文化財専門委員会についての報道 その1


  2016年7月8日に鎌倉市の文化財専門委員会が開催され、すべての委員が尾根には文化財的価値があるとの見解で、出来る限りの保存策を(安全性にも配慮しつつ)検討するべきであるとの結論を出したことはすでに当ブログでご紹介しましたが、7月9日付の読売、東京両新聞に記事が出ましたので、ご紹介します。 

 ↓読売新聞
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 ↓東京新聞
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※神奈川新聞電子版にも掲載がありました。(以下)

 鎌倉市に開削再考促す声 素掘りトンネルに専門委「文化財的価値」 
2016/7/9 11:12

 崩落の恐れがあるとして鎌倉市が開削を決めていたJR北鎌倉駅(同市山ノ内) 脇の素掘りトンネルを巡り、市文化財専門委員会は8日、トンネルのある尾根に 「文化財的価値がある」と結論づけた。トンネル全体を取り払う開削工法につい て、市に再考を促す意見も相次いだ。
 専門委は、市が文化庁から「外部の専門家による委員会を設置し文化財的価値 を検討すべき」との指摘を受けて開催。出席した委員7人に加え、外部有識者と して五味文彦・東大名誉教授(日本中世史)と藤原良章・青山学院大教授(同) を招いた。
 専門委では重要文化財の「円覚寺境内絵図」などを参照し、「トンネルのある 尾根が、(寺の)境界線が引かれている尾根の一部であることは間違いない」 「尾根は極めて象徴的な(寺の)結界。史跡として指定されてしかるべきだ」な どの意見が出された。
 トンネルの安全対策は必要とした上で、「残っているものは残すのが文化財保 護の基本」「いかに史跡として守るかできるだけ努力を」などの声が相次いだ。 議論の末、会長の河野眞知郎・元鶴見大教授が「尾根に文化財的価値はある。工法の検討に手を尽くしてもらいたい」と結論づけた。
 市は議論の内容を松尾崇市長に伝え、今後を判断するとしている。