今年の干支は 「卯」 なので、京都で縁のある寺や場所など

 宇治は一に「菟道」ともしるすのは、稚郎子皇子が宇治へきたとき、茨が生い茂って道がわからなかった。このとき一匹の兎があらわれ、皇子を道案内したので、菟道といったという。この口碑伝説から、同地の宇治上神社は皇子の桐原日桁宮址といわれ、神社の手洗水は桐原井から水を引き、青銅製の兎の口から水が出るようになっている。

 岡崎天王町の岡崎神社は素戔鳴命と櫛稲田姫およびその御子八柱を祀るところから東天王社といい、西天王社(須賀神社)と相対しているが、慶長年間(1865-8)に今の社名に改めた。当社は古来兎を神使いとし、本殿前の石造狛犬像の台座には兎を兎を浮き彫りにした兎像があり、また斎館の欄間にも兎の彫り物がある。

 兎を画題としたもので有名なのは、大覚寺の正寝殿にある狭屋の間の明障子の腰板に描かれた野兎図(重文)であろう。花鳥図とともに表裏十二面にわたり、草むらに遊ぶ野兎の姿態をさまざまに描いている。寺伝では尾形光琳の筆というが、一説に琳派の技法を学び伝えた渡辺始興の筆ともいう。

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新春特集展示 卯づくし - 干支を愛でる - 京都国立博物館」 「世界のウサギ図鑑」 「ウサギ - wikipedia