『今日のzakkan』(旧版)

平成11年4月・『今日のzakkan』


俳論への期待

●今日の朝日新聞の俳句欄に嬉しい記事があった。俳文学者、復本一郎さんという方が「俳句論」の必要性について力説していたからである。復本氏の論述に共鳴できるのは、氏が俳句の革新は俳句論が熱く展開されたときになされると述べられていたからである。
●けれども、、多くの俳句を志す人にとってどうであるかは分からないが、少なくとも私のように今まで論理の世界で生きてきたものにとっては俳句の寄って立つ支柱が何かは切に知りたいものである。俳句を覚えたてのときに無我夢中で季語と定型の17文字に収まる様に作っていたときは少し昔になった。
●そう思って「俳句の理論」を求めたが、入門書は数多いものの残念ながらあまり本格的な書物に際会することは無かった。全く無いわけではない。小林恭二「俳句とは何か」(福武文庫)、小西甚一「俳句の世界」(講談社学術文庫)、仁平勝「俳句が文学になるとき」(五柳書院)など、結構読みごたえがあった。
●しかし、未だ私が納得する形で俳句の理論を述べたものは無い。そこで今は「古典」に帰ろうとして虚子や子規の書物や芭蕉の句集にまで遡っているが道は遠い。矢張り復本氏が述べる様に俳句結社の主宰が俳句論を述べるべきだろう。例えば少し古いが飯田龍太の「俳句入門三十三講」(講談社学術文庫)などは好例であると思う。
[99/4/12]





定年前後の生と性

●私が高年者中心のフォーラムであるFメロウに飛びこむ前に熱心に読んだ本が、PHP研究所の雑誌「ほんとうの時代」であった。このことは、このWebの講演記録3「ウルマンとの出会い」でも触れている。その「ほんとうの時代」が4月特別増刊号「定年前後の危機管理」を発売した。読んでみて中々いい特集だと思う。
●この雑誌が管理すべき「危機」として捉えているのは7つあって、順に挙げれば定年後の仕事がみつかるか、老親の介護、地域に溶け込めるか、夫婦関係の保持、ライフワークの発見、ストレスとのつきあい、老後の生活場所である。いずれも重要な観点であり、これについて識者が解説を行なっているのは時宜を得ていると言える。
●しかし、一つだけ気になったのが4番目の「夫婦関係はうまく保てるか。」という項目である。ここでも4人の識者が解説めいた意見を披露しているが、どうもこの年代の性生活の問題については深みが感じられない。こういうと自身の事かと誤解を持たれそうだが、たまたま同時期に雑誌「週刊大衆」が同じテーマを扱っているから気になったのである。
●同誌は概ね性風俗を扱うことが多いからといって無視することはできない。今回は「アライブ・エイジ」として「読んで元気になろうニッポンの50代」と呼びかけているからである。このコラムの性格上結論を言う余白しかないが、「ほんとうの時代」は離婚問題を扱っている平山知子弁護士を除き、観念的な記述に終わっているようで残念であった。
[99/4/5]






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