甲府市議会 12月定例議会 本会議 

甲府市の防災と被災者支援を

より具体的に強めよう

 

             2011年12月12日       山田厚 質問

 

 

○議長(清水 保君) 次に、社会民主党の一般質問を行います。

 山田 厚君。(山田 厚君 登壇)

 

1 原子力発電所の事故に対する防災対応について

脱原発・自然エネルギーに対し,浜岡原発に対する市長の政治姿勢について

原発事故に対する甲府市の具体的な防災体制は

●山田 厚君 いまだに進行中の福島第一原子力発電所の事故は、国内外に大きな衝撃を与えています。大気を、土壌を、海を、あらゆる自然環境とあらゆる命を破壊する原子力発電の放射能汚染の恐ろしさを教え続けています。絶対安全で最もクリーンなエネルギー、しかも低コストと宣伝されてきた原子力発電ですが、事実はそれと全く異なることが明らかになっています。

 原子力発電、それ自体を計画的に順次廃止し、自然エネルギーへの活用を進めていかなければなりません。とりわけ甲府市にとっては、予想される東海沖地震との関係からも極めて危険な原子力発電とされている岡原子力発電所の再稼動を認めず、永久停止、廃炉にするしかありません。また、原子力発電が停止していても、完全に核燃料が処理されるまでは、原子力発電災害に対する防災上の取り組みは不可欠です。

 地元静岡県では、静岡県議会が原発に対する防災を国に強く求める意見書を提出し、静岡県知事は、使用済核燃料が処理されるめどが立たない限り再稼動はすべきではないと実質的な永久停止の見解を明らかにしています。牧之原市の市議会では永久停止の決議を行い、菊川市議会でも、住民の理解が得られない限り永久停止としました。このほか、伊豆の国市、伊豆市、松崎市、東伊豆町、熱海市の市議会も永久停止、廃炉の決議を上げています。牧之原市長、湖西市長、焼津市長、藤枝市長、袋井市長、吉田町長は永久停止の見解を明らかにしています。

 また、この11月には、署名で100万筆を超える浜岡原子力発電所の永久停止を求める署名が国に提出されました。

 質問します。

脱原子力発電・自然エネルギーに対し、そして浜岡原子力発電所に対する甲府市長の政治姿勢について伺います。また、甲府市では、原子力発電事故と放射能汚染への防災対策を行うことを明らかにしていますが、どのように具体的対策を立てるのか、どのように放射能汚染に対する防災上の備蓄品を確保するのか、ここで伺います。

○議長(清水 保君) 市長 宮島雅展君。(市長 宮島雅展君 登壇)

○市長(宮島雅展君) 山田(厚)議員の御質問にお答えします。

 原子力発電及び自然エネルギーに対する政治姿勢についてです。

 浜岡原子力発電所は、国からの要請を受け、稼働を停止し、操業に向け安全対策を講じています。

 また、現在稼働しているほかの原子力発電所につきましても、来年5月までに点検のため、すべての原子炉の運転を停止することが予定されています。

 これまで原子力による発電は、電力エネルギーの多くを賄い、我が国の経済活動や人々の暮らしを根底から支えてきました。

 しかしながら、福島第一原子力発電所の事故により、原子力発電に対する安全性への不安が高まり、国内はもとより、原子力発電所を有する世界各国において、原子力発電のあり方や自然エネルギーへの移行など、エネルギー政策全般についての見直しが叫ばれています。

 原子力発電の是非につきましては、国民生活や経済活動への影響が極めて大きいことから、国においてその方向性を示す中で、説明責任を果たし、国民の理解を得る必要があると考えています。

 いずれにいたしましても、国及び静岡県の動向を冷静に注視する中で、適切な判断をしてまいりたいと考えています。

 なお、本市では、自然エネルギーの活用として、これまで太陽光発電等の普及拡大に向けたさまざまな取り組みを行っており、現在建設中の新庁舎や建て替え校舎などにも太陽光発電システムを導入するなど、自然エネルギーの利用促進に努めています。

 今後におきましても、本市の自然的条件に適した自然エネルギーのさらなる活用を推進してまいる所存でございます。

 御理解を賜りたいと存じます。

 以上です。

○議長(清水 保君) 篠原危機管理対策監。

○危機管理対策監(篠原淳一君) 原子力発電所事故の防災対応についてお答え申し上げます。

 山梨県の地域防災計画の見直しによる原子力災害対策は、防災会議の専門部会において、住民等への知識の普及啓発などの予防対策や、緊急時モニタリング活動等の応急対策の2項目を取りまとめ、現在、市町村や防災関係機関の意見を集約しているところであります。

 このようなことから、本市では、原子力災害に対する防護用備蓄品等の装備や避難方法などについても加えて検討していただくよう要望してまいります。

 なお、市町村の地域防災計画は、山梨県と整合性を図ることとしておりますので、山梨県の最終的な原子力災害対策に沿って定めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○議長(清水 保君) 山田 厚君。

●山田 厚君 今のお答えは、市長さんの御答弁も含めて、余りにも一般的過ぎて、自治体としてどうされていくのか。例えば今まで原子力発電は、国が安全と。だったら都道府県も安全、市町村も安全ということで、何も準備がなかったということですよね。そういう意味で、静岡県を中心に各自治体では独自の見解、議会も独自の決議を上げたりしている。このところをぜひ見習って、自治体としての判断を具体的にしていただきたいと、そのように思います。

 甲府市は核兵器廃絶平和都市宣言をしているまちです。その内容においては、平和のうちの生存する権利を根本から脅かしている核軍備と。実際のところ、核による放射能の汚染は同じ作用を私たち市民にもたらしているんじゃないか。生存を脅かすこと、これに対して自治体としての独自の見解をぜひ今後ともお願いしたいところであります。

 それから防災備品の関係です。甲府市としてどういうものを準備するのか、具体的に検討をしていただきたいと思います。先ほども言いましたが、松本市では独自に備品類を準備しています。安定ヨウ素剤を子供のために備蓄する、防護の指針を定める、これは9月の段階で言っているわけですね。ぜひそういう体制を強めていただきたいと思います。

 

2 放射能汚染に対する安全・安心の対策について

放射能汚染の甲府市の測定と除染の基準値の設定を

●続きまして、次の質問です。

 現在の放射能汚染に対する取り組みも忘れてはなりません。甲府市では、放射能汚染の独自測定を行い、安全性を確保する必要がある場合には適切な対応を行うとしています。この場合、特に重視していただきたいのは、局地的に放射能汚染の数値が高い地点・地域に対する安全上の対策です。つまりホットスポット対策です。甲府市にも限定された箇所にこの小さなホットスポットがあると思われます。

 私自身も何回か友人とともにさまざまな箇所で測定を行っていますが、大きな数値ではないものの、屋根の下や雨どいの下の地面、雨どいで詰まっている箇所、側溝にたまっている枯れ葉や汚泥の箇所、子供の砂場、滑り台の下などが通常より高い数値となっていました。まず、健康上のリスクが高い子供さんがいる場所で、ホットスポットがあるかないかを調査し、必要があれば除染を行うべきです。それには除染基準を甲府市でも設定すべきであり、除染方法のための安全マニュアルもつくるべきです。

  質問いたします。

今後、甲府市はどのように放射能汚染の測定をしていきますか。私は甲府市の場合、通常よりかなり高い汚染地点であるホットスポットを調査、摘出すべきだと思います。この場合、甲府市としての除染基準を設定し、基準を超える汚染箇所がある場合には、小さなものでも安全マニュアルに基づいて除染を行うべきです。まず、よりリスクの高い子供さんのいる場所である幼児教育センター、保育所、幼稚園、学校、チビッコ広場などを重点的に調査すべきです。また、除染基準値も、子供さんのいる場所ではより安全性の高いものにしていくべきでしょう。いかがお考えでしょうか。お伺いします。

○議長(清水 保君) 土屋環境部長。

○環境部長(土屋敏雄君) 放射線量の測定と除染基準等についてお答えいたします。

 11月に市独自で実施した放射線量の測定は、保育所や小中学校、公園など、子供たちが集まる施設を中心に、測定場所を20カ所選定して、子供たちの安全性を十分に考慮し、砂場での測定も取り入れる中で実施したところであります。

 その測定結果については、これまでの山梨県の測定値とほぼ同様の結果となっております。

 このため、当分の間は20カ所での調査を定期的に行っていくことといたしますが、山梨県のモニタリングポストや甲府市の測定結果に異常値が確認された場合には、調査箇所を拡大していく予定であります。

 また、今回の測定箇所以外の公共的な施設や園舎、校舎の雨どいの下、滑り台の下など、いわゆるホットスポットと言われている箇所の測定については、甲府市民からの要望を踏まえ、施設の管理者等と協議し、随時対応していく考えであります。

 次に、除染基準でありますが、国では除染の対象となる区域を来年1月に施行する平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法に関する環境省令で、毎時0.23マイクロシーベルト以上の区域とすることを予定しております。

 また、昨日、環境省が、除染に携わる自治体や市民向けに効果的な除染の手順や除染で出た土の保管方法などをまとめたガイドラインを作成したとの報道がありました。

 一方、自治体の中には、独自に除染の対象となる放射線量の基準や除染に準じた安全措置を講ずる基準などを既に設けているところもあります。

 本市の放射線量は、11月の測定では毎時0.079マイクロシーベルトが最大であり、国の除染対象をかなり下回っておりますが、今後、甲府市内の放射線量が増加した場合に備えて、環境省のガイドラインや他の自治体の対応状況を参考にして、除染などに関する安全対策マニュアルを策定していく予定であります。

 以上であります。

○議長(清水 保君) 山田 厚君。

●山田 厚君 独自に測定されるということは、私どものお願いで実現させていただいた、調査もしていただくということはありがたいんですが、もうちょっと内容を具体的に詰めないといけない時期じゃないかなと思うんです。幾つかの自治体では独自の基準値とおっしゃいましたが、関東段階でも多くの自治体がほとんど独自の基準を持っています。0.23マイクロシーベルトじゃなくて、0.19マイクロシーベルト、結構ありますよね。高さも何センチにするかも独自の判断を持っている。国の段階では随分混乱していますから、一番安全性の高いものということで、甲府市としての、自治体としての基準値を本当に明らかにしていただきたいと思うところです。これは強く、重ねて要望したいと思います。

 また、要望ですが、絶対安心とは言えないということを想定して、猛毒のもの、ストロンチウムとかそういうものがあるらしいですね。そういうものがあったら大変ですから、ぜひベクレルモニターと言われるものですか、そういったもので土壌汚染などを確定する必要もあると。素人向きに考えても、甲府市は学校の砂場、保育所の砂場、チビッコ広場の砂場、定期的に砂を取りかえてもらっています。新しく入れかえている。こういうものも安全な砂を持ってきて早目に入れかえる、こういった作業ぐらいは前倒しでぜひやっていただきたいと思います。これも強く要望していきます。

 

3 災害対応が可能な契約内容の改善について

 

甲府市の指定管理者などの業務委託先との契約は災害対応を

基本的・具体的に可能な内容に

●続きまして、業務委託の契約についてです。

 甲府市では、既に多くの公的業務を指定管理者などに業務委託しています。もし直営の公的業務とそこの正規職員のみが災害時に対応するだけなら、甲府市の防災力は落ちるばかりとなるでしょう。

 例えば直営の公的業務が100%だったものを外部に業務委託するなら、直接の業務は90%、80%、70%と減っていきます。それがコスト削減になるからいいことだとされてきました。しかし、その業務委託先との防災に関するしっかりした、基本的にして具体的な契約内容がなければどうなるかです。業務委託先から、「甲府市民の救済は契約にありません」「そもそも具体的に何も指示されていません」となってしまいます。

 そうなると、甲府市の持つ防災上の力は、本来100%だったものも、9%、80%、70%と落ちていくではありませんか。これでは防災上において、安かろう、危なかろうとなってしまいます。

 私は、甲府市で結ばれた契約書である幾つもの協定書、仕様書の内容を調べましたが、そのほとんどが災害についてはその他の項目風の扱いで、重要な基本的契約でもないし、たとえやればできるにしても具体的内容にはなっていません。つまり、直ちに市民への災害と救助に対応することができないのです。また、担当部ごとにばらばらの傾向もあります。これらを整理して防災への協力体制を確立していく必要があります。

 質問します。

防災は甲府市のすべての部署から整備されるべきです。災害時に当たっては、甲府市の持つすべての力を迅速に、最も大切な市民の救済と復興に充てなければなません。そのためには、甲府市の多くの公的事業を担っている委託業者や指定管理者との災害時のしっかりした対応と連携を図るべきです。

 企画部危機管理対策室では、甲府市の公的事業の委託先との協定書、契約書、仕様書の内容を総点検し、災害時の対応を基本的にして具体性・即応性ある内容に改定していく方向を示すべきです。いかがお考えでしょうか。

○議長(清水 保君) 篠原危機管理対策監。

○危機管理対策監(篠原淳一君) 指定管理者制度導入施設等における災害時の対応についてお答え申し上げます。

 現在、甲府市の多くの施設において指定管理者制度を導入するとともに、多種多様な施設管理等の業務を委託し、市民サービスの向上と効率化を図っており、特に各部で締結している指定管理者との協定書等において、施設を利用する市民の安全を確保することとしております。

 しかしながら、公共施設には避難所として指定されている施設があり、また、それ以外の公共施設も災害時に一時避難所となることが十分考えられることから、その対応も必要であると考えます。

 今後は、指定管理者等との災害時における協力体制の強化に向け、他都市の状況を調査研究する中で、本市の協定書等の内容について検討を行ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○議長(清水 保君) 山田 厚君。

●山田 厚君 (パネルを掲示)これを見ていただきたいと思うんです。このたび、甲府市にあるほとんどの重立った契約書類を私は調べてみました。契約書の内容を改定する必要があるなと思います。



 先ほども言いましたように、「やれば行える、災害があったらやればできる」というのは、例えばここの「その他の項目風」の扱いです。条例でいうと、「その他市長の定める業務」というところで「災害の対応をしてもらえるんじゃない」か。

こっちのほうもそうですよね。福祉センター、「その他事業を実施する上で必要と認められること」というところで災害を対応できると。ここもそうです。それからもう一つは、その瞬間だけのやつもありますよね。スポーツ公園指定管理者、ほかには書いてないでここだけですよね。「災害時、事故発生時は的確に誘導すること」、この瞬間だけですよ。これだって大切なことですけれども、これだけでいいんでしょうかね。

あとはもう1つ、先方任せという形ですね。「緊急時対策、防犯対策、防災対策、マニュアルを作成するなど、十分な対応をすること」、こういうことだけです。ほとんど災害対応なしというのもありますよね。小学校給食の委託事業です。「学校行事や台風、大雪、地震などの天災地変、必要と認めるときは、給食を実施しないことができる」という契約内容です。これでいいんでしょうかね。本来、炊き出しをしなきゃいけないところが給食施設ですよ、学校施設ですよ。これでいいんでしょうか。その辺をもうちょっと考えなきゃいけないと。

 さらには、福祉センター、山宮町の福祉センターとか、貢川地区の福祉センターは避難所に指定されています。こういう対応でいいんでしょうかね。契約は、ぜひ基本的にして具体的にする内容を災害時にしっかり持っていただきたいと思います。どうでしょうか。避難所については普通の契約だけじゃだめだと思いますが、いかがですか。再質問です

○議長(清水 保君) 市長 宮島雅展君。(市長 宮島雅展君 登壇)

○市長(宮島雅展君) 山田(厚)議員の再質問にお答えします。

 確かにおっしゃるとおりでありますので、迅速に具体的に見直しを進めることをお約束します。

 以上です。

○議長(清水 保君) 山田 厚君。

●山田 厚君 ありがとうございました。迅速に具体的に見直しをぜひ進めていただきたいと思います。

 何もこれは甲府市だけではありません。今回の3月の東日本大震災によって、多くの自治体で今、協定書、契約書を見直そうという動きが始まっています。函館市、盛岡市、上越市、長野市、茅ヶ崎市、春日部市、上尾市、高知市、那覇市などなどが、今これからそういう協定に結び直そうとしています。これは当然のことです。ぜひ早急にこの問題を検討していただいて、具体化していただきたいと思います。

 

4 防災機能める避難所整備機能充実について

 

●続いて質問します。

 地域防災の拠点である避難所の整備と防災機能の充実が求められています。

 確かに、実態調査を見ても、甲府市はこの間の取り組みによって、学校施設の主な防災機能は全国の水準より上回っています。この努力に感謝するものです。しかしながら、東海地震の指定地域である甲府市は、さらに取り組むべき多くの課題があります。

 まず、必要な防災備蓄品の整備です。各避難所には医薬品、救急用具、包帯材料の備蓄がなされていません。今後、計画的に備蓄されることが必要です。

 各避難所には自家発電装置が置かれていますが、発電力が2,000ワットまたは3,600ワット相当です。今、一般家庭でも4,000ワットから6,000ワットですから、より大きな発電力にしていくべきでしょう。

 各避難所の暖房は重要です。暖房がないと避難所で体調を崩す被災者が多くなります。また、停電時も活用できる暖房器具、ストーブが大切ですが、甲府市の各避難所には今のところ配備されていません。

 各避難所の耐震性は確立されていても、施設内の備品類の転倒や落下防止はどうか、運動場の夜間照明塔の耐震性はどうか、点検すべきことがたくさんあります。

 また、各避難所の運営委員会は、甲府市の地域連絡員、学校などの施設管理者と地域住民で構成される必要がありますが、甲府市内の避難所のうち7カ所にはこの運営委員会がまだありません。

 各避難所の災害時の利用計画、運用マニュアルについては、まだ一部の避難所しか作成されていないようです。

 毎年の地区防災訓練には、学校施設とさまざまな物品とその保管場所を知っている学校関係者がしっかり組み込まれていません。

 自立して避難できない災害弱者である要援護者、この方々のためのスペースである福祉避難室の場所が具体的に決められていない状況が多く、また、要援護者に対する避難訓練も、ほとんどの地区ではこれからです。

 避難所は、被災者への給食の炊き出しを前提にしています。したがって、給食施設がある避難所が基本です。このことは地域防災計画にも災害救助条例にも明らかにされています。

 しかし、この炊き出しのための施設である給食施設を活用し、ここの専門家である調理員さんに対応していただくための災害時の計画や運用マニュアルがつくられていません。もちろん、そのための防災訓練もされていない状況です。

 

 質問します。

避難所に必要な備蓄を確保するためにどう計画を立てていかれますか。各避難所の安全性と運営体制、利用計画、運用マニュアルの設定について、どう整備されていきますか。給食施設や炊き出し用用具をいかに活用されていきますか。調理員さんの力をいかに組織されていきますか。

 なお、この場は本会議場ですので、個々にではなく、今後おける主な方向性をお示しください。

○議長(清水 保君) 篠原危機管理対策監。

○危機管理対策監(篠原淳一君) 防災に対する数点の質問にお答え申し上げます。

 まず、防災資機材等の備蓄計画についてであります。

 本市では、全避難所の防災倉庫に非常用食料や防災資機材を配備しております。

 現在、必要な防災資機材等につきましては、山梨県東海地震被害想定調査に基づき、計画的に備蓄しております。

 今後、東日本大震災の実情を検証する中で、東海地震を超える災害を想定し、地域防災計画の見直しを図り、非常用食料や防災資機材の備蓄数量や品目など、被害時を想定したきめ細かな備蓄計画を立て、災害時の対応に万全を期してまいりたいと考えております。

 次に、避難所の安全確保と運用についてであります。

 避難所として使用する甲府市立学校の安全対策につきましては、備品類の転倒や落下の防止策を施し、点検マニュアルをもとに、施設管理者が日常点検を行う中で安全の確保に努めております。

 そのほかの施設につきましては、施設管理者に改めて安全対策の確認と日常点検をお願いしてまいりたいと考えております。

 避難所の運営につきましては、円滑な運営を図るため、避難所運営マニュアル作成手引を配付し、避難所運営委員会の構築及び避難所運営マニュアルの整備に努めてまいりました。

 その結果、58カ所の避難所のうち、51カ所において地域住民、地域連絡員及び施設管理者による避難所運営委員会が設立しておりますが、運営マニュアルまで整備されている避難所はまだまだ少ない状況にあります。

 今後につきましては、自治会連合会や防災リーダー研修会等を通じて、その必要性を周知する中で、避難所運営委員会の設立及び運営マニュアルの整備を促してまいります。

 次に、給食施設等の活用についてであります。

 地域防災計画では、甲府市立小学校の給食室を災害時の炊き出し施設として必要に応じて利用できるものと定めております。

 また、同計画では、学校給食調理員は、給食室の被害状況等の把握に努め、調理器具などが使用可能な場合は、給食室を利用し、備蓄食料やその他の食材により炊き出しを行うことと定めております。

 災害時には、給食室等の施設及びマンパワーを最大限に生かし、避難所運営に万全を期してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○議長(清水 保君) 山田 厚君。

●山田 厚君 ここは要望だけにします。給食施設と、そこの専門家である調理員さんの力を振るってもらうというのは本当に当然なことだし、もっともっと進めるべきだと思います。そこで、ぜひ今後の問題として考えてもらいたいのは、学校給食の民営化の委託契約がありますよね。その委託契約の内容はしっかりするということと同時に、この中身でいうと、姉妹校方式というのが来年の千代田小学校から始まりますよね。千代田小学校では、つまり、学校給食施設がないわけですよ。これをどういうふうにしていくのかということにもなるわけです。つまり、避難所としての防災の持っている力が後退するんですよね。そのことは同じく、相生小学校や穴切小学校や富士川小学校や上九一色の小学校で小学校が統合されました。ここでの避難所としての機能というのは、従前より落ちるんですよね。地域の方々の気合いも含めて、給食施設もそうだろうし、いろいろなさまざまな使い方。ここでのフォローをちゃんとすべきだと私は思いますし、ぜひその点を強調してやっていただきたいなと思います。

 

5 分かりやすいハザードマップの作成について

 

各種災害をできるだけまとめた分かりやすいハザードマップへの改善を

●続きまして、ハザードマップについてです。

 ハザードマップとは、御存じのように、地震や大雨によって災害が生じる可能性がある危険箇所を地図上に示し、市民が危険箇所や避難施設を知り、自宅での対応や円滑な避難を行うためのものです。甲府市では、地震、洪水、土砂災害の各ハザードマップを作成し、甲府市のホームページにも掲載しています。

 この甲府市のハザードマップをより改善する必要があると思うのです。(パネル掲示)



 まず、地震ハザードマップですが、地図の縮尺が小さ過ぎて、市民が探したい自宅周辺などがよくわかりません

 今言いました甲府市のホームページにも載ったり、リーフレットにも何回か登場しているハザードマップです。この地震ハザードマップを見ると、縮尺が小さ過ぎて、こんなに近くてもわからない。この境界線のところの自分のうちがどこなのか、我が家がどこなのか、自分たちの子供のいるところがどこなのかわからないんです。そして、この洪水ハザードマップと土砂災害の警戒区域のハザードマップ、同じく用語として土石流とか急傾斜地という言葉がありますが、指摘されている場所がこっちの図面とこっちの図面じゃわからないですね。これはいずれも愛宕山のところを中心にして拾ってきたものですが、これも聞くところによると法的な理由があるらしいんですけれども、甲府市民が見たときに一体この辺はどうなっているのかわからない。

 しかも、よく見ると、土砂災害ハザードマップの一番端っこの地図は去年つくったと。洪水ハザードマップの地図は四、五年前につくったと。地震ハザードマップは4年前だと言われるんですけれども、この地震ハザードマップと洪水ハザードマップでは、随分古い地図をベースに使っているんです。よく見えなかったんですけれども、こっちだったらわかった。県立第一商業高校が写っているんです。つまり、14年前の地図をベースにしているんですね。しかも、この愛宕山の東側斜面では、ニュータウンで造成地がある。これは両方ともない。つまり、この地図は 14年、15年前じゃなくて、ほぼ20年前の地図をベースにしているということになってしまうんです。これはいかがなものかなと私は思うところです。

 質問します。

各ハザードマップはできる限り地図の縮尺を大きくし、また縮尺を統一して、自分のうちはここだなと探しやすく、わかりやすいものにすべきです。急傾斜地や土石流などの危険区域や特別警戒区域などは、なるべくまとめてわかりやすく示すべきです。また、ハザードマップは、防災上の情報をできる限り豊富なものにし、そして、新しいものにすべきです。色使いや明暗も、色覚少数者にも配慮したものとすべきでしょう。これらの改善が必要と思われますが、いかがお考えでしょうか。

○議長(清水 保君) 篠原危機管理対策監。

○危機管理対策監(篠原淳一君) わかりやすいバザードマップの作成についてお答え申し上げます。

 本市では、地震、風水害等の大規模災害に備えて、平常時より地域住民みずからが地域の危険な箇所を認識していただくよう、各種防災ハザードマップを作成しております。

 これらの作成におきましては、国の制度や法令により、その都度、国や山梨県のデータをもとに目的別に作成したことから、防災情報等の記載や地図の大きさが統一されていないところもございます。

 今後は、ホームページに掲載しております既存のハザードマップに操作説明等を載せるなど、使いやすさに努めるとともに、各ハザードマップの見直しの際には、縮尺の統一や多くの情報を記載し、色使いにも配慮した見やすいものにしていきたいと考えております。

 以上でございます。

○議長(清水 保君) 山田 厚君。

●山田 厚君 今の御答弁で、もう一つ強調してもらいたいのは、新しい地図をと、その辺はどうですか。

○議長(清水 保君) 篠原危機管理対策監。

○危機管理対策監(篠原淳一君) 今後、見直す場合につきましては、すべてに共通な地図情報ということを用いまして、各危険地域のエリアを載せるというふうなことも考えておりますので、御理解をお願いいたします。

○議長(清水 保君) 市長 宮島雅展君。

(市長 宮島雅展君 登壇)

○市長(宮島雅展君) 新しくてよく見える地図を採用するようにしますよ。聞いていると、つくった人の何か疑いたいよね、聞いていてね。

 以上です。

○議長(清水 保君) 山田 厚君。

●山田 厚君 確かにそうですよね。四、五年前の地図が何で15年も前のとか10年前の地図でつくるのかという。そこも何かどうかなと。専門家の人に聞いたら、意外とベースの地図は、新しいものにつくりかえるのはそんなに難しくないと言うんですよね。一番端っこのこの地図が一番新しい地図ですよね。これでももう宝石学校は載っているんですよね、わずか1年ぐらいでも。だったら、災害情報というのは新しいのがいいのに決まっているわけだから、よろしくお願いしますね。ぜひその辺のところはしっかり、市長のお言葉も聞いたので、やっていただけると。きょうにでもあすにでも努力していただきたいと思います。

 

6 被災者への生活支援の充実について

災害救助条例などの具体的な活用や税や保険料などの市民負担における

被災者支援制度の整備の徹底を

●続きまして、最後に、被災者支援制度について伺います。

 大規模災害の支援にしっかり即応するためにも、通常の小規模災害の被災者の支援を丁寧に行うべきです。このことによって、行政側も市民の側も大規模災害に対する被災者支援の備えがよりできることになります。

 災害救助以外にも市税や保険料、そして使用料の負担についての被災者支援制度があり、それはホームページに掲載されています。しかし、その多くが被災者みずからが申請をしないと支援を受けられないためにか、なかなか利用されていないと思われます。

 今回、私は、甲府市の災害の被災件数と各種の被災者支援制度の数年間の実績を調べましたが、いずれも被災件数に比べて支援制度の実績が少ないのではないかと感じています。つまり、被災者に支援されるべき支援がされていない、支援の手が差し伸べられていないのではないかとの危惧を感じています。

 被災者支援制度の中の、幾つかあるわけですけれども、とりわけ特徴的だと思ったのは、被災者に対する資金の貸付制度です。(パネルを掲示)



 これは5年間の災害件数、個々人にとっては随分大きいですね。例えば半焼、全焼、床上浸水。これが5年間で78件ですが、この4つの貸付制度、それぞれ件数を下に入れておきました。災害復旧対策資金、5年間でわずか3件です。でも、これはまだ機能しているからいいんですね。でも、甲府市の災害援護資金のほうはゼロ件、これは山梨県が主体ですけれども、山梨県社会福祉協議会でやっている生活福祉資金の災害援護資金ゼロ件、生活福祉資金の同じく緊急小口資金ゼロ件ですよ。甲府市の災害援護資金は国の制度ということで始まっていますけれども、ほとんどこれは機能していないわけです。

 担当者の知る限りでは、この数年間だけじゃなくて、その前もずっと多分ないんじゃないかなというお話なわけですね。これではどうなのかなと思います。

 

 質問します。

被災者支援制度をどう甲府市民に周知し具体的活用を図っていきますか。実績が昨年度までなかった山梨県社会福祉協議会の被災者への生活福祉資金の貸付事業や、全く機能が見えない国指導の災害援護資金の貸付事業のまず実態を把握すべきです。そして、甲府市は何よりも被災者の立場に立って、山梨県社会福祉協議会の貸付条件の改善を甲府市の社会福祉協議会を通じて要請をしたり、国に災害援護資金の改善を要請する必要もあると思われます。いかがお考えでしょうか。

○議長(清水 保君) 篠原危機管理対策監。

○危機管理対策監(篠原淳一君) 被災者の生活支援制度の市民への周知についてお答え申し上げます。

 本市では、災害時の被災者支援制度を一覧表にまとめ、甲府市ホームページに掲載するなど、その周知に努めているところであります。

 今後も、被災家屋等の被害状況の調査時等に、被災者支援制度の申請手続についての説明を行うなど、被災者の立場に立ったよりきめ細やかな対応を図ってまいります。

 以上でございます。

○議長(清水 保君) 長田福祉部長。

○福祉部長(長田一弘君) 被災者に対する貸付事業についてお答え申し上げます。

 災害援護資金の貸付事業につきましては、災害弔慰金の支給等に関する法律に基づき、災害救助法等で定められた災害に対して、本市条例の定めるところにより被災者の生活再建を支援する制度であります。

 また、山梨県社会福祉協議会が実施する被災者への貸付事業につきましては、災害救助法が適用されない災害などによる被災者に対しても幅広く支援する制度であります。

 本市といたしましては、今後とも、こうした制度が、災害発生の際に他の関連する支援策も含め、被災者の生活の安定に資することができますよう、相談支援体制の整備を図りながら万全を期してまいります。

 以上でございます。

○議長(清水 保君) 山田 厚君。

●山田 厚君 78件も個々の家庭にとったら小さくないと思われる災害が5年間であるにもかかわらず、ゼロ、ゼロ、ゼロという件数というものは、そもそも周知がされていないか、されていたとしても、その制度上に随分ハードルが高くて使いづらいと、そういうのがあるんじゃないでしょうか。生活福祉資金のほうもほとんど使われていなかったと。

それから問題なのは、特に弔慰金の制度にある国の災害援護資金ですけれども、これが何と被災者に年金利3%、違約金は年10.75%という、どこでこんな金額が出ているのかなみたいな、これが国の法律からこういうふうに来ていると思いますが、社会的復興を言うんだったらこういうことも変えてほしいと。市の要望としてもこのことはぜひ言っていただきたいなと思います。これは私の要望です。

 それから、先ほど周知の方法としてホームページを挙げられました。でも、ホームページというのは、高齢社会の中で本当にホームページを自由自在に見られる方がどれだけいるのか、パソコンをお持ちの方がどれだけいるのか、こういうことも含めれば、紙、リーフにしてちゃんと届けやすい体制にしていかないと、ホームページだけではいかがなものかなと思います。

 ただし、ホームページも緊急時とか、即応体制でいえばホームページはいいと思います。しかしながら、そのホームページですが、この被災者支援制度、私は今回質問に当たって点検してみたら、この中に軽自動車税の支援制度が入っていませんでした。それから、今話をしておきました災害弔慰金の支給と災害援護資金の制度もこの中に入っていなかったですね。こういう見落としはよくないんじゃないかと思います。しっかり即応しなきゃいけないと思うし、直ちに即応すべきだと思いますが、最後にこのことだけ再質問させていただきます。

○議長(清水 保君) 篠原危機管理対策監。

○危機管理対策監(篠原淳一君) 改めて今御指摘の点につきまして再確認をする中で、是正をしていきたいと思います。

 以上でございます。

○議長(清水 保君) 山田 厚君。

●山田 厚君 せめてホームページぐらいはすぐ変えていただくと。軽自動車税はたしか6月に始まって、8月に公にされている減額支援制度ですが、それが12月の今になっても変わっていなかったと。先般、ようやっと変えていただいたんですけれども、これらのこともしっかり即応していただきたいと。弔慰金制度、災害援護資金がゼロ件、ゼロ件とあるけれども、肝心の甲府市のおひざ元にもこの制度が紹介されていなかったというのはどうなんでしょうかね。

 私たちは市民の生活、安全・安心を守るためにも、お互いに情報を発信し合い、頑張り合っていきたいと思います。

 以上、質問を終わります。