マツタケも菌根菌
| 主人の実家のある広島県内の山間部は日本有数のマツタケの産地です。 しかし、最近ではめっきりマツタケが採れなくなったといわれます。 「近頃にゃ〜、山ン中掃除せんけぇの、なばぁ〜採れんのんじゃ〜〜(広島弁)」 通訳すると・・・ 「最近では、山を掃除しないからなば(マツタケなどのキノコ類の総称)が採れないのです」 といつも義母が嘆いています。 山を掃除しないからマツタケが採れない??山の掃除とマツタケとが、どんな関係があるのだろうか・・・・いつも不思議に思っていました。 菌根菌の本を読んでいると「マツタケ菌は菌根菌の一種である」と書いてありました。 そうなんですよね!菌根菌が共生しているということはそこの土地はやせているって事なんです。やせているからこそアカマツの林にマツタケがたくさん生えるんですよね。 かつて、松の落ち葉は堆肥に、松の枯れ枝などはたきぎに使われていました。 松林はいつもちゃんと人間の手で管理されていたのです。 ところが1960年ころからマツタケが段々、採れなくなってきました。これはプロパンガスや化学肥料が普及してきた頃と時期が重なります。今までのように松の落ち葉を利用する必要がなくなってきたのです。 落ち葉が堆積してくると土が肥え、広葉樹が生えます。それまで人間と松との間で保たれていた生態系が崩れてしまいました。 やがて松枯れ病がおきても松には力がなくなってきているので枯れていく一方なのです。 そうして日本ではマツタケが採れなくなってしまいました。 松枯れ病とは・・・ マツノマダラカミキリが松を 食い荒らす時、その体内に寄生していたマツノザイセンチュウが木の中に入り、松枯れを起こすと言われています。 しかし、後の研究で、松枯れが起きるのはマツノザイセンチュウだけが原因というのではなく、一番大きな原因は大気汚染や土壌の栄養状態による松自体の活力の低下によるものだと発表されました。 |