和菓子

歌人が季節を詠んだ和歌の情緒を、職人が菓子に注ぎ込み、形として具体的に表現し築き上げた日本文化の一つ

京菓子資料館 − 上京区烏丸通上立売上る西側 電話番号・432−3101

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■ ニュース
 
店名
電話番号
住所
営業時間
休日
名物

 
神馬堂 781−1377 上賀茂神社西側 7:00〜16:00 火曜日午後・水曜日 「やきもち」
きぬた 712−4405 地下鉄北山駅を北へ 10:00〜19:00 月曜日 「花面」
御倉屋 492−5948 大宮交通公園東 9:00〜18:00 一日・十五日 「旅奴」「夕ばえ」
和久傳 495−5588 紫野 (大徳寺近く) 11:00〜18:00 月曜日 「れんこん菓子」
田丸弥 491−7371 堀川今宮下る、西入 8:30〜18:00 日曜祝日 「白川路」「みそ半月」「水羊羹」
嘯月 491−2464 堀川小櫛南通、西入 9:00〜17:00 日曜日・祝日の午後 「水の面」「きんとん」
一和 492−6852 今宮神社門前 10:00〜17:00 水曜日 「あぶり餅」
竹濱義春 441−8045 北大路新町東入る 9:00〜19:30 日曜日 「真盛豆」「洛北」
紫野源水 451−8857 北大路新町下る 8:30〜19:00 日曜祝日 「涼一滴」「かぐや姫」「式部せんべい」
松屋藤兵衛 492−2850 大徳寺バス停前 9:00〜18:00 木曜日 「紫野味噌松風」
生風庵 441−5694 小山下総町 9:00〜17:00 不定休 「雪餅」「山路」
茶洛 431−2005 紫野東藤ノ森町10-1 11:00〜19:00 木曜日・第三水曜日 「京わらびもち」 
注)0
    注)0 商品が売切れ次第、閉店。開店三十分くらい前に並ぶことが望ましい
川端道喜 781−8117 下鴨南野々神町 9:30〜17:30 水曜日 「道喜粽」「おいとぼい」
双鳩堂 781−5262 山端川端町 9:00〜19:00 水曜日 「でっち羊かん」
加茂みたらし茶屋 781−1460 下鴨神社西側 9:30〜21:00 水曜日 「加茂みたらし」
宝泉堂 781 - 1051 下鴨膳部町21 9:00〜17:00 日曜日・祝日 あずき処
ゑびす屋
加兵衛
781−0639
(本店)
下鴨松原町 8:00〜19:30 月曜日 「矢来餅」
満月 791−4121 鞠小路今出川上る 9:00〜17:30 第一・三水曜日 「満月」「阿闍梨餅」
かぎや政秋 761−5311 百万遍下がる西側 9:00〜18:00 日曜日 「野菊」「黄檗」
聖護院八ツ橋総本店 761−5151 春日上通 8:00〜18:00 年中無休 「聖」「花がたり」
叶匠寿庵 751−1077 哲学の道 9:00〜17:00 水曜日 「花甘露」 お抹茶
京華堂利保 771−3406 二条川端東入 8:00〜19:00 日曜日 「涛涛」「福寶」
幸楽屋 231−3416 北区鞍馬口通烏丸東入ル新御霊口町 9:00〜20:00 日曜日 「わらび餅」
水田玉雲堂 441−2605 上御霊神社前 9:00〜18:00 日曜・祝日 「唐板」

 
俵屋吉富 
烏丸店
432−3101 烏丸上立売上がる 9:00〜19:00 水曜日 「雲龍」「栗羊羹」
かま八老舗 441−1061 五辻通浄福寺西入る 8:00〜18:00 日曜日 「雲珠桜」「西陣どらやき」「黒豆あん入りカステラ」
出町ふたば 231−1658 出町商店街 8:30〜17:00 火曜日・第四水曜日 「豆餅」
鶴屋吉信 441−0105 今出川堀川 9:00〜18:00 元旦 注)1 「柚餅」「京観世」
本家玉壽軒 441−0319 今出川大宮東入 8:30〜17:30 日曜日・
第一・三・五水曜日
「茶つう」「紫野」
千本玉寿軒 461−0798 千本今出川上がる 8:30〜19:00 水曜日 「西陣風味」「千じゅ」
老松 463−3050 上七軒交差点西北 8:30〜18:00 水曜日 「夏甘糖」「山人艸菓」
お婦久軒 461−0974 今出川御前西入る 9:00〜19:00 水曜日 「梅もち」「菅公」
粟餅所(澤屋) 461−4517 北野天満宮門前 9:00〜17:00 木曜日・毎月26日 「名物粟餅」
虎屋 441−3111 烏丸一条 9:00〜19:00 元旦 「竹皮包羊羹/夜の梅・空の旅」
    注)1 二階お休み処「菓遊茶屋」は水曜日
長五郎餅本舗 461−1074 一条七本松西入る 8:00〜19:00 木曜日 「長五郎餅」
塩芳軒 441−0803 黒門通中立売上がる 9:00〜18:00 日曜祝日・第三水曜 「聚楽」「千代たんす」
笹屋湖月 841−7529 堀川中立売上がる 9:00〜18:00 火曜日 「よろい草」「焼くり」
亀屋重久 461−7365 妙心寺北門前 8:30〜20:00 木曜日 「雙ケ丘」「衣笠」
植村義次 231−5028 丸太町烏丸西入る 9:30〜18:30 日曜祝日 「洲濱」「押物」
京都くりや 231−4564 丸太町油小路 8:00〜20:00
日曜日 10〜15時
無休 「金の実栗納豆」
「梅香水」
松屋常盤 231−2884 堺町丸太町下る 9:00〜18:00 不定休 「きんとん」「味噌松風」「葛菓子」
亀屋友永 231−0282 新町丸太町下る 8:00〜20:00 第一・三日曜日 「松露」
「干菓子詰め合わせ」
豆政 211−5211 夷川柳馬場西入る 8:00〜19:00 日曜日 「夷川五色豆」「月しろ」
松彌 231−2743 新烏丸二条上がる 231−2743 月曜日 「あもやき」「金魚」

 
本家尾張屋 231−3446 車屋町二条上がる 9:00〜19:00 無休 「そば餅」「蕎麦板」
二條若狭屋 231−0616 二条小川東入 8:00〜18:00 無休 「家喜芋」「やき栗」
源水 211−0379 油小路二条下がる 9:00〜18:00 日曜祝日 「古都」「ときわ木」
亀屋良永 231−7850 寺町御池下がる 8:00〜18:00 日曜・第一・三水曜日 「御池煎餅」「山づと」
亀末廣 221−5110 中京区姉小路烏丸東入 8:00〜18:00 日祝日、正月 「京のよすが」
亀末廣総本家河道屋 221−4907 姉小路御幸町西入る 8:30〜18:00 日曜日 「蕎麦ほうる」
先斗町駿河屋 221−5210 先斗町三条下がる 10:00〜21:00 火曜日 「竹露」「練羊羹」
本家月餅家
直正
231−0175 木屋町三条上がる 9:30〜20:00 木曜日 「月餅」「わらび餅」
亀屋則克 221−3969 堺町三条上がる 9:00〜17:00 日曜祝日・第三水曜 「浜土産」「ほかけぶね」
三條若狭屋 841−1381 三条堀川西入る 9:00〜17:30 無休 「祇園ちご餅」
「なるみがた」
京都鶴屋
鶴寿庵
841−0751 壬生寺北側 8:00〜19:00 元旦のみ 「屯所餅」「鶏卵素麺」

 
平安殿 761−3355 神宮道三条上がる 9:00〜18:30 月曜日 「平安殿」
吉水園 561−0083 三条通白川橋東 9:00〜18:00 水曜日 「京おんな」「椎餅」
するがや祇
下里
561−1960 祇園末吉町80 9:00〜20:00 無休 「大つゝ」「祇園豆平糖」
鍵善良房 561−1818 祇園町北側 9:00〜18:00 月曜日 「菊寿庵」「くづ切り」
大原女家 561−1905 祇園町北側 9:30〜21:00 第三火曜日 「かま風呂」「わすれ傘」
秋紅堂 561−0689 祇園町南側 9:30〜20:00 木曜日 「ぎをん小梅」「祇園豆板」
きぬかけ菓舗 541−6351 祇園町南側 9:00〜19:00 水曜日 「水鏡」「洛味」
亀屋清永 561−2181 祇園町南側 8:30〜17:30 水曜日 「清浄歓喜団」「月影」
柏屋光貞 561−2263 東大路松原上がる 8:00〜19:00 日曜祝日 「行者餅」 注) 2
「音羽山」
甘春堂本舗 561−1318 正面通大和大路西 9:00〜18:00 無休 「茶寿器」「京の影」
    注) 2 祇園祭宵山のみ販売
末廣屋 561−6043 東山泉涌寺道下がる 9:00〜19:00 水曜日 「あずきの園」「老松」
鶴屋長信 221−1950 四条麩屋町 10:00〜19:00 木曜日 「利休餅」「塩やかた」
亀屋良長 221−2005 四条醒ケ井通 9:00〜20:00 無休 「鳥羽玉」「山紫水明」
若狭屋久茂 841−4563 四条猪熊通 9:00〜21:00 無休 「古都の彩」「万楽」
今西軒 351−5825 烏丸楊梅通西入る 不明 不明 おはぎ
井筒屋重久 312−3676 中堂寺庄ノ内町 予約制 不定休 「如心松葉」 注)3
末富 351−0808 松原室町東入 9:00〜17:00 日曜祝日 「野菜煎餅」「うすべに」
笹屋伊織 371−3333 七条大宮西入る 9:00〜18:00 日曜日 「どら焼」「花日記」
松楽 871−8401 松尾大社近く 9:00〜18:00 水曜日 「奥嵯峨」「おはぎ」
中村軒 381−2650 桂離宮畔 7:30〜18:00 火・水曜日 「麦代餅」「麩饅頭」
東寺鳴海餅 691−7217 東寺道猪熊角 10:00〜18:00 月曜日 予約制
       注)3 幻の銘菓
宝玉堂 641−1141 深草一ノ坪町 7:30〜19:30 無休 「きつね面」
おせきもち 611−3078 城南宮西向 8:30〜18:00 月・火曜日 「おせきもち」「おはぎ」
総本家駿河屋 611−5141 伏見区京町 8:00〜18:30 無休 「練羊羹」「うば玉」
富英堂 601−1368 伏見区中油掛町 9:00〜19:00 第一・三木曜日 「えがお」「酒まんじゅう」
能登椽房安兼 0774−21−2074 宇治蓮華11 9:30〜17:30 木曜日・第三水曜日 「茶だんご」「喜撰山」

 
営業時間・定休日は、曜日・季節により変更する店があります。
予約必要な店も多数あります。
電話確認の上、訪問されます様。

 
▼ その他
● 金平糖
 
 緑寿庵 清水 771−0755 左京区・鞠小路今出川下る西側

● ソフトクリーム

 中川冷菓製作所 771−3858 左京区・熊野神社西入る北側 (一本¥1.500−) 
 営業時間 PM お昼前後〜17:00頃 休日 不定休

● あんこ専門店 

 TOSHOAN 都松庵 811−9288 堀川三条下がる

● 西洋菓子 ぽえみ 

  ガトーカマンベール 315円(税込み)
  0771-24-6077 亀岡市追分町谷筋37-26

● 仏蘭西焼菓子調進所 足立音衛門

 〒620-0062 京都府福知山市和久市町334 
 お客様専用フリーダイヤル
 0120-535-400 
 FAX:0773-23-0643 
 


 
● 小松屋本店

山形県酒田市日吉町一丁目2番1号
フリーダイヤル:0120-01-5028

http://www3.ic-net.or.jp/~komatsu/

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 京 菓 子 松 屋 常 盤

 京都市中京区堺町通丸太町下る橘町。「味噌松風」は箱入り800円。きんとんは1個250円。季節によってはくずまんじゅうがある。商品はすべて予約制で、味噌松風は地方発送もできる。午前9時―午後6時。不定休。075・231・2884。
 

 「う」のひきだし。
 大好きな作家、故向田邦子さんの部屋には、そう名づけられた小さな整理箱があった。
 「『う』は、うまいものの略である。この抽斗(ひきだし)を開けると、さまざまの切り抜きや、栞(しおり)が入っている。仕事が一段落ついたら……送ってもらいたいと思っている店のリストである」
 松屋常盤についての切り抜きも、「う」の中にあった。あの気前のよかった向田さんが、ここのカステラ風の焼き菓子「味噌(みそ)松風」だけはいちばんかわいがっていた末の妹にもほんの少ししかおすそわけしなかった。
 大学四年のときに買った本で読んだ。
 松屋常盤に行きたかった。

「お客様がのれんをくぐって帰られるまでは緊張します」と吉貴さんは話す。律義なまでに頭を下げる

◆しっとり、もちっと「味噌松風」

 一六五三年(承応二)、大徳寺出入りの菓匠として創業。のれんにある「松屋山城」は、後光明天皇から授かった官位「御菓子山城大掾(だいじょう)」に由来する。茶の湯とつながり、古くから三千家にも松風と四季折々のきんとんを届ける。京都でも指折りの老舗(しにせ)と言える。当代の上田行雄さん(60)で十六代。
 そう学んで、夏の終わりに訪ねた店はしかし、拍子抜けするほど小ぢんまりとしていた。板間に竹のござを敷き、菓子包みは座卓に積み置かれ、隅っこで古い扇風機が回っていた。
 今年一月、娘婿に入った西村吉貴さん(33)は、結婚が決まるまで、そんな由緒ある店と知らなかった。レストランの調理師をしていて、知人の紹介でお見合いした。おばに「えっ、あの松屋常盤」とびっくりされて、当人の方が驚いた。
 一子相伝。創業以来の伝統が店に格式ばらない親密な気配を与えているに違いない。職人を使わず、店を小さく構え、家族だけが味を継いできた。
 奥の工場に入るのは行雄さんと妻の宏子さん(59)と、この二月からの吉貴さん。
 行雄さんは取材に語ったことはない。工場の中は、吉貴さんの目に頼るほかなさそうだ。

ふっくら焼き上がった松風。その切り口が、浦の松林に風が吹き渡る風情をたたえ、松風の名がついたともいわれる

 味噌松風は小麦粉と砂糖と西京味噌、水を混ぜた生地に胡麻(ごま)を乗せて焼いた簡素な菓子。
 行雄さんは早暁、子どもがすっぽり入るほどの桶(おけ)に材料を入れ(もちろん、その配分は明かされない)押すように引くように長い時間、こねる。生地を延ばし、包み、円を描くような右手が、生地にたっぷりと空気を味わわせる。それから、焼く。
 十年前までは炭で焼いた。宏子さんは「炭をおこすのに一時間。目離すと、すぐ白うほとびいて(消えて)生焼けも多なるから、あおぎっぱなし。そらもう汗だくどした」と言う。炭が不足し、オーブンの導入を決めて、行雄さんは炭とオーブンを一緒に使いながら、焼き加減を近づけ、納得するまで五年をかけた。三百五十年の製法が平成になって、初めて変わった。

 宏子さんの話を、もう一つ。
 先代で宏子さんの父、重雄さんは「松屋のきんとんいうたら右に出るもんがおらん」と言われた名人だったが、重雄さんは「こんな甘いもん、食うやつの顔が見たい」と顔をしかめながら、あんを練っていたという。
 行雄さんも松風やきんとんの味見すらしない。
 この話を自らの著書で愉快げに取り上げた「御粽司(おんちまきつかさ)十五代」の川端道喜さんも、こう書く。
 「私も餡(あん)を炊くとき、『こんちくしょう』といって炊くんです……実際には、親の敵にでも出会ったような顔をして炊き上げているんです」
 この距離の取り方こそ深いように思えて、おもしろい。
 対して吉貴さん。「私はとても好きなんですけど」と言う。
 いまの仕事は、焼き上がった松風の鉄板の四隅にへらを入れ、底に手を入れ、板に移してから、切ること。それも怖くて初めはうまくできなかった。
 宏子さんは温かく「そらあと三、四年は見て覚えてもらわなあかしまへんやろ」と言う。一子相伝の道は、はるかだ。
 はぁ、と恐縮するような吉貴さんを、先々代が愛した狂言の面が、店の壁から、黒くつややかな顔で見守っていた。
 京都に赴任して、しばらくたった。やっと松風を味わう。
 箱を開ける。ふんわり、味噌の香りが立ち上がった。ひと口。しっとり、もちっとした食感。舌が味を探る。反応しない。ん。それがやがて、かめばかむほどに、まろやかな甘味が広がってきた……。一言で言うと。
 「う」、だ。

☆歴史へアクセス☆

 能の世界に「熊野(ゆや)松風に米の飯」という言葉がある。熊野、松風の2つの曲はかみしめるほどに味わいが深まるという意味だ。在原行平に愛された女性の幻が恋慕に狂おしく舞う能「松風」は秋によく上演される。菓子「松風」の味わいが似ていることも相まって9月以降、特に能楽堂からの注文が増える。
 松風は、京都の5店の老舗が作っており、大別してカステラ風の菓子と保存がきく干菓子風の2種類がある。干菓子風の松風は、11年に及んだ「石山合戦」の兵糧がルーツだったという説がある。

◆一子相伝 味継ぎ350年
(朝日新聞より)

 
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