古代ギリシァ文化
   

 エーゲ文明を吸収した古代ギリシャ人はポリスの
自由な市民たちの手によってすぐれた文化をつくり
ました。
 合理性を重んじて、完全美を追求し人間的で明るい
文化はギリシャ神話、ギリシャ美術、ギリシャ哲学な
どの分野に見ることが出来ます。
 自由と合理的精神を特徴とするギリシャ文化の伝
統はヘレニズムとなってヘブライズム(キリスト教
思想)とともにヨーロッパ文化の二大潮流となりま
した。 
 ギリシァ神話は紀元前9世紀頃のホメロスらによ
って体系化されましたが極めて人間的なことが特
徴です。
 美術ではアテネやアポロンの神像に多くの傑作が
生まれ、建築では神殿建築が中心ですがバルテノン
神殿が代表的。絵画では壺絵が有名です。
ホメロスの胸像(ローマ国立美術館蔵)
ホメロスは古代ギリシァ最大の叙事詩人とされて います。


 文学では紀元前八世紀にホメロスの「イリアス」と
「オデュッセイア」の二大叙事詩が生まれ、次いで紀
元前七世紀はじめに農民詩人ヘシオドスが出て「労
働と日々」を残し、紀元前五世紀頃にはアテネの三大
悲劇作家といわれるアイスキュロス、ソフォクレス、
エウリビデスが現れ神話に題材をとった作品をつく
りました。
 哲学はピタゴラスらの自然哲学者が生まれ、ソクラ
テスやその弟子のプラトンやアリストテレスが出ま
した。
ギリシァの壺絵(山川出版社・世界史研究)
ギリシァのポリスの主要な輸出品は壺で特にアテネ の壺は高い評価を受けました。神話や実生活を題材と した壺絵は各時代のアテネの歴史や社会を知らせる 貴重な資料です。人物の色によって赤絵、黒絵と呼ば れています。

バルテノン神殿
大理石の代表的なドーリア建築でエンタシスと呼ばれる微妙なふく
らみが特徴で、日本の法隆寺建築にも影響を与えたとされています。