サワラはヒノキによく似ていますが、ヒノキは木材、 サワラは
庭園樹によく利用されています。サワラはヒノキに比べて枝が
あまり密集せず、全体的にまばらな印象を与えることから「さわ
らか(すっきりしている)な木」という名がつけられたようです。
サワラは木曽五木(*)の一つに数えられ、同じヒノキ属のヒノ
キと混雑して生え、島崎藤村の「夜明け前」には
“対岸には山が迫って檜、椹(サワラ)の直立した森林がその断
層を覆うてゐる。 尖った三角を並べたやうに重なり合った木と
木の梢の感じも深い”
と記されています。(上巻 第三章 二)
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