私の委員会での質問の仕方とは

 各委員会での質問をこのようにしています!

  各委員会の質疑こそ自治体議員の資質が問われます。
 私も全力で頑張っています



●最近、マスコミからはじまって地域の方々から「自治体議員は冠婚葬祭でいそがしく、市全体へのまともな政策活動をしていない」「地方議員の役割がよく見えない!」などとされています、また地域では「議員の数をもっと減らすべきだ。議会は年
4回開催するだけで、普段は遊んでいるのだから、毎月の歳費はもったいない。日当制にすべきだ」などと、このところよく言われます。

●私は、このごろのこういった「マスコミ主導の世論」「風潮」があることに危惧を感じています。市民のために真剣に取り組んでいる自治体議員も結構いるのに、それを全く無視し「地方議員とはこのようなものだ」と個々の議員の区別なく全てを「まとめ」て断定しているからです。そもそも議員とは、それぞれ個々の議員の見解や行動が、具体的になればなるほど、個々別々となります。だからこそ議会の審議と採択の機能も果たせるのです。「まとめ」で断定することなどはできないはずです。また、「良くない名誉職的な個々の議員」の存在も確かにあるのでしょうが、これは、今にはじまったことではありません。問題の立て方は、そのような個々の議員に投票してしまったことにあり、しっかりした議員に次には替えていく事ではないでしょうか? 

●これらのことを無視して「地方議員はだめだ」としては、自治体段階での、議会制民主主義と自治体議員の役割を否定する傾向があると思います。結果として自治体の政治でも市民の声が届かず、必ず「生活が第一」を後退させることとなると思われます。

●地域で「年4回の議会開催なのに、毎月の歳費はもったいない。日当制にすべきだ」との意見があると、私は「自治体議員はお相撲さんと同じで、本場所で力を出すには、毎日の稽古が重要。でないとすぐ負け越しでみっともないことになります。議員もそれと同じことで、毎日、勉強し活動することが定例議会で力が発揮するのです。それに、さまざまな委員会があり、その準備も含めると、結構、忙しいのですよ」とその場で、ニコニコしながらも反論することにしています。

例えば、決算委員会での質問の仕方を紹介します


私も2011年の現在所属している各種委員会が結構あります。

民生文教常任委員会

新庁舎建設特別委員会

国保運営協議会

広域行政〔消防〕組合議会

決算委員会または予算委員会

このようにさまざまな委員会があり、これ以外に議会運営委員会。議会便り編集委員会などがあります。

●私は各種委員会での質疑・審議こそが議会の機能として極めて重要だと思っています。委員会では、メモと資料を横目で見ながら原稿なしで質問し、当局の答弁を得たなら、そこからまた、質問を繰り返すこととなりますから、委員会こそが議員の資質が問われます。行政側も答弁だけでなく改善に努力していく契機になる場です。全国のマスコミから作られている地域の風潮では、自治体議会のこの委員会についての機能についてほとんど触れていないこともおかしなことだと思います。

●私は、各種委員会での質問と意見・要望を重視ししていますが、(会議録のあるものについては、全てこのホームページに自分の質疑の部分も掲載しています)なかでも決算委員会を最重視しています。決算とは、決算にともなうさまざまな資料・数字が提出されるからです。『決算書』『実績書』『報告書』『概要』『年報』『監査意見書』『市債調』などが出されます。これらをそれなりに見ていけば、いくつかの行政の傾向から質問課題が浮かび上がってくるからです。

●以下、私の決算委員会での質問を準備と質問のやり方を紹介していきます。

私の決算委員会の準備方法と質問のやり方とは
@   日常の市民の声や新聞情報などから、必要と思われる問題を、甲府市の行政に質問したり、資料請求を行い、それを日々ストックしておきます。問題が感じられる課題は、決算委員会での質問課題として準備しておきます。
 ※ 私は新聞だけでも、日刊3紙、週刊4紙購読してできるだけスクラップにしています。忙しいときは2ヶ月もたまってしまいますが…。

A    資料集めをはじめます。決算委員会で配られる『決算書』『実績書』『報告書』以外にも、『統計書』や各部・特別会計で発行している、その年度の『概要』『年報』などを一通り集めます。関連して、全国市長会・山梨県市長会などの年度要望書も集めます。
 必要に応じてホームページで、政府や山梨県、市議会議長会の資料を調べてみます。

B 大急ぎでこれらの資料を斜め読みします。ここで実績が下がったりした事業などの大まかな質問課題を拾い出します。

C前年度、前々年度とのの経年変化をチェックします。『決算書』をみても単年度では、その事業の傾向がほとんどわかりませんから、前年度、前々年度の数字と比較(経年比較)して傾向を把握します。全部はできませんが、質問課題にあわせて『決算書』以外の主な資料についても同じように(経年比較)をします。

このため決算関係の資料の14年間分は自分の事務所に保存してあります。それより前の古い資料は議会図書室などで調べることになります。

D前回の『会議録』に目を通します。特に自分の質問とそれに対する当局の答弁は、必ず読んで把握しておきます。そして、いままでの積み残してきた質問課題も合わせて整理しておきます。私の場合、いままでの答弁からの質問課題は大体60%〜70%ほどにもなり、新たな質問課題〔テーマ〕は、30%〜40%ほどです。それは、当局が『検討します』との前回の答弁があるなら、今回は、その『検討の結果はどうなりまたか?』と聞かなければならないからです。また、必要と思われる事業の実績件数も毎年度チェックする必要もあります。

E 甲府市の場合、決算委員会は一週間にわたり、午前10時から始まり質疑が終るのは、おおよそ午後5時ごろまでです。私は委員会の期間中は、毎日朝5時から質問の準備に入ります。当日の早朝は、質問構成と順序の組みをしなければならないからです。そのため前日は午後10時には、必ず寝ることにしています。早朝の作業としては、5センチほどの付箋に小さく項目ごとのメモ書きを何枚も行い、それをどのような質問順序で行うのか、順番にあわせて並べて貼り付けておきます。

F委員会がはじまってからが大忙しです。当局の説明や他の委員さんの質問が先にある場合には、それを聞きながら、付箋のメモを付け加えたり、答弁が終わったと思われるものは削除したり、また、その場で気がついことがあったら、資料を引っ張りだして書き込んだりします。質問の直前には付箋で質問順序を再度組み立てます。

G質問は、いくらメモがあっても当局の答弁内容によってライブとなりますつまりその場で気がついたことも質問する必要があります。ほぼ決算の区分〔款や特別会計〕ごとには長くても1時間以内に終わることにしていますから、かなり早口にして一つ一つは簡潔にしないとほかの議員からブーイングが出ます。当局側も緊張するでしょうが、こちら側も気を張って言葉で走り回ることになります。それで一日が終わるとドッと疲れます。とにかく無理やり早く寝て次の日の早朝から委員会に備えます。これを10日間ほど繰り返しますから、委員会が終わると体重が1〜2キロやせてしまいます。事務所の中は資料が散乱し机の上はゴチャゴチャになっています。

H私は個々の行政課題(款や特別会計)に対してはこれは知らないからやめておく」「ここはどうでもいいから質問しない」「ここではパスする」ではいけないと思っています。議員として全ての市政に責任をもつ立場から、たとえ不十分であっても原則としてすべての行政課題(款や特別会計)に質問をすることを新人議員となった当初からの基本姿勢にしています
 そこで甲府市の決算委員会の質疑応答時間の40%以上が山田の質問時間なってしまっています。これは一部の議員から「山田議員は質問が長すぎて問題!」といわれ議会事務局がカウントしたことでわかったのです。しかし甲府の市議会では、このことに対して議会制民主主義の基本から冷静に判断して「質問時間の抑制」などはおこなわれていません。
 私は、確かにマスコミもいうように議員として「質問ゼロ」の方が問題であり、委員会は、どの議員もドシドシ質問を行い、そのための環境を整えることが大切だと思っています。私が、ほとんど全ての課題で質問することによって、他の議員の質問を妨害したことはありえません。むしろ、私が質問することで他の議員もさまざまに質問しやすくなっていることも事実です。見解の相違があってもさまざまな質問が出て委員会が活性化し市政内容に貢献していくものだと考えます。

「全ての行政課題に対して質問していく」という基本姿勢は、体力がいり疲れます。でも何よりも自分自身の議員として見解をつくり上げ改善に向けての課題を認識することに役立っています。また単年度の「言いぱなし」とはなりませんから、長期にわたっての継続した見解と質問ともなってきています

I 委員会の『会議録』は大体3ヵ月後にできます。議会事務局では、議会側の要望にこたえて2年前から決算と予算委員会の会議録を、ホームページ掲載しています。私の場合、自分と関係した質疑をすべて自分のホームページに掲載します。これは自分自身の質問に責任を持つ必要があると考えるからです。

●会議録を改めてみると、ライブのやり取りですから自分の勘違いや当局の答弁した数字の聞き間違い、決算資料の数字の読み違え少なくありません。質問の日本語もひどいものです。これはなんともなりません。しかし「政策的な主張自体は間違っていない」と思いますので、恥ずかしくても全文をそのまま掲載しています。

真面目な自治体議員の一人として委員会でも頑張っていきます

●繰り返し継続して質問を行う中で、行政側も単年度では無理であっても何年もかけてですが、それに応えて改善してくれることも結構あります。また、私は決算委員会だけでなく、全ての委員会でも質問を繰り返していますが、同じように行政当局がこちらの意見を受け止めてくれることが、少なくありません。これらのことは自治体議員としての私の誇りにもなっていますし、議会制民主主義の機能でもあると感じています。

●もちろん、こちらが評価している事業を、行政当局は、「財政難を理由」に後退したり、廃止することもかなりあります。小泉改革以降はその傾向も強まりはじめています。でも議会の委員会における質疑の機能がなければ、行政が一人歩きすることによって、市民からより遠ざかり、良くない傾向に進むことはだけは確実だと思います。

●最近の風潮は、安易に自治体議員を「十羽ひとからげ」にして「自治体議員は、特権に甘えて政策活動をしない。市民にとっての存在感がない!」「議会と議員は飾り過ぎないような状態になっているのではないか?ムダといえる!」などの乱暴な意見すら飛び出ています。

●それならば、どうして「しっかりした議員をこれからは代表として選出しよう」「自分の支持した議員がどのような活動をしているのか委員会を見てみよう」とはならないのでしょうか? 私の知る限り、乱暴に「地方議員はダメだ!」と言われる方に限って、いままで議会や個々の自体議員の活動内容に無関心で、今も実質的には無関心で、マスコミの風潮で「決め付けているだけ」の方が多いようです・・・。

●このことからも最近の風潮は、自治体における議会制民主主義の機能をゆがめることにつながりかねないと私は危惧しています。それは、市民に目を向けた社会保障や教育などの生活を支える自治体の機能を弱めこととなるからです。

「しっかりしている真面目な自治体議員」も結構います。なんとか「生活が第一の自治体政治を目指して孤軍奮闘している自治体議員」もいます。私も、不十分であってもその一人になろうと思っています。誇りを持って、これからも頑張るつもりです。