Simple is the Best
読書記録
Latest Update at 8th March, 2005 by KITORA
このページでは KITORA のかなりバイアスのかかった文章が書かれています。御承知おき下さい。
アフターダーク After Dark
村上春樹 著(2004/12/24 読了)
☆☆☆☆
講談社 ¥1,400- ¥1,470-(税込)
ISBN4-06-212536-6
カフカ以来、待望の新作長編です。
タイトルを読んで昔懐かしいスクリーンセーバーを思い出したりしました。
いや、フライングトースターが好きだったので……(^^;)
pm11:56 深夜のデニーズで一人コーヒーを飲みつつ読書にふける少女。
気がつくと側に立っていた男は「浅井エリの妹だよね」と唐突に声をかけてきた。
男は姉の友達(同級生)でマリにも会った事があると言う。
他に席も空いてないので相席させてくれと席について注文してから頼む男にいらつくマリ。
2年前にプールに行ったときの話を続けられ、チキンサラダとトーストを食べながらも男が
しゃべり続ける形で会話が微妙に成立していく。
男は近くでバンドの練習をしており、朝5時くらいにはまたデニーズに戻って来るという。
pm11:57 暗い部屋に女が一人ベッドに横たわっている。浅井エリだ。
部屋の描写が続くが何処か寒々しい。
am00:25 マリの前の席に女が唐突に座り込んできた。
タカハシ・テツヤから聞いて来たという。
女の説明でさっきのあの男の事だと理解できたマリだが、更なる申し出は驚きの度合いを深めるものだった。
タカハシから聞いた所によると中国語が出来るそうだが、助けて欲しいと頼まれて近くのラブホテルへ……
各章の冒頭にアナログ時計が描かれており、一晩の時間経過を示すように物語が進行します。
主として姉妹をほぼ交互に見る視点で進むのですが、最初から最後まで会話はかわしません。
というか、エリは寝たきりです。
そしてラストに未来が好転する期待を暗示しているようなのですが、これは私の希望なのかもしれません。
なんだかスッキリしないんだけど悪い気はしないという感じで、あたかもとらえ所がないような読後感でした。
でも、こういう(一応長編なんですけど)小編的な作品の方が著者らしい作品だと私は感じます。
著者特有のぶっ飛んだ世界観としては足りない気もするんですが、
受け手(読者)側での膨らませにより自由度が高いとも言えます。
ハードカバーで上下巻や三分冊構成で数年に一作よりも
単行本一冊読み切りを毎年読める方がファンにはありがたい気もする。
(出来ればヴォリュームのある作品と交互に発表されると更に喜ばれるでしょう)
[ ← Back ]
send e-mail to KITORA