はなおくらレポート

北野町の教会・寺院

2004年(平成16年)5月25日(水)天候 曇りのち雨
アクセス: JR三ノ宮駅・阪急三宮駅・阪神三宮駅より徒歩15分
新幹線・神戸市営地下鉄新神戸駅より徒歩5分


 異国情緒あふれる神戸に永年住んでいても、あまり意識することのなかった異国の神様にお近づきになれればと、あらためて訪ねてみた。
 午前10時に三ノ宮駅前を出発し、最初の目的地 中山手カトリック教会に向った。平日だったので北野界隈もひと気が少なく静かなたたずまいで、落ち着いて散策することができた。
 ちょっと道に迷いながらおよそ15分で到着したが、建物は9年前の震災の痛手が大きく、現在建て替え工事の真最中だった。通用門を入ってすぐ左に、地震の時にとれた首をセメントでくっつけただけのマリア様の像が僅かに残っていた。
 新しい礼拝堂は11月ごろに完成する予定。
 つぎに北野坂を上り、バプテスト教会に着いた。ここは、付属の幼稚園もあり、私たちにも馴染み深い感じがした。その後、すぐ近くにある神戸ハリストス正教会(一般には東方正教会と言われる)をめざして歩いた。少し下った細い路地を入って行くと民家の間に見逃してしまいそうに、ひっそりとした、たたずまいで、しかし見上げると大きな葱坊主のような屋根の、りっぱな建物。
バプテスト教会
神戸ハリストス正教会
 先程の道(異人館通)に戻って西へ、再び北野坂を上っていくとシティループの通るバス道に出る。この辺り先程の道(異人館通)に戻って西へ、再び北野坂を上っていくとシティループの通るバス道に出る。
この辺りは真珠を扱う貿易商などが多く、真珠通(パールロード)と呼ばれているようだ。これをもう少し西へ行ったところで、インドの民族衣装サリーを着たご婦人が出て来られた。そこはジャイナ教寺院だった。
 ジャイナ教徒はインドの人口の中では多くはないが、商才にたけたジャイナ商人は昔から有名で、国際的に活躍してこられた。寺院の中での撮影はできないし説明も受けられないが、見学はさせていただけた。真っ赤な絨毯の敷き詰められた礼拝堂にはお香が焚き染められ、教祖マハーヴィーラが鎮座されていた。その前で裸足の信者さん達が敬虔なお祈りを捧げ、マスクをかけ、黒塗りの御盆に指を使ってお米(?)で絵を描いておられたように見えた。
ジャイナ教寺院
 そこから少し西に行くと、5番目の目的地、関西ユダヤ教会があった。予想していたとおり地味な感じで人の気配もなく、大きな建物がなんとなく近寄りがたい感じを受けたが、ユダヤの星という象徴的なマークがとても印象的。

 このときは時刻12時ちょっと前だった。最後の訪問予定は回教寺院(神戸ムスリムモスク)だが、お昼のお祈りが12時30分からはじまるということで、その時間を避けて見学は午後2時ごろに予約させていただいた。

関西ユダヤ教会
 ゆっくり昼食をとり休憩して、回教寺院をめざした。最初に行ったカトリック教会の西の方にあり回教寺院といえば非常に有名で、電車からも見ることができる大きな寺院だ。この寺院は日本で最初にできたイスラム教のお寺だそうだ。
 中に入ると、修行者と思われる方が、にこやかに出迎えてくださった。2階で見学するように促された。ここも美しい絨毯が敷き詰められていた。お祈りの時は、顔と手以外はすべて布で覆い隠すようにとか、ズボン着用でお祈りを捧げてもその祈りは無効になる等と非常に興味深い張り紙があった。もちろんお祈り用の衣服は自由に借りられるようになっていた。
 2階は西側半分が吹き抜けになっていて、全員がメッカの方(日本からは西)に向って1日5回お祈りするそうだ。朝、学校や勤めに出掛ける前や、帰宅途中にもお祈りできるような時間割りになっているようだ。
 2階から1階を見ると広いスペースになっていて、中央に祭壇と思しきコーナーがあったが、偶像崇拝が禁じられている為、当然のごとくなにも祭られていなかった。ここのモスクの主の使うカーペットが1枚敷かれてあった。男性は1階、女性は2階でお祈りするそうだ。1日5回礼拝すること、断食のこと、イスラム暦のこと等いろいろな質問に片言で丁寧に答えてくださった。
お祈りの時間
回教寺院
お祈りの服装
  今世界各地で、争われているニュースを見聞きして不安も感じていた。  わずか5つだが、各国の宗教寺院をまわって、宗教人種は異なっても、それぞれ個人では熱心に平和のためにお祈りされている姿を目にし、心に響くものを感じた一日だった。

 
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