はなおくらレポート

          

伊丹

日時  : 

2005年6月1日(水)晴れ

目的地: 荒牧バラ園 昆虫館 昆陽池(こやいけ)
目的  : 満開のバラとチョウをみる
アクセス : 阪急伊丹駅より市バス荒牧バラ園前下車(約20分)

 いつの時代にも多くの人々に愛されているバラの公園と聞いて神戸からは少し遠いけれど出かけてみた。
 塚口駅で伊丹方面行きに乗り換え伊丹まで。そこからは伊丹市営バスでおよそ20分。
 どこからともなくかぐわしい香りが漂ってきてウットリ。入り口をくぐると、一面にバラが咲いている英国風の庭園が目に飛び込んできた。
 最盛期は過ぎていたようだが、色とりどりの約200種1万本のバラがアーチや1本仕立て、垣根ふうなど園内中央の芝生広場を囲むようにして栽培されていた。それぞれに名札が付けられて、ひとかたまりずつ咲いている。
 幼稚園児、家族づれ、デイサービスのお年寄りたち、平日ゆえにそれぞれゆったり楽しんでいるように見受けられた。
 園を出たところのお土産コーナーではバラに関わるお洒落な手芸品や花の咲いているバラの苗が販売されていた。
 お気に入りの1本を求めたいところだが、次の見学があるので残念ながら諦める。いつしかお昼時も過ぎたので、バスの通る広い道まで歩いてファミリーレストランに落ち着いたのが1時。簡単なお弁当を持参すれば園内の木陰でゆっくりできたのに残念。この辺りはバラ園を中心に街中にバラの花が溢れていた。
 食事の後、昆陽池(こやいけ)に向かう。バスの時間には少し間があったのでタクシー(820円)を利用した。
 昆虫館に入ると、突然 大きなハエの模型が現れて驚かされた。展示室には国内外の 蝶・くわがた・かぶと虫、 そして人面カメムシなど珍しい標本が満載。ちょうどほたるのスライド上映の案内があった。淡い光を放ちながら子孫を残すため10数日間の短い命を精一杯生きるほたるの話と映像に胸をうたれた。
次に、チョウ温室に入る。中は素晴らしい温室になっていた。
 熱帯・亜熱帯地域からやって来た約200 種 4,500 株の木や花が咲き誇り、亜熱帯地域を故郷とする約10 種 1,000 匹のチョウたちが美しい羽を私たちに見せてくれるように優雅に舞い乱れていた。
 こんなに多くのチョウを見たのは初めて。びっくりする位大きいのや、小さいの、カラフルなのや意外に地味なチョウが手の届く所に飛んでいる。その頼りなげな羽ばたきとはうらはらに、カメラを向けただけでサッと逃げてしまう素早さ、あざやかな南国の植物に紛れてしまう巧みさには目を奪われる。
 蜜台で一心に蜜を吸っているのはシャッターチャンスであるが、多くは羽を閉じているので美しい羽を観察するのは難しい。ジッとカメラを構えていると手に止まってきたのには、びっくりしたが嬉しい出来事だった。
 出口近くの木でちょうどオオゴマダラが産卵をしていた。尾の先端部から、つややかで半透明な薄黄緑の卵が1つずつツルッと出てきては葉っぱの表面に産み付けられていた。命がこんなに無防備にされて良いものかと心配になった。 
 ここは温室としても立派だしチョウも見られて2倍のお得感があった。ここでも、およそ1時間。
 3時を過ぎ、昆陽池散策に向かう。池の周りの道は格好のランニングコースになっていた。本来、この池は冬に渡り鳥が羽を休める池なのだが、今は僅かに白鳥や鴨、カワウがいるのみであった。鯉や亀がたくさんいたが、ここの水は伊丹市民の大切な飲み水となっているのだそうだ。
 大量のヌートリアがいたのにはびっくりした。ペットとして飼っていたのを放置したのであろうか。日本にいる筈の無い動物で、「害獣に指定されており、噛むので注意するように」という看板があちこちに立てられてあった。近頃、様々な外来種の動植物が、日本古来の生態系を崩していると聞くが、こんなに間近でそれを実感するとは思わなかった。
 あれこれ勉強しながら、まるで小学生が遠足に行ったときのように童心に返った1日だった。