■私の調査研究報告■
パンフ『学校給食の安全衛生』をつくりました
私は、30年ほど前に、腰痛問題で学校給食の状況を取材したことがありました。この取材から8ミリのフイルムで『学校給食の健康状況』を作成して、全国の十数か所ほどでこの8ミリを上映したことがありました。このときの取材で学校給食職場の厳しい実態にふれ随分驚きました。 そのきびしい実態は今も続いています。いや、30年ほど前より今の方がより過酷になっていると思われます。調理員さんの腕や手は、新人さんもベテランさんも切り傷やヤケドのあとがいっぱいです。古い傷跡に新しい傷やヤケドが絶え間なく重なっています。新人の調理員さんも、すぐに腰痛や頸肩腕障害、皮膚障害に苦しみます。そして何年かすると指曲がりの症状も出てきています。さらに施設改善の遅れから・・・熱中症の危険性も高まっています。 さらに、民営化や非正規職員化がすすみ、先行きの雇用不安がこの実態に拍車をかけています。蓄積された疲労やストレスからメンタルヘルス不全も多くなってきました。生理不正常から強い更年期症状にもなり、若い人も年配者も、正規職員も非正規職員も、調理員なら誰にとっても過酷ないのちと健康の状況に置かれています。 職場をなんとかしていくべきです。健康で安全な職場にしていくには、安全衛生の取組みが必要です。特に、給食職場は、安全衛生法令が守られていない状況がどこにでもあります。そこで、このパンフをつくったのです。内容は『学校給食事業における安全衛生管理要綱』を中心に、労働安全衛生関係法令の解説です。 まずこのパンフを『学校給食安全衛生研修会』(主催 全国労働安全衛生研究会自治体研究部会)で活用してみました。これは山梨県の石和で8月6日に県内外から51名の参加で開催されたものですが、この研修会の講師は私ですから、講演テキストとしたのです。パンフの内容はもちろん不十分ですが、参加者の調理員のみなさんからは「しらない安全衛生のことがいっぱいあり参考になりました」「分かりやすく解説されていて各職場において勉強したい」などの意見が寄せられました。うれしい意見です。しかし、その一方で正しい安全衛生上の基礎的な知識が学校給食職場にはほとんど広がっていないと感じました。このパンフを広げて、少しでも調理員さんの安全と健康を守り、子どもの給食を豊かで安心できるものにしたいものです。 目 次 はじめに ・・・・・1 学校給食事業における安全衛生管理要綱 学校給食の安全衛生管理要綱の解説と活用の方法 ・・・・2 第1 目的など ・・・・・・・・・・・4 第2 安全衛生管理体制の整備 ・・・・・・・・・・・6 第3 安全衛生関係施設の整備、健康管理 ・・・・・・・22 主な参考資料 ・・・・・・・61 |
購入をご希望される方はこちらまでご連絡ください。 800円 全国労働安全衛生研究会 自治体研究部会 甲府市北口3-7-13 電話055-254-4402 FAX055-254-4403 Eメール yamada@peace.email.ne.jp |