維 新 語 録
1 |
君は男ぶりがよいから女が惚れる。
僕は男ぶりは悪いが、やっぱり女が惚れる。 |
2 |
何でも思い切ってやってみることですよ、どっちに転んだって人間、野辺の石ころ同様
骨となって一生を終わるのだから。 |
3 |
薩長の連合は、日本国を救わんが為である。
してみれば一藩の面目の如きは、この際忍ばねばならぬことである。 |
4 |
私が死ぬ日は天下大変にて、生きておりても役にたたず、おろんとも立たぬようにならねばなかなかこすい奴で死にはせぬ。 |
5 |
どうだ、
あの一隊を突っきってみる勇気があるか。 |
6 |
後藤は、一言も過去を語らず、ただ前途の大局を話す。
よほどの人物でなければできない境地である。 |
7 |
願わくは公明正大の道理に基き
一大英断を以って天下を更始一新せん。 |
8 |
天下に事をなそうとする者なら、
腫れ物が十分化膿するまで、針で膿を突いてはいけない。 |
9 |
主義の異同は敢えて問わず。
隊中唯一人の士を同化する能わずして、また何をか為さんや。 |
10 |
土佐の芋堀ともなんとも言われぬ居候に生まれて、
一人の力で天下を動かすべきは、これまた天下よりする事なり。 |
11 |
海援隊には役者もおれば乞食もおるが、
腹わただけはきれいだぞ。 |
12 |
国を開くの道は、戦いする者は戦い、修行する者は修行し、
商法は商法で銘々かえりみずやらねば相成らず。 |
13 |
実に、お国のような所にて、何の志の無き所に、
ぐづぐづして日を送るは実に大馬鹿者なり。 |
14 |
海援隊規約は簡単なものにしてある、それは鶴が自由に天を翔るような光景であり、
鳥籠の中に閉じ込められている情景ではないのだ。 |
15 |
自分に万一のことがあったら、薩摩の西郷と大久保に伝えてほしい。
二人に線香を手向けてもらえれば成仏できる。 |
16 |
私などは運が強く、死ぬような場であっても死ぬことは無く、
自分で死のうと思っても生きなければならないことになる。 |
17 |
日本を今一度
洗濯いたし申し候にいたすべく心願にて候。 |
18 |
はてさて人間の一生というのは合点のいかぬものよ、
運の悪い者は風呂から上がる時に金玉をぶつけて死ぬものである。 |
19 |
是より、もうつまらぬ戦いはおこすまい、
つまらぬ事にて死ぬまいと、たがいに固く約束いたし候。 |
20 |
人間と云うものは、世の中の牡蠣殻の中に住んでおるものであるわい。
おかしおかし。 |
21 |
蝦夷地に新しい国家を開こうとすることは、私の一生の念願です。
これは、一人でもやり遂げたいと思っております。 |
22 |
人誰か父母の国を思はざらんや。
然るに忍んでこれを顧みざるは、情の為道にもとり、宿志の蹉跌を忍るるなり。 |
23 |
今年正月二十三日夜の難にあいし時も、
この龍女が居ればこそ、龍馬の命は助かり・・・・・ |
24 |
天下の世話は実に大雑把なるものにて、
命さえ捨てれば面白きなり。 |
25 |
この龍馬をよくいたわりてくれることが国家の為にて、
けっして、天下国家の・・・などと言うことはいらぬこと。 |
26 |
お龍と天の逆鉾を見に露島に登った。
よく動くので、二人でエイヤと引き抜けば、たった四〜五尺の物、
また元におさめて二人で大笑いした。 |
27 |
僕は役人を厭う。
時を定めて家を出で時を定めて帰るなどは、僕の堪えざる所なり。 |
28 |
商人の狡猾なるは当然なり、
狡猾ならずんば利益を得るあたわず。 |
29 |
西郷は馬鹿だ。
しかし、その馬鹿の幅がどれ程大きいか解からない。
小さく叩けば小さく鳴り、大きく叩けば大きく鳴る。 |
30 |
一戦争済めば山中へはいって安楽に暮らすつもり、
役人になるのは俺はいやじゃ。 |
31 |
この文は極大事の事ばかりにて、
けっしてべちゃべちゃシャベクリには、
ホヲホホヲいややの、けっして見せられぬぞへ。 |