大曲皮フ科ニュース
 

 


2011年2月号

アトピー丹羽療法良い付き合い方は?

 

アトピー性皮フ炎の治療の第一選択とされるのは、ステロイド外用剤ですが、ごく一部、無効な患者さんがいらっしゃいます。この場合、プロトピック軟膏外用・シクロスポリンA内服・ナローバンドUVB(紫外線のうち皮フ発癌性の少ない波長)照射などを行いますが、プロトピック軟膏は顔面以外は有効性が少ない、シクロスポリンAは高価なことと、腎障害を来たすことがあること、ナローバンドUVBは多く当てすぎるとむしろ痒くなるので、照射量の調節が難しいこと、など、それぞれに欠点があり、これら全てが使えない患者さんがいます。

丹羽療法とは?

丹羽療法は、土佐清水病院院長の丹羽靱負先生の開発したもので、胚芽、大豆、米ぬか、ハトムギ、ゴマ、緑茶エキスなどを特殊加工したものから取り出した、天然の抗酸化物質含有のエキス剤を配合した外用剤です(内服薬もありますが、ここでは外用剤のみ取り上げます)。多くはステロイドのリンデロンVG軟膏を混合してあります。代表的なAOACという軟膏の成分をご紹介します。リンデロンVG軟膏:親水ワセリン:抗酸化物質含有エキス=2:8:1で混合して作った軟膏です。

丹羽療法はステロイド外用剤の副作用を減らす?

皮フの同一部位に強いステロイド外用剤を長期間付け続けると、皮フの張りを作るコラーゲン線維が減ることにより、皮フが薄くなる(皮フ萎縮)副作用が起こることがあります。

 

丹羽先生の外用剤の多くには、リンデロンVG軟膏が配合されていますが、ワセリンなどと混合されていますので、リンデロンVG軟膏は混ぜる前に比べて1/2〜1/4の濃度になっています。希釈度を増すと有効性は減少しますが、1/4の濃度でもよりマイルドに有効です。ステロイドの副作用は、一般的に、有効性が減少すると減少します。したがって、単にリンデロンVGを1/4に希釈しただけでは、ステロイドの副作用は、より減少するかもしれませんが、なくなるとは言えず、出現する可能性は否定できません。

 

しかし、丹羽先生の抗酸化物質を混ぜた軟膏は、動物実験で、ステロイドで皮フが薄くなる(皮フ萎縮)副作用を、ある程度軽減させることがわかっています

 

 

丹羽療法はなぜアトピー性皮フ炎に効く?

丹羽療法の抗酸化物質配合軟膏は、活性酸素、過酸化脂質を減らすことにより抗炎症作用がある事がわかっています。炎症とは、かゆい・赤い・ブツブツ盛り上がる・じくじくする等を含めた現象で、これを減らすために効くのです。

 

有効性としては、「(ステロイド外用剤など通常の治療では)2-3ヶ月間入院を要する重症の患者さんでも、1-3週間の入院治療で全員軽快」するほど著効する、としています。

 

丹羽先生処方の外用剤の全てに抗酸化物質が配合されています。「AOA0(ゼロ)」は、親水ワセリン:抗酸化物質含有エキス=10:1で混合して作った軟膏で、ステロイド外用剤は配合されていません。御著書には、「AOA0」は、「皮疹もなく、痒みもないが、乾燥したり、色素沈着のある場合に使う」と記載されています。一方、上記のステロイド外用剤を配合した「AOAC」は「痒い湿疹に対して有効」です。丹羽先生は、以上のような事実は、抗酸化物質単独では効果は弱いが、「ステロイドとの相乗効果が強い」ためと考えています。

 

以上から、ステロイド外用が効きにくい患者さんや、ステロイド外用による副作用を気にされる患者さんに丹羽療法をお勧め致します。丹羽療法をお受けになる際の注意点としては、皮フの副作用(皮フ萎縮)は減っても、全くなくなるわけではありませんので、皮フ科専門医による診察をお受けになることをお勧めいたします。

 

手荒れに効く漢方薬とは?

手荒れ(手湿疹)は家事労働が原因になっていることが多く、他疾患の入院などにより、完全に家事から離れると皮疹が軽快することが多いのです。台所手袋の着用が薦められますが、それでも難治な場合も多いです。標準的な治療である、ステロイド外用剤や保湿剤を使用しても軽快しない場合に、漢方薬や皮フに被膜を作るクリームが有効な場合があります。ここに、代表的な漢方方剤をご紹介いたします。

 

   手足の火照り、腰痛、冷え、口唇乾燥、月経不順がある時は

・・・温経湯(うんけいとう)

   手の乾燥と火照りが強い時は・・・三物黄ごん湯(さんもつおうごんとう)

   赤味・じくじく・火照りのある時は・・・温清飲(うんせいいん)

   イライラ、不眠などがある時は・・・加味逍遥散(かみしょうようさん)

   手の乾燥と、手足の冷えがある時は・・・四物湯(しもつとう)

手荒れを防ぐ ハイテウル プロテクト クリームとは?

撥水性シリコーンが皮フの表面に軟らかくて薄い膜を作るので、頻繁な手洗いや消毒剤などから皮フを守り、手荒れを起きにくくします。のびがよくさらっとしていて、べたつきの少ないクリームです。同様の薬効の外用薬は数社から出ていますが、唯一皮フ科からサンプルをお渡し出来る製品です。