ルネサンス


 ルネサンスは「再生」「復元」を意味するフラン
ス語です。
 ルネサンスは14世紀のイタリアに始まり16世
紀にはヨーロッパ各地に普及していった一大文
化運動でギリシャ、ローマの輝かしい古典文化
が復活、再生したものだとされています。
 しかしこの時代は中世と近世が混じりあった
時代でその文化もいろいろな側面を持ち、イス
ラム文化やビザンツ文化の影響も大でした。

-ルネサンスのおこり-
 十字軍の遠征は失敗に終わりましたが、この遠
征の通路となった北イタリアではベネチァやジ
ェノバ、フィレンツェ、ミラノなどの都市がアジ
アからは香辛料や宝石、絹を輸入し銀、オリーブ
などを輸出して大変栄えました。
 中世のヨーロッパでは領主やキリスト教会の
力が強く、人々はその支配下におかれていまし
たが貿易で富を貯えた商人たちは次第に都市の
実権を握っていきます。特にフィレンツェのメ
ディチ家は金融業を営みローマ教皇や各国の王
にも金を貸すなど、大きな富を持ちフィレンツ
ェの政治を動かしていました。
 メディチ家は自らの権威を高め、市民の人気を
得るため多くの芸術家を保護した結果、芸術が
盛んになり、それまでの神を中心とした教えに
代わって自然をありのままに見つめ人間らしい
生き方を求める文化がおこりました。

-ルネサンス文化- 
 ルネサンスでは古代ギリシャやローマの学芸、
文芸が模範とされ、特定の知識にかたよらず、す
べての面に通じた万能人が人間の理想と考えら
れていました。
 レオナルド・ダ・ヴィンチは絵画、彫刻、建築な
どにすぐれていただけでなく、戦車、機関銃、起
重機、織機、人力飛行機、人力ヘリコプターなど
を設計し、解剖学、地学、土木学などにも長じて
いました。
 ダ・ヴィンチは各地の支配者の下を転々としな
がらフィレンツェ、ミラノ、ローマで活躍し「最
後の晩餐」や「モナリザ」などの有名な作品を残
しました。
 そのほかイタリアには絵画や彫刻にすぐれた
才能を発揮したミケランジェロや美しい聖母子
像を描いたラファエロ、「神曲」を書いたダンテ
が、イギリスでは劇作家シェークスピアが、スペ
インには「ドン・キホーテ」を書いたセルバンテ
スが活躍しました。
 
 また科学も発達し、地動説を唱えたコペルニク
スや天文・物理学を研究し、教会の圧迫を受けな
がらも地動説を裏付けたガリレイらがいました。
 

モナ・りザ(レオナルド・ダ・ヴィンチ画)
-パリ・ルーブル美術館蔵-


美しき庭師(ラファエロ画、草原に腰を下ろした 美しい聖母に見立てこの題名で呼ばれています)
-パリ・ルーブル美術館蔵-

  トップページへ