大曲皮フ科ニュース
 

 

 


2012年2月15日号

おむつかぶれのスキンケアとはA

  おむつかぶれの種類とは?★

おむつかぶれには、@便や、便と尿が混じったものに対する刺激性皮フ炎(左図)、Aおむつとこすれたために悪くなった乳児湿疹(アトピー性皮フ炎)があります。@は肛門・外陰部・ふとももの付け根などの皺の部分に便がたまって起こり、びらん(べろんと赤く皮がめくれた状態)になって痛いことが多いです。Aは、オムツとこすれる部分であるしりべたに多く、皺は逆にオムツとこすれないので皮疹が少なく、痒いことが多いです。

 

  赤ちゃんはなぜおむつかぶれを起しやすい?★

乳児におむつ皮フ炎が生じやすい理由は、3つあります。1つ目は皮フ自体が薄いことです。角層・表皮・真皮層を含めた皮フ全体の厚さは、新生児期には約1.2mmです(成人は約2.1mm)。成人に比べると皮フが薄い分、傷がつきやすく、こする刺激に対しても脆弱なのです。

 

2つ目は、乳児の便の形状です。母乳栄養児の便は人工栄養児の便に比べると軟らかく液状になります。固形の便と違い、しわや陰部などのくぼみに残りやすく、便による刺激性皮フ炎を生じます。また、ほとんどの乳児は、冬期にロタウイルス感染症(冬期下痢症)にかかりますが、米のとぎ汁様の水溶便が大量に頻回に排出され、おむつ皮フ炎を起こすことが多いです。

 

3つ目は、発汗、排尿による蒸れです。蒸れにより浸軟した皮フがおむつで機械的にこすれると湿疹を生じやすいのです。特に、紙おむつの腰や股のギャザー部分は、サイズが合っていなければこすれる刺激を受けやすいです。また、いったんなんらかの原因で皮フ炎を生じると、その部分に皮フの常在菌であるカンジダが増殖して乳児寄生菌性紅斑が生じることがあります。

 

  オムツかぶれの治療・予防とは?★

《乳児湿疹(アトピー性皮フ炎)》

カンジダの増殖に気をつけながら、ステロイド外用を行います。

 

《刺激性皮フ炎》

便や尿の皮フへの付着を減らします。まず、こまめにおむつを交換することが大切です。

 

以前(2006年5月15日号参照)は、皮フに付着した便や尿を、洗浄して徹底的に除去することが勧められていました。最近は、皮フの傷に対して、出てきた体液を利用する、うるおい療法/湿潤療法がより早く・よりきれいに治るために有効であることが分かってきました。つまり、刺激性皮フ炎の原因の便を徹底的に除去すること自体は正しいのですが、一緒にびらんから出てきた体液も取り去ってしまうため、びらんの治りが遅くなってしまうのです。

 

うるおい療法の代表は、市販品ではキズパワーパッドです。剥がれたキズパワーパッドの裏側は、傷口に出てくる体液を吸収してふくらみ、ゼリー状のクッションになっています。

刺激性皮フ炎の治療は人工肛門(ストーマ)ケアに学ぶことが多いです。ストーマ周囲の皮フはときに便による皮フ炎を生じることがあり、皮フを便の付着から守るということを目的に、数々のストーマケアパウダー(バリケアパウダー(左写真)など)が販売されており、刺激性おむつ皮フ炎の治療に応用できます。このパウダーは排泄物中の水分を吸収してゼリー状になることで、排泄物の皮フへの直接付着を軽減させ、また、クッションになり、こすれることから守ってくれます。

 

★具体的にはどうする?★

 

l     

滲出液代わりの水でゼリー状になりました

 

クリアファイルにバリケアパウダーを振りかけます。

 
高品質のおむつを使用し、なるべく交換頻度を多くします。おむつ替えごとに皮フ保護パウダーをびらん面や、便が付いてかぶれそうな場所に広くふりかけます。皮膚保護剤が潰瘍面を覆うことでこすれるための痛みが減少するのに加え、塗らずに振りかけるだけなので、処置時の痛みが減ります。パウダーは便あるいは滲出液中の水分を吸着してゼリー状に変化します。

 

l      皮フの洗浄は1日1回にとどめます。

 

l      排便後は、おむつ上のゼリー状に固形化した便のみを除去し、殿部の清拭、洗浄は行わず、再度全体にパウダーを散布します。パウダーは上皮化が完了すると自然に取れるので残っているパウダーは無理に取らず、パウダーを追加するにとどめます。

 

★液状うんちから皮フを守るバリケアパウダー〜実験してみました★