出郷作----佐野竹之助

水戸藩士の左衛門光誠の長子である佐野竹之助は、他の水戸の同志十数名と
朝廷の合意を得ぬまま開港などに踏み切った独断執政の井伊直弼を討たんと江戸に向かう。
意を決して水戸を去り、異郷の地へ出立する。この別れは自分の生命をかけた最後の別れとも言うべきものである。
幼い弟や妹は、兄の志を知らず、いつもの親しい様子で何時帰るのと私の衣の袖を引くのである。


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