGUMA」までの話を聞いていきましたが、その「DOGUMA」制作から8ヶ月を開けて、2001年7月にメンバーが再び集結した訳ですが、それまでの間はどうされていたのですか?。

 もちろん、「DOGUMA」をリリースしてから翌年3月までは大学入試ということで、それぞれが勉強に集中していた。だけど、高校を卒業するときって、大学入試の結果が出ていないから、誰がどこに行くのか分からなかったんだ。その後、「どうなったの?」って聞くのも何だか嫌だし。

 でも、それぞれがこのままじゃ物足りないって思ったんだろうね。松本氏は、ギターの練習を重ねていて、その中であのリフが印象的な「MICE」を既に作曲していた。一方で、Ke-Kunは「DOGUMA」の曲をインスト曲として復活させる構想を立てていたみたい。

■そして、7月に3人が再び集まって、アルバムを作ることになった訳ですが、その時点でコンセプトのようなものはあったのですか?。

 皆さんがご存じの通り、歌詞については「干支」をテーマにしたんだけど、楽曲に関しては、ほとんど決めなかった。唯一、話をしたとすれば、「生っぽく」っていうことぐらいかな。

■先程の話では、「MICE」は3人が集まる前にはできていたそうですが、レコーディングは「MICE」から始めたのですか?。

 いえ、レコーディングは「solitude」・「Maybe」からだったと思います。「MICE」は、レコーディングする前からカッコイイ曲になることは分かっていた。だから、レコーディングをしようと思えばできたのですが、当時はレコーディングがスタートした段階だったので、まだレコーディング技術もしっかりしていなかったし、曲制作のコツというものも取り戻す必要があった。だから、「MICE」はあえてレコーディングの終盤に行ったんだ。

■「Allegory」のレコーディングでは、何らかの流れというものはあったのですか?

 たぶんあったと思うよ。制作序盤は、「DOGUMA」の延長線というか、ポップス的な曲が多かった。例えば、「solitude」・「Maybe」・「Love」とか。で、中盤になるとヘビーなミディアムナンバーとして、「A Day」とか「in progress」とかができて、終盤に「GiveBack!!」や「SuperOne」が出来たんだ。だから、次第に重くハードな曲になっていったという流れはあるだろうね。

■こういう流れは、どういうことで生まれてくるのですか?

 う〜ん、僕達って4・5年、曲制作をやってきているけど、その時期で聴いてる音楽も微妙に変わってくるじゃない?。だから、そのタイミングでどういう音楽が好みなのかって分かれてくるんだ。もちろん、最近では意図的に、「この作品にはこういうタイプの曲が必要だ」ということで、それに合わせて作ることもあるけど…。

 あと、「Allegory」の時は、ギターとエフェクターの影響も大きかったと思う。あの頃は、松本氏がエレキギターを購入して約1年ぐらいで、ちょうどエレキの使い方に慣れてきた頃だったし、ストラトからレスポールにチェンジした時期でもある。さらに、「Allegory」のレコーディングをスタートさせてから、初めてエフェクターを導入したから、次第に探していた音が見つかったと言うこともあったと思うよ。

■それでは、1曲ずつ見ていきたいと思いますが、序盤の印象的な曲は?

 やっぱり、『Maybe』じゃないかな。あの曲って、制作段階ではあんまり気にはしなかったんだけど、完成した後に聞くと、「『long』のコピーなんじゃないの?」ってほど、そっくりなんだよね。

■確かに『Maybe』と『long』は似たようなタイプとして認識されているようですが、両者の違いとは何なんですか?

 これは、僕達が実際に『Maybe』を作り上げていく中で、『long』に似ているということは気づいていたんだ。だから、『Maybe』には違いをいろんなところに付けていった。例えば、サビから8ビートのスネアの数を倍にして、スピード感を出したり、ベースにシンセ・ベースを使ったり、キーボードを加えたり、とにかくいろいろな手を使ったな。

■中盤では?

 う〜ん、中盤戦で言えば『A Day』かな。これも有名な話なんだけど、この曲は松本氏が苦戦した曲なんだ。で、松本氏がKe-Kunにコード展開を相談して、Ke-Kunがアドバイスをしたところが糸口になってできあがった。

 あと、この『A Day』とか『in progress』とかって、いわゆるハードなミディアムナンバー。こういう曲が、『Allegory』制作の中盤に作ることができたというのは大きな意義だと思うよ。『DOGUMA』の時では、考えられなかったナンバーだから。

■それは、どういうことですか?

 はっきり言って、ノリの良いハードなスピード感のある曲っていうのは割と作りやすいんだけど、逆にこういうミディアム・ナンバーって難しいんだ。特に、曲を組み上げていく段階で、いろいろなテクニックも必要だし、曲の展開も考えていかなきゃいけない。それに、歌詞が合うかという問題も出てくるし…。あの頃にミディアム・ナンバーが出来たからこそ、今になってミディアム・ナンバーが僕達のポイントにもなってきた訳で。

■ノリのいい曲では、何かありますか?

 やっぱり、『MICE』かな。

■『MICE』は、デモ段階でかなりのクオリティだったと聞きましたが…

 『MICE』は先程も言ったように、松本氏が活動再開を視野に入れながら暖めていた曲だから、リフは完成されていたし、曲の流れも完璧だった。レコーディングでは、アレンジがもうちょっとという気持ちはあるけど、当時の僕達ができる最高のものだったと思うよ。

■『MICE』といえば、ライブ・バージョンになっていた訳なのですが、その真相は?

 あれは結局、「最高のもの」だったとはいえ、とてもあの音質では満足のいける作品に仕上げることはできなかった。だから、多少ごまかして、それなりに聞こえるようにということで、観客の歓声などを加えたんだ。そして、いつか「もっといい音質でレコーディングができるようになったら、スタジオ・バージョンを作ろう」という思いを僕達は持っていた。だから、『Allegory』が完成したあとも、この曲だけはいろいろとアレンジを加えたりしながら、練習をしていた。そして、2003年11月に4th Singleとして「MICE」を復活させることが出来たんだ。

■この曲がそこまでさせた魅力は何ですか?

 う〜ん……難しいけど、直感的に魅力を感じたんだよ。「カッコイイ!」「イケてる!」って。あのリフもそうだし、コード展開もメロディーも歌詞も…。もし、僕達が5年間で一番気に入っている曲といわれたら、『MICE』と答えるだろうね。

■ほかに何かありますか?

 他に印象的だったのは、『ぼくは…』かな。

■「ぼくは…」といえば、『Allegory』のボーナストラックとして収録されて、のちにシングルカットされるわけですが、これは元々意図的なものだったのですか?

 元々、アルバム制作が始まった頃から、「何かボーナストラックを入れようよ」って話をしていたんだけど、「どうせ干支をテーマにしているんだから、干支に関係してくるものにしよう」ということで、考えた結果「猫」が出てきたんだ。それで、「ぼくは…」を作ることになったわけ。だから、レコーディングそのものは、結構レコーディングの前半戦だったんだ。たぶん、「solitude」や「Maybe」のあとぐらいだったと思うよ。

 あと、シングルカットについては、全く意図は無かったよ。そもそも、曲を作っている時点では、シングルを作る計画も無かったわけで。ただ、「ぼくは…」が完成したときに、「これだけいい曲なのに、ボーナストラックにするなんてもったいないな」という話はしてたけどね。

■「ぼくは…」の楽曲そのものには、どのような評価をされていますか?

 雰囲気的には、.KOM@の王道バラード。つまり、『春の風に…』の正常進化型だと思うよ。ただ、アレンジ面で話をすると、ほぼ2番が始まるまで、ピアノ1本しか伴奏がないので、ボーカルの実力が試される曲であることは間違いないでしょうね。

■そして、「ぼくは…」と言えば、シングル「SuperOne」ですが、本当は「SuperOne」も「Allegory」に収録できたという噂もありますが?

 皆さんご存じの通り、『SuperOne』は「Allegory」に収録するのにレコーディングが間に合わなかった。それは事実だよ。ただ、本当は間に合うはずだったんだけど、急遽、「Allegory」の発売が予定よりも前倒しになってしまったために、間に合わなかったんだ。

■『SuperOne』は、『Allegory』のロック路線とは違う方向にベクトルが向いていると思うのですが?

 確かに、『MICE』や『GiveBack!!』といったハードロックが生まれたことを考えると、そのあとに『SuperOne』が生まれたのは、ちょっと不思議な感じがするかもしれないね。ただ、僕らにとっては何の不思議もないことなんだ。つまり、『DOGUMA』の流れを受けるポップス路線と、『Allegory』の流れを受けるロック路線が、この『SuperOne』で融合されたんだ。あの雰囲気の曲に、リフが加わったのも画期的だし、ギターバッキングも今までになく考えられている。そういった意味で、この曲が.KOM@の進化の証明ともいえるんじゃないかな。

■つまり、「Allegory」の制作を経て、進化の成果を「SuperOne」で示したと?

 そういうことだね。この曲は、当時としてはクオリティも、かなり良かったしね。

■さて、今回は「SuperOne」までということで、次回は「Virus」から「Hetakusongシリーズ」までの楽曲について聞いていきたいと思います。今回はどうもありがとうございました。