大曲皮フ科ニュース
 

 


2011年3月号

痛み少ない いぼ治療とは?

 

いぼは、特にお子さんの場合は2-3ヶ月で20-30%、2年で2/3が無治療で治る病気です。しかし、自然経過では一旦大きく痛いいぼになってから治ることも多く、その場合に皮フ科を受診される事が多いのです。治療を行うと、いぼの組織が少しずつ死んで、痛みが減ってきます。

 

いぼの治療で、第一選択とされるのは、凍結療法や、スピール膏の貼付です。しかし、これらの治療自体に、ある程度の痛みを伴なうことがあるために、患者さん自身が治療を中断されることがあり、いぼがまた大きく、痛くなってしまいます。

 

★科学的にはっきり効くことが証明されたいぼ治療とは?★

 

いぼ治療を2つずつ比較した結果、はっきりと統計的に有意差があったことを認められた治療は、以下の通りです。

 

@病院で処方されるテープタイプのスピール膏®や、薬局で市販されている液体タイプ・テープタイプのスピール液・イボコロリ®などのサリチル酸製剤の外用は、何も治療しなかったり、プラセボ(一般的に無効とされている付け薬)を付けることよりも有効でした。

 

A凍結療法では、強く凍結10秒以上)すると、軽く凍結(10秒未満)するよりも、より有効でした。

 

Bサリチル酸製剤と凍結療法の併用は、サリチル酸製剤外用のみや、凍結療法のみに比べてより有効でした。

 

@〜Bをまとめると、サリチル酸製剤と強めの凍結療法を併用するのが最も有効ということになります。

 

これらに比べて、科学的裏付けは少ないのですが、他の治療法としては、ビタミンD軟膏の外用、漢方薬の内服などが勧められます。

 

★痛みの少ないいぼの治療とは?★ 

@   ごく軽く凍結療法を行う。

上記の通り、強く凍結療法を行うのが有効性は高いのですが、水疱になったり、数日強い痛みが続くこともあります。治療しないと、いぼが大きくなりますので、ある程度の有効性は犠牲にしても、継続可能な治療を行うことが重要です。

 

日本では、液体窒素を、1.5cm程の綿花に吸わせて、液体のまま直接皮フに接触させる方法が行われることが多いですが、この場合、医師には、綿花の大きさよりも小さいことが多いいぼは、綿花に隠れて見えません。一方、欧米で主流の、液体窒素を気化した冷たい気体の窒素をスプレーする方法(写真)では、医師に皮フがどの程度凍ったか(白色になります)が見えるために、冷却の度合いを軽く調節しやすいので、より少ない痛みで凍結出来ます。

 

A   スピール膏の貼り方の工夫。

いぼ表面の硬い組織をふやけさせて剥がすテープタイプのスピール膏は、長時間貼っていると、いぼが深く剥がれてしまって痛くなることがあります。特に発汗量の多く皮フがふやけやすいためお子さんに見られます。その場合に、ばいきんが付いてさらに痛くなることも多く、また、一旦いぼの組織がすべて剥がれてしまうこともあるのですが、再発も多く、せっかく痛い思いをしたのに、がっかりすることも多いのです。

 

スピール膏は、夜入浴後に貼って、翌朝剥がすことを繰り返すと、適度な深さに取れて痛みは少ないです。また、サリチル酸製剤の中でも、テープタイプのスピール膏ではなく、液剤(スピール液・イボコロリ)を塗る場合は、テープほどふやけないために、これも適度な効き方になり痛みが少ないです。

 

★いぼに効く漢方薬とは?★

以上の方法で無効な場合には、漢方薬を飲む方法がお奨めです。

 

   全ての方にお薦め出来る漢方薬・・・ヨクイニン

   幼児〜小学生ではヨクイニン単独で有効なことが多いです。

   中学生〜成人では最初からヨクイニンと、以下の漢方薬を併用することがお奨めです。

   むくみがある場合には・・・五苓散(ごれいさん)、冷え症・疲れやすい女性の場合は当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)。

   いぼに赤みがある場合には・・・黄連解毒湯(おうれんげどくとう)十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)。

   冷えのぼせや生理痛がある場合には・・・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

北広島市大曲皮フ科 電話011-376-2000