はなおくらレポート

スプラッシュ号に乗って

日時  : 

2008年10月11日(土)くもり

目的 : 神戸の観光を再確認する

スプラッシュ号に乗る・

目的地  :

メリケンパーク(中突堤)

フラワーロード 北野町

アクセス:

JR・阪神「元町」から徒歩約15分

早朝まで降っていた雨が上がった。
元町駅から南に15分ほど歩いていくと、潮の匂いがしてきた。やがて中突堤に出た。ポートタワーの下まで行くと、黄色い車体が見えた。今日の目当てのスプラッシュ号だ。
電話で予約しておいたチケット(1人3,000円)を受け取り、今から乗る乗り物をじっくり眺める。ボンネットの部分が約2m、全長が9m位だろうか。船の下にタイヤ、後ろを覗くとスクリューがある不思議な乗り物だ。変わった形の小型バスのようだ。
写真を撮ってからタラップを昇って乗り込んだ。車内はバスというより小さな遊覧船のようだ。座席はダンプカーの運転席と同じくらいの高さで、普通のバスよりかなり高く見晴らしがいいのでウキウキしてきた。
ポートタワー
このスプラッシュ号は、65年程前に米国ゼネラルモーター社で水陸両用車「ダック (DUKW)」として、軍事用に製造されたものだ。
ノルマンディー上陸作戦などに使用されたが、100台余りは戦争に使われる事なく、現在各国で観光などに平和利用されているそうだ。ハワイのオアフ島で観光用に使われていたこの船は、約1年前から神戸で活躍している。
スプラッシュ号

10時出発。運転手は「キャプテン」と呼ばれ自動車と船舶両方の操縦免許が必要だそうだ。
ディーゼルエンジンの音は大きくてお腹に響いてくる。それに負けずに元気にガイドさんが説明してくれた。この日めでたく10,000人目の乗客を迎え、少年に記念品が手渡された。

記念品の笛
国道2号線から、フラワーロードをまっすぐ上がった。市役所・花時計前・三宮センター街・そごう・マルイ。そして<三ノ宮駅前>を通過、北野坂へ。
異人館街を通って、新神戸から再びフラワーロードを下り山手幹線・生田神社へと目まぐるしく景色が変わり、早くもトアロードに。ちょっと古めかしい外観の通りを降りて行くと、大丸。珍しい乗り物に乗っている私たちは、行くさきざきで注目を浴び何人もの人に手を振られ、私たちも手を振った。
元町通り・南京町を横目に、旧居留地を走る。メリケン波止場の名前の由来となった旧アメリカ領事館の古い建物から、モザイク(MOSAIC)を通って「はねっこ広場」にやって来た。はね橋が見える。いよいよこのバスが船に変身する。
北野坂
今までしていたシートベルトを外し、ライフジャケットを着ける。ゲートが開けられ、バスがスロープを下りていく。運転席でのレバーの切替えで船に変身。
ガイドさんの声に合わせて 5・4・3・2・1・ザバーッ! 水しぶきがかかる。海面は間近だ。エンジンの音は静かになった。
いつも見慣れている神戸の街を海から見る。オリエンタルホテルの海側の中ほどには灯台が見える。これはホテルにある今も活躍している灯台としては国内唯一だそうだ。
海上保安庁の巡視船や漁船等が行き交う神戸港を20分ほど遊覧して先程のスロープに戻ってきた。
はね橋
上陸。ホースで水をかけて船体の潮水を洗い流し、再びバスに変身。この観光ツアーの終盤を迎える。
ハーバーランドを抜けて税関前の欅通りからメリケンパークに戻ってきた。これで約80分の観光ツアーが終了した。
少し早めの食事のためモザイクに向かう。途中、みなとめぐりの観光船がたくさん停泊して、乗員がそれぞれ観光客を呼び込んでいた。モザイクには、いろいろな商業施設が並んでおり、食事にショッピングに楽しい街だ。各店にはハロウィンの飾りが賑やかだった。
食後、震災メモリアルパークを訪ねる。途中、タイルの壁があった。震災で傷ついた神戸の人たちを元気付けようと、各方面の人たちのサインやメッセージが書かれたものだ。勿論元オリックスのイチロー選手のもあった。広場では若者たちがモトクロスの曲乗りに興じていた。
メリケンパークの一画に、今もあの大震災を忘れないようにと、港の一部を修理せず崩れたままにして震災メモリアルパークとして残してある。ななめに傾いた街灯、大きく崩れた岸壁、どれを見ても神戸の人には辛い思い出ではある。

陸から海から神戸の中心街を楽しんだ1日だった。 

震災メモリアルパーク