私の本会議の質問の仕方とは

本会議の代表質問をこのようにしています

 本会議での質問は、単なるイベントではありません
 真剣に取り組んでいる自治体議員もいます。


 私は、この4年間で13回の本会議の代表質問をしました

●最近、よくマスコミ、そして地域の方から「本会議で4年間の任期中で一度も質問しない議員がいる」「地方議員は名誉職的であり、ほとんど政策の研究をしない」「本会議は事前に決められた質問書や答弁書の原稿を双方で読みあうだけのイベントとなっている」「質問原稿も当局に書いてもらう議員がいるくらいだ」などと、おもしろおかしく言われることがあります。 

●しかし、この状態が全ての自治体議員に共通しているわけではありません。「一度も質問しない議員」がいても、それは「例外中の例外」だと思います。真剣に頑張っている自治体議員も少なくありません。私も、しっかりやろうと心がけている一人で、本会議での質問にもかなり努力しているつもりです。

●ちなみに、私はこの4年間の任期中に、本会議場で13回の代表質問をさせてもらいました。これは同じ会派の中込議員が、この4年間で監査委員と議長を担ったために私の本会議での質問の機会が多かったことによります。

もちろん、その機会(権利)を一度もパス(権利放棄)しませんでしたから、4年間の本会議での質問回数とのべの質問時間では、たぶん甲府市議会史の記録保持者となったと思われます。

私の質問の仕方とは

毎回の質問は、1つか2つのテーマにしぼって質問をします

・私の質問の仕方は、テーマを1つか2つにしぼって行います。それは、

テーマをしぼらないと、質問内容を調査・研究して深めることができないからです。本会議中の質問を一般的で総論的なものにしないために、以前からそうしています。また、今期の私の質問の持ち時間は答弁も含めて40分間だけですから、あれもこれもでは、深く質問することなどできません。

・テーマの選定は、市民の声と状況や全国的な課題、そして今までの議会活動を通じて感じて主な問題からテーマを決めます。
テーマは、できる限り、議会ごとにいままでとは異なるテーマにしています。それは、少しでも行政のさまざまな課題にかかわり、より多くの見解もち甲府市政の改善にかかわりたいからです。
 私は、本会議での質問とは、当局から前向きな答弁を引き出すだけではなく、自分自身が様々な市政をテーマ別にしっかり調査・研究し、それを意見として報告するための重要な場でもあると考えています

 テーマごとに調査・研究する方法は、おおよそ次のようにしています

1)日常の市民からの声や状況に触れたものや新聞情報を整理しておきます。

2)いままでの議会の委員会などでの関連する質問と答弁を会議録で振り返ってみます。

3)関連する行政の専門書などを、テーマに合わせて、大急ぎで大筋を斜め読みをします。

4)インターネットで関連資料を拾い出してみます。

5)甲府市の関連する過去の統計や報告書などの資料から傾向を整理する。必要があれば、議会図書室に行って20年間ほどの資料を探し出します。

「防災対策費」の傾向は1995年度から2008年度までの13年間を調べました。「消費者対策費」と「消費生活相談件数」の傾向では、議会図書室で1985年度から2007年度までの22年間を調べて質問用掲示物(パネル)を作成しました。

6)甲府市当該行政当局にテーマに関連する現状と取組みの資料を求めます。

7)取材をします。関連する現場を、自分の目と足で点検・調査し関係者の声をきき写真なども取ります。

8)必要があれば議員の調査機能を使って、全国の類似都市75自治体に関連する質問票を送り、その回答を集計します。質問の2回に1回は全国類似都市調査をしますが、これ自体は大変な作業量となります。持ち集計内容は各種委員会で活用していきます。

※ほぼ、毎回この方法で質問のための調査・研究を不十分ながら行って、質問原稿と質問用掲示物の作成にかかります。そのためには、直接取りかかる期間は、普通は2ヶ月間、どんなに短くても大急ぎで1ヶ月間はかかります。

 質問原稿と質問用掲示物の作成の仕方

・調査を進めながら質問原稿を作成していきます。まず、自分のいいたい意見や質問を全て書き出し、質問原稿をいったん完成させます。

・それから、質問時間が短いので、いったん完成した質問原稿から、余分な言葉や質問もギリギリまで(泣き泣き)削除して、時間内に収まるようにします。

・この最初の質問原稿を当局の答弁書作りのために事前に渡します。これは甲府市でも本会議の質疑の慣例となっています。このことを議会の馴れ合いとするマスコミもありますが不正確だと思います。正確な答弁を求めるには必要なことです。また、ここから先があるからです。

・最初の質問原稿を作成してから、今度は当日の質問まで、時間の許す限り、当局の答弁を想定して、再質問と再々質問の原稿をいくつか準備しておきます。甲府市議会の場合は、再質問は当たり前で、再々質問もやれます。行政側でも、この再質問に対しての答弁もいくつか準備することとなります。

現在では、本会議でも「一問一答方式」が可能となったために、再質問も含めてのやり取りが特に重要となり、ここに時間がかかるのです。

・山田の場合、質問に合わせて、毎回、質問用掲示物(パネル)を3枚ほど作成します。これは質問の内容をグラフで整理したり、現場の写真で分かりやすく説明するためのものです。

・14年ほど前からはじめましたが、最初はダンボールに拡大コピーをはって出しました。今は応援してくれている専門業の友人といっしょに作成しています。資料を集めグラフなどの下書き原稿をつくってその友人にお願いします。友人にいったん画像を作成してもらってから、その作成現場に行ってパソコンの画面を見ながら、「この色はこれがいいか?」「この矢印をもっと大きくして」「説明を入れた方がいいかな?」などと話し合って作成します。この質問用掲示物が完成するのは、いつも当日の朝です。最も議長さんには、前もって掲示物の原図をメールで送っています。

当日の午前中は、質問原稿、再質問・再々質問用原稿、質問用掲示物をそろえて質問項目ごとの時間設定を行います。声を出して質問原稿を読みます。

質問用掲示物(パネル)での説明や想定した再質問も声を出して行います。これで質問項目ごとの細かい所要時間を計り、想定上の当局の答弁時間も含めて質問項目ごとに分単位での時間設定するのです。

●こうして本会議場の演壇にむかいます。私の場合、ギリギリの質問の時間設定をするために失敗することがあります。例えば、当局の答弁が通常以上に長々と時間がかかったり、市長が再答弁で積極的に意見をのべたり。また、これが主要な原因ですが、自分自身のノー原稿部分の再質問や要望、質問用掲示物の説明で、ついつい熱が入って時間がかかると、時間設定がダメになってしまいます。特に「一問一答方式」で再質問や質問用掲示物を使うとなると、ライブですから時間設定が難しくなります。予定している最初の質問までたどり着かないでしまったことが、いままでに2回ほどありました。これは、失敗でしょう。

 ●しかし、本会議の質問のために準備した原稿や調査・研究は、本会議以外の各種委員会に活用することができますからムダにはなりません。同じく当局の答弁も、そのあとの各種委員会で活用していきます。

  議会外の市民にどう質疑の内容を伝えるのか

●本会議の質問は、自治体議員と行政当局とのやり取りだけでは、限定されたやり取りに過ぎません。すこしでも多くの市民にこのことを知ってもらう必要があります。

自分自身もそれなりに努力して質問を作成し答弁を求めるのですから、自分の質問や当局の答弁を一人でも多くの市民に知ってもらう必要があります。そのために次のような取組みをしています。

本会議の質問テーマを決めたら、主な支持者の方に、毎回ハガキ通信で、質問の「日時とテーマ」を連絡し、テレビ中継の視聴か本会議場での傍聴を求めます。
 ありがたいことに、こちらのお願いにこたえて毎回20名弱の支持者の方が傍聴に来ていただいています。

毎回の質問と答弁を、質問用掲示物と一緒に自分のホームページに掲載します

主な、方々にはメールでこの質問と答弁内容を送信します

質問用掲示物は、市政報告会や会議・学習会で再活用していきます。

より傍聴を誰にとっても自由にするために、前の本会議場にはじめて車椅子用の傍聴席を作ってもらいました。また聴覚障害の方のために要約筆記者を初めて配置してもらいました。

 ●結局、私の場合の本会場での質問は、ほとんど消化不良となってしまいます。それでも、この時の質問ための準備と答弁内容も含めて、その後の各種委員会活動にもつなぐことが出来たり、そして、そのテーマでの見解と日常の取組みを強めることができることからも、本会議の質問は重要な議員活動だ感じています