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11/13 感動!アシナガバチの一年

フタモンアシナガバチ


スズメバチと共に狩りをするハチ(狩りバチ)の面ではもっとも進化したハチ!
子育てをするため攻撃的・・・
虫ながら、子どもを育てるという行動はスゴイですね〜


ハチを調べていくウチにその魅力にどんどん引き込まれていきます・・・
そうか〜〜ファーブル昆虫記も半分くらいはハチの話なんだね。
ハチといってもひとことで片づけられないスゴイ世界なんだね♪

家族集団を持つアシナガバチの暮らし
巣作り&産卵
春、アシナガバチのお母さんが木や草の繊維を使って巣作りを始めます。
自分の唾液を混ぜながら、大きな顎をつかって引き延ばし・・・一部屋できるとそこへ一つ卵を産み付けます。
そしてまた部屋を作り卵を産む・・・子育てをはじめた母ハチは食事の為に花を訪れる時と巣の材料を調達する時以外はずっと巣のそばにいます。夜も巣を抱きかかえるようにして巣の上で眠ります。
春のアシナガバチの卵は気温が低いため孵化するまで3週間近くかかります。
その間、母ハチは巣作りと産卵に専念するのです。
子育て
幼虫が無事孵化すると母ハチは子ども達にエサを与えます。
幼虫たちのエサは蝶や蛾の幼虫です。
獲物を見つけると飛びついて大きな顎でかみ殺します。(毒針は使いません!)
頭などの固い部分を取り除き、子ども達が食べられそうな柔らかい部分だけで肉団子を作るのです。
また、滴りそうな肉汁は一旦自分の胃に貯め込んで肉団子と共に巣に持ち帰るのです。
私はこの肉汁を飲み込む行為を見て「食べている!!」と思いましたがそうではなかったんです(^^ゞ

肉団子を抱えて巣にもどった母ハチは幼虫の部屋を一つずつまわり大きな幼虫から肉団子をさしだし必要な量だけ囓りとらせます。こうして配り終わると小さな幼虫たちには胃の中に溜め込んだ肉汁を口移しで与えます。ハチの離乳食とでも言ったところですね・・・その代わりに子どもたちからは糖分を含んだ唾液を母ハチに与えるのです。
母ハチは鳥のように一日に何度も肉団子を運んできて幼虫に与えます。
また大きく育った幼虫に合わせて部屋も深くしてやらなければいけません。
巣の材料を運んだり狩りをしたり・・・本当に忙しい母ハチなのです。
家族
幼虫は成長すると部屋の入り口に糸を張ってフタをします。フタをした幼虫たちは部屋の中で蛹になります。
17日〜18日すると繭を破っていよいよ誕生の時を迎えます♪
生まれたハチはなんと全部メス!娘たちばかりです。
娘ハチはこのまま巣に残り、母ハチの手伝いをするようになります。そうして狩りや幼虫たちの世話は全て娘ハチがするようになり母ハチは卵を産むだけになります。
たくさんの娘ハチたちのお陰で家族は急速に増えていきます。フタモンアシナガバチの大きな巣は500以上の部屋を持った大家族になります。
たくさんの家族を守るために危険な的が近づくとみんなで攻撃します。もちろん武器はあの産卵管が変化したお尻の毒針です。
次世代へむけて
アシナガバチの最盛期は9月。
夏の終わりには次のコロニーを作るために突然新しい母ハチになるものとオスが生まれます。

11月初旬の暖かい日、たくさんのアシナガバチが庭を飛び回っていました。
これはオスばかりのようです。新しい母ハチはまだ巣でじっとしているようです。
やがて11月も半ばになるとアシナガバチを見なくなります。
アシナガバチは来年の春になる新しい母ハチだけをのこして死に絶えてしまうのです。
彼女たちは寒さを凌ぐために石の陰などに身を潜めじっと春を待っているのでした。


11月中旬の暖かい日に見かけたオスのアシナガバチ・・・顔面が真っ黄色が特長です。
カラダを暖めているのでしょうか?!
熱を持ちそうな黒い金属やコンクリートブロックに好んで寄って来てはカラダをベタ〜とくっつけます。

「虫日記:アシナガバチの一年」・・・少々人間的な感覚で表現しました(^^ゞ
ハチには情や倫理というものはありませんが
とても人間的な子育てをするものだなぁと感心しました。
来年はぜひ我が家の軒下に巣を作って欲しいものです♪


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