大曲皮フ科ニュース
 

 


2006年10月16日号

盛り上がったしみ(脂漏性角化症)に対する治 療とは?

前号に続いて、しみの治療について取り上げます。お顔のしみの多くは、盛り上がりがありませんが、長い間放置しておくと、盛り上がってくることがあります。

 

★ほくろとの区別はどう行う?★

 

その殆どは良性で、直径1-2cmほどの平べったい盛り上がりで、脂漏性角化症とか、老人性いぼといって、80 歳以上の方ではほぼ全員に認めます。顔や頭、胴体などの脂皮脂の分泌の多い部位に多く見られます。色は褐色から黒褐色までさまざまです.掌蹠には生じません。表面はいぼのようなでこぼこがあるものもありますが、左の写真のような平滑なものもあり、この場合は、一見、ほくろに似ています。時には、悪性のほくろ(悪性黒色腫)に似ていることもあり、昔は切り取って調べていました。

 

ところが最近はダーモスコピーで見るだけで、この区別がつくようになりました(右の写真)。これは、今年、保険が効くようになった検査で、痛みもありません。表面に、ジェルをぬってから、レンズをぴったり当てて観察すると、皮フ表面で起こる光の散乱をなくすことができるために、それより少し深部にある構造が肉眼よりも詳細に判るものです。

 

肉眼でははっきりしなかった、沢山の白く丸い点が見えてきました(図の  )。脂漏性角化症は、毛穴の細胞出身のできものなので、白にきび様の構造が出来ます。これは脂漏性角化症にしか見られないので、良性・悪性を含めたほくろではないことがわかり、ほっとしました。

 

なぜ、私はほっとしたと思われますか?脂漏性角化症は、黒い粘土を皮膚の上にくっつけたようなもので、まわりの皮膚よりも深いところには細胞が存在しませんので、治療も簡単で、リスクが少ないのです。それに比べて、ほくろは、皮膚の厚さ全体に渡って、深く細胞が存在することが多く、浅くとると再発があるので、皮膚を繰り抜くように取らなければならないので、ある程度の傷跡は残るのです。

 

★最もよく行われる治療は?★

 

炭酸ガスレーザーなどのレーザー治療により焼き取る治療は、まわりや深い部分に熱を伝えずに、できものの部分だけを焼くことが出来るので、大変きれいに治ります。治療の30分-3時間前から局所麻酔用のテープを貼ると、十分痛みがなく焼くことが出来ることが多いですが、必要に応じて、麻酔の注射を打つこともあります。

 

レーザー焼灼前

 

焼灼直後:まわりの皮膚と同じ高さのじくじくのやけどになっています。

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


                        

 

 

 

 

 

 

 

 


                          

 

 

★やけどを作らない治療法は?★

 

やけどを作るのが怖い方には、厚く硬くなる皮膚の病気を、薄くする効果のある、ビタミンD軟膏を毎日塗るだけの方法がお勧めです。赤みや痛みなどなく、だんだん高さも、色も、薄くなっていきます。山形大学皮フ科で多数例治療を行っていますので、その結果をご紹介します。3ヶ月以上塗ると、3割の方では、できものの体積が80%以上の退縮を示し著効しました。また、8割以上の方では、ある程度以上薄くなりました。特に隆起のごくわずかなものでは、消えてしまうこともあり、大変良い方法と考えています。

 

 

大曲皮フ科 住所:〒061-1272北広島市大曲末広1丁目2-1(セリオ1F) 電話:011-376-2000    記:院長 梅津 修