文化財専門委員会が開催されました
2016年7月8日、鎌倉市役所にて文化財専門委員会が開催されました。
これは市が文化庁から「(緑の洞門が掘られている)尾根には文化財的価値があるので、市としても文化財的価値について再度検討するべき」と指摘されたことを受け開催したもので、既存の専門委員の他に2名の専門家が外部委員として参加しました。
結論から言うと、すべての委員が尾根には文化財的価値があるとの見解で、出来る限りの保存策を(安全性にも配慮しつつ)検討するべきであるとしました。
また、東京大学史料編纂所教授の高橋委員からは、一昨年の文化財専門委員会で隧道尾根について「死守するほどのものではない」と発言したが、これは安全性との兼ね合い(補強策がないなど)での話をしたものであり、「死守するほどのものではない」という言葉だけが独り歩きし、(市にもこの発言を開削の根拠に使われて)困っているとの発言がありました。
委員の発言を全体の文脈で捉えず、一部分のみを取り出して使うことは委員に対しても非常に失礼なことです。一昨年の市に対するTBS噂の東京マガジンの取材でも、市は「死守するほどのものではない」という委員の発言を使用し、文化財的価値は無いと回答していました。
文化庁に続き、市の文化財専門委員会が尾根の文化財的価値を認めたことは重要なことです。鎌倉市長も開削に固執せず、委員会の結果を真摯に受け止めて、保存と安全性の両立を真剣に検討していって欲しいと考えます。
※委員会の様子は以下でも紹介されています。
●鎌倉おやじのブログ
円覚寺結界の文化財価値ついて 文化財専門委員会
●北鎌倉湧水ネットワークのブログ
緑の洞門に文化財的価値、保全が望ましい:文化財専門委
●保坂市議のブログ
文化財専門委員会で「北鎌倉トンネルがある尾根の文化財的価値」について意見が一致