「ゆらぎ」について、寄せられた感想をご紹介します。
山路さん(1998.9.26)
私がここ1年近く引っかかっているのが,アルバム「夢唄」の中の「ゆ・ら・ぎ」です。
難しい言葉はないですけれど,言っている内容にかなり深いものがあるという印象はもっていますが,それが何なのか見えてこない感じでもやもやしているんです。
黄菜さんがどういう解釈をされているか,楽しみにしています。この文章を読まれた方でも,蛍茶屋で感じていらっしゃることを投稿していただけるとうれしく思います。
(注:前半部の文面を省略しています)
みありいさん(1998.9.26)
「ゆ・ら・ぎ」の唄ですが、僕なりの解釈です。
まっさんの唄って人間の感情の基本的な部分(喜怒哀楽や強がり、不安など)に、まっさんなりの味付けで
詩的で素敵な歌詞になっているのだと思っています。
「ゆ・ら・ぎ」は、「防人の唄」と同様、存在が消滅することへの不安。そして、そこからくる、自信の喪失感。何かに失敗したとき、「俺って何やってもだめなのかな?俺ってだめな奴?」というやつです。
それを拡大解釈して、「じゃあ、あれも俺のせい?これも俺のせい?全部俺が悪いのか?」と、歌っているのだと思います。でも、被害妄想の中に埋もれるのは悲しすぎるので、「強い○○がほしい」と自分に言い聞かせているのだと思うのですが。
もちろん、真実は作者の胸の内にあり、ですが。
トトロさん(1998.9.27)
「ゆ・ら・ぎ」に感じたことを書いてみようかなと思います。
人生の道のりというのは決して平坦ではないと思うんです。山有り谷有りで、そこを切り抜けて行くのが人生のように感じます。山有り谷有りの道のりを乗り切るには気力と知恵と前途を悲観しないという心構えが
必要なのでしょう。毎日の暮らしの中で人はいろいろなものを感じながら過ごしています。
常に何らかの刺激をうけて、感じて、それを感情表現して暮らしている。そういう暮らしの中で自分を見失うことなく毎日を過ごすには強靱な「自分」というのが必要になるのではないかと思います。
強い何かが欲しい、それは自分の中にあって、様々な事態に遭遇しても崩壊しない、そういう存在であって欲しいという願望なのではないでしょうか。
この歌詞を読んだとき、宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」を思い浮かべました。「ゆ・ら・ぎ」というのはさだまさし的デクノボー論を歌ったものではないかと考えたりします。デクノボー論に達する一歩手前かな?
そんな気がするんですが、如何でしょう。
<黄菜の勝手感想>
この歌のライナーに「人はらせん状に進歩する」という言葉が書かれていました。
「はぁーっ、なるほど」と思いました。(きっと皆さんもそうですよね。)
こんな比較は、論外なのですが(A^^;)螺旋階段とまっすぐなエスカレーターを見比べたとき、エスカレーターが一番楽なのは一目瞭然です。でも人の心はそんなに単純じゃない。喜怒哀楽があって、一歩進んじゃ二歩下がるような(^^;;)当然、機械と比べることはできませんね。まさしく、心はらせん状なんですよね。
「夢唄」のアルバム全体をとおして見たとき、他の歌と比べて「ゆらぎ」は心の奥深くの普段他人には見せたくない、自分の一番弱いところを歌っているように思います。
「揺らぐ」=「(風に)揺れて動く」、「(置かれている状況が)ぐらついてあぶなくなる」
「揺るぐ」=「(信念が)揺れて安定を欠いた状態になる」を参考に考えてみました。
たとえば夢に敗れたとき、恋を失くしたとき、人に裏切られたとき、自己嫌悪に陥ったとき、それまで積上げてきたことが崩れてしまう悲しみ。怖れ。・・・・これが「揺るぐ」
またそうでなくても、常に私達は心の中で自問自答しているのではないでしょうか。「信じていいのか」「これでいいのか」「なぜ、そうしなければならないのか」・・・・これが「揺らぐ」
もしかしたら、自分こそがもっとも信じにくい存在なのかもしれません。
誰でも一度は、「何のために生きて(生かされて)いるのだろう。」と思ったことがありますよね。ある人は「他の人を幸せにするため」と答え、ある人は「自分の(夢の)ために」と答えるでしょう。そしてまた「生きる意味がわからない」と答える人もいます。人の数だけ、答えが違っているでしょう。
また、そのどの答えも決して間違いではないと思います。それが「正しい」かどうかは、人それぞれだと思うのです。
「生きる」ことに迷うことこそ、生きている証し。何事においても考えれば考えるほど、見えてくる不安、戸惑い、焦り、失望。それも生きている証し。決して恥ずかしいことではないと思います。でもそれだけでは、しだいにへこんでしまうのが人の「こころ」 へこたれないためには、何が必要か。それには「強い夢」「強い愛」「強い心」「強い命」が欲しいと。ここで歌われている「強い」は、おそらく「叶うと信じる」という意味だと思います。
まさしさんだったら、こんなふうに言うでしょうか。(ここから想像モード(A^^;)
「迷っていてもいいんだよ。弱くってもいいんだよ。誰だって揺らいでいるんだ。
俺だって今でも迷ってる。みんな同じさ。生きているんだから。時々立ち止まって、修正しながら道を進んでいくんだよ。大切なことは、いつか願いは叶うと信じて全力を尽くすことなんだ。」って。
以上、黄菜の勝手感想でした(A^^;)