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読書記録

Latest Update at 13th October, 2009 by KITORA


このページでは KITORA のかなりバイアスのかかった文章が書かれています。御承知おき下さい。

夕暮れをすぎて/Just After Sunset Vol.I


スティーブン・キング/Stephen King 著 (2009/10/10 読了)
☆☆☆☆
白石朗・大森望・池田真紀子・深町眞理子・風間賢二 訳
文春文庫 ¥638- ¥670-(税込)
ISBN978-4-16-770578-7

夕暮れをすぎて/Just After Sunset:以下の 7 編を所収 ・ウィラ/Willa (2006) 大森望・訳
・ジンジャーブレッド・ガール/The Gingerbread Girl (2007) 池田真紀子・訳
・ハーヴィーの夢/Harvey's Dream (2003) 深町眞理子・訳
・パーキングエリア/Rest Stop (2003) 池田真紀子・訳
・エアロバイク/Stationary Bike (2003) 風間賢二・訳
・彼らが残したもの/The Things They Left Behind (2005) 白石朗・訳
・卒業の午後/Graduation Afternoon (2007) 池田真紀子・訳

ウィラ/Willa (2006) 大森望・訳 ふと気がつくとウィラが姿を消していた……
駅で遅れている列車をひたすら待っていたディヴィッド達だが、
どうやらウィラは痺れを切らして駅の外に出てしまったようだ。
片田舎の駅で待ち疲れ、列車事故の影響から、
後続の列車がどのくらい遅れるかも分からない情況では致し方ないか……
ディヴィッドはウィラを探しに意を決して駅の外へ出るのだった……

ジンジャーブレッド・ガール/The Gingerbread Girl (2007) 池田真紀子・訳 娘を亡くしてからエミリーは走り始めた……
最初はほんの少ししか走れなかったが、徐々に距離を伸ばし、
今では近くの大学の陸上トラックでまで走り込んでいる。
明らかにそのランニングにかける情熱は異常で、
ついには夫が心配をして諫めるのだが、エミリーは反発して家を飛び出す。
娘を亡くしたショックからなのか、もはや歯止めがきかないエミリーではあったが、
父親の別荘でしばらくはのんびりして(走り続けて)、落ち着こうとするのだった……

ハーヴィーの夢/Harvey's Dream (2003) 深町眞理子・訳 いつもの休日の朝だった。
食卓に座るハーヴィーのだらけた様子は仕事に出かける時とは大違い。
そんなことを考えながら朝食の用意をしていた妻であった……
その時、突如ハーヴィーは読んでいた新聞を置いて、
「夕べは悪夢にうなされて夜中に叫んで起きてしまったよ……」等と、
昨夜見た夢について妻に語りかけ始めたのだった……
妻は滅多に起きない事柄に驚きながらも、話を聞きつつ別なことも考えていた……

パーキングエリア/Rest Stop (2003) 池田真紀子・訳 本名のジョン・ダイクストラで勤める大学の講師と、
ペンネームのリック・ハーディンで作家という二つの顔を持つ男。
作家として成功し、稼いだ金で家を二つ手に入れた。
それぞれの家であたかもそれぞれの名前が有する異なる人格をコントロールするかの如く、
作家と大学の講師という二つの職業をこなしていた。
ある日、作家として講演に出た帰り、今日はどこから人格を切り替えようかなどと考えていると、
車の中で猛烈な尿意に襲われる……
そして、次のパーキングエリアでトイレへと向かうのであったが……

エアロバイク/Stationary Bike (2003) 風間賢二・訳 健康診断の結果、コレステロール値のみが異常であると医師に結果を突きつけられ、
油断せずに節制に勤しめと忠告された男。
彼はアーティストであるが、絵では充分な収入が得られず、
いつしかイラストなどで糊口をしのぐ毎日を送っており、
ジャンクフードの世話にも良くなっていたのであった……
そんな彼が意を決したのか、医師の例え話にインスパイアされて、
彼の体内で、彼が過剰に摂取した大量の脂質の処理に励む労働者達を絵に描く。
そしてフィットネスクラブでエアロバイクを購入し、
地下室に設置し、一心不乱にこぎ始めたのであったが……

彼らが残したもの/The Things They Left Behind (2005) 白石朗・訳 突如として彼の周りに友人達の記念品が現われるようになった……
そして、その品々は夜な夜な彼に語りかけるように友人達のエピソードを彼の頭の中に送り込んでくる。
何処へ捨てようと、例え他の誰かに預けようともいつしかその品々は彼の元へと舞い戻ってくるのだった……

卒業の午後/Graduation Afternoon (2007) 池田真紀子・訳 ステディなボーイフレンドを何故かバディと呼ぶ女子高生。
彼は名門校に通い、卒業後も名門大学に進学する。
一方彼女は普通の女子高生で、卒業後は州立大に進む予定。
彼の卒業記念に行われたパーティに自宅へ招かれた彼女であったが……


私の個人的嗜好では「ジンジャーブレッド・ガール」が好みでした。
「ウィラ」と「エアロバイク」も綺麗にまとまっていて良い感じかな。
「彼らが残したもの」は所謂 9・11がテーマになっている作品で、
キングらしい味付けで良い作品になっていると思います。
「卒業の午後」だけがなんだかキング作品としては物足りなく思えるのですが、
余韻を残した短編小説として出来が悪い訳ではないです。
単に著者がキングならばという私の勝手な期待値からの感想です。
キングの短編集は分冊形式で訳出されることが多いのですが、
どうせなら一緒に(同時期に)出版して欲しいですね。


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