はなおくらレポート

御影界隈を散策する

日時 : 2013年5月8日 (水) 晴れ
目的地: 阪急「御影」駅周辺
目的 : 自分たちの住んでいる街の
あまり行かないところを発見する
アクセス: 阪急電鉄「御影」駅
深田池
五月晴れの好天に誘われて知っているようで、なかなかゆっくりと歩けない御影周辺を行く。
10時、阪急御影駅を北側に出る。駅のすぐ北側に「深田池」というため池があり、桜の季節は特に紅枝垂桜が美しいのだが、すでに終わってしまっていた。今は、新緑が池に映り静かで落ち着いた散歩コースに思われる。池は魚釣り禁止にも関わらず、初老の男性が多数釣り糸を垂らしている姿が見かけられた。
この周辺は美術館などの文化施設の多い地域で、池の端を少し登ったところにある休館中の豐雲記念館(小原流、生け花)や阪急電車の改札口前を南へ坂を下って少し行くと薄茶色のタイル張りのモダンな建物が見えて来る。世良美術館だ。絵画展やミニコンサートなどがよく開かれているが、この日はこちらも休館だった。

東側の路地のずうっと向こうに立派な塀が見えたので、行ってみると弓弦羽神社(ゆづるはじんじゃ)だった。
鳥居をくぐると手水場に神社のシンボルである三本足の「八咫烏(やたがらす)」が迎えてくれた。この八咫烏は、社殿の神社幕(じんじゃまく)にも、社務所の屋根にも、使われていた。
ここは、熊野那智大社の系統に当たる非常に由緒のある神社で約1,200年前からこの御影・弓弦羽の森にあるそうだ。また、神社は、普通ペットのお散歩はお断りというのが多いが、ペットの水飲み場があるのも楽しく珍しい。

世良美術館
弓弦羽神社
屋根の上のやたがらす
町並や建物の間からの六甲の山々を見ながら国道2号線を西へ。
東灘区と灘区との区堺まで来たところで、ちょうど昼食どき。御影公会堂の前に到着。「昭和」の香りが漂うレトロな建物だ。ここの有名なオムライスを食べるのも目的の一つだった。
地下の食堂へ。中に入ってみると、一気に懐かしい世界に迷い込んだ気分になった。天井から下がったシャンデリア。壁には亀の飾りもの。油絵がいくつも掛ったタイル張りの壁。
いつになく落ち着いたほっとするような気分で『オムハヤシのセット』を注文した。食べきれない・・と思えるようなボリュームだったが、優しい味についつい完食した。
御影公会堂食堂
ペットの水飲み場
ここでは、昔は、結婚式も行われていて、メンバーの一人もここで挙式した。1階ロビーには、公会堂の建設主の白鶴酒造の加納治兵衛ゆかりのお酒のサンプルや、ツルのつがいの置物が飾ってあった。
公会堂廊下
食後、阪神御影駅の近くの市場、「旨水館」(しすいかん)へ。昔ながらの商店街、旨水館は定休日で残念だったがここも時を忘れたような雰囲気を残しており少し懐かしさも感じた。前の広場に泉があり水がこんこんと湧き出していた。
駅の裏手には「沢の井」呼ばれる井戸があり地震の後、綺麗に修復されて鯉も泳いでいる。
旨水館
沢の井の井戸
さらに43号線沿いを南に歩いて、江戸時代(1800年)創業といわれる和菓子屋「虎屋吉末」へ。この店も地震の後建て替えられているが看板は昔のものだった。有名な竹の皮で包まれた丁稚羊羹など購入。弓場線に出て北に行くとレトロな感じの喫茶店「井戸」がありお茶を。店内もレトロでエレクトーンがあり夜にはライブが聞けるそうだ。
八咫烏(やたのからす)ってなんだろう?
和菓子屋虎屋吉末
八咫烏とは熊野の大神のお仕えです。
八咫烏は太陽の化身で三本の足があります。この三本の足はそれぞれ天・地・人を顕わすと言われています。
天とは神様、地とは大地のことで我々の住む自然環境を指します。
つまり太陽の下に神様と自然と人が血を分けた兄弟であると云うことを二千年前に示されていたのです。
サッカー協会のマークに八咫烏が使われているのは、ボールをゴールに導くようにとの願いが込められていると考えられます。
意外にレトロな御影の町を再発見した1日だった。